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黒歴史ノートで恥ずかし死にからの転生!? 小姑システムを黙らせて、目指せラクして極上玉の輿!IF  作者: 此花サギリ


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6/10

第6話

第1章:都内高級ホテルの黒船オーディション

一、 日米の怪物子役たちが集う魔境

平成1Y年、初夏。

東京・グランドハイアット東京の最上階グランドボールルーム。


普段は国際会議や超一流ブランドの発表会に使われるその広大な空間は、この日、異様な緊張感と英語・日本語・フランス語が飛び交う熱気に包まれていた。


ハリウッド超大作映画『TOKYO BLADE』。

制作費2億ドル(日本円で約240億円)。世界最高峰の映画監督スティーブン・ハリソンが監督を務め、全米・全世界数千館での公開が約束されている、まさに「世紀の超大型プロジェクト」である。


その作中で、主演のハリウッドトップスター演じる元特殊部隊員と心を通わせ、物語の最大の鍵を握る「謎の少女・サクラ」役の最終オーディションが、ここ東京で行われようとしていた。


「里穂ちゃん……大丈夫……? お腹痛くない……?」


お母さんが、ガクガクと膝を震わせながら私の手を握りしめていた。

その隣に立つ松井マネージャーも、緊張のあまり何度も喉を鳴らしてミネラルウォーターを飲んでいる。


周りを見渡せば、まさに「世界規格」のキッズたちがひしめき合っていた。


全米のキッズモデルコンテストで優勝した金髪碧眼のハーフ少女。

ロサンゼルスの大手事務所から送り込まれた演技派の天才子役。

日本の有名劇団から勝ち上がってきた、英語ネイティブのハーフタレント……。


誰一人として「普通の子供」などいない。

全員が完璧なスタイリングを受け、大人顔負けの鋭い眼光で周囲を牽制し合っていた。


(うわぁ……流石はハリウッド案件……! 映画1本のスケールも集まってる子供たちの気合いも、日本のテレビ局の比じゃないわね……!)


『里穂。怯んではいけません。敵の英語能力および演技パラメーターの平均値は極めて高いですが、貴方には【前世の社会人経験】と【私の英才語学プログラム】があります』


脳内でお姑さんの冷静なアナウンスが響く。


(分かってるわよお姑さん! 相手が全米の天才キッズだろうが何だろうが関係ないわ! 私の狙いはただ一つ……【ドル建てギャラの獲得】と【ハリウッド作品出演という世界最強のブランディング】よ!!)


二、 全米NO.1キッズ・エマの洗礼

「Excuse me.(ちょっと通して頂戴)」


凛とした高飛車な英語が、私の頭上から降ってきた。


振り返ると、そこに立っていたのは、透き通るような白銀の髪と宝石のような青い目を持つ、7歳くらいの少女であった。


彼女の名前はエマ・ワトソン(同姓同名の別キッズ)……ではなく、ハリウッドで『天才子役』と称されるエマ・ロバーツ(仮名)。全米の大ヒット全米ドラマで主演を務める、今回のオーディションの絶対的大本命であった。


エマは私の頭から足先までを、露骨に見下すように眺めた。


「Are you the local candidate? You look like a tiny doll. Can you even speak proper English?(あなたが現地の候補者? まるでちっちゃなお人形ね。まともな英語くらい喋れるの?)」


(……出たわね。ハリウッド版子役マウント……!)


前世の社畜時代、外資系クライアントの生意気なエリート担当者に「日本語お上手ですね(皮肉)」と言われた時の記憶が蘇る。


お母さんがオドオドとして「えっと……り、里穂ちゃん……?」と戸惑う中、私はスッと背筋を伸ばした。


そして、前世のビジネスマナー仕込みの「完璧な笑顔」を浮かべ、ネイティブも脱帽する美しく洗練されたロンドン・イングリッシュ(英国式発音)で返した。


「It is an honor to meet you, Emma. Your previous work was wonderfully performance. However, rest assured, my English is more than sufficient to fulfill Mr. Harrison's artistic vision.(お会いできて光栄です、エマ。あなたのお仕事は素晴らしかったわ。でもご安心なさって。私の英語は、ハリソン監督の芸術的ビジョンを満たすのに十分以上ですから)」


「……ッ!?」


エマの綺麗な眉が、ピクッと跳ね上がった。


5歳の日本の少女から、淀みない流暢な英国式英語が返ってくるとは夢にも思っていなかったのだろう。


周囲の全米スタッフやハーフ子役たちからも「おい……あの子の英語、めちゃくちゃ発音綺麗だぞ……!」「イギリスの私立校出身か!?」と驚きの声が漏れる。


『ナイス・カウンターです、里穂。語学力における「現地子役」という偏見を一瞬で打ち砕きました』


お姑さんが脳内で満足気に鼻を鳴らす。


エマは青い目をギラリと光らせると、悔しそうにフンと鼻を鳴らした。


「We'll see who gets the part, Japanese girl.(誰が役を掴むか、見てなさいよ、ジャパニーズ・ガール)」


「I look forward to it.(楽しみにしていますわ)」


火花を散らす、5歳と7歳の視線。

ハリウッドオーディションの開幕であった。


第2章:巨匠スティーブン・ハリソンと、英語オーディション

一、 審査室の「世界の壁」

「Group 3, please enter room A.(グループ3、ルームAへお入りください)」


呼び出しがかかった。

私、エマ、そして他の3人の候補者が、重厚なドアを潜って審査室へと入る。


広大なスイートルームを改装した審査室の奥。

そこに座っていたのは、映画界の生きる伝説――スティーブン・ハリソン監督その人であった。


大柄な体躯、白い髭、そして獲物を射抜くような鋭い眼光。

その隣には、主演を務めるハリウッドのアクションスター、ジェイソン・ブレイドが腕を組んで座っていた。


「Okay, girls. Welcome.(やあ、いらっしゃい)」


ハリソン監督が、低い重厚な声で言った。


「I don't need refined reciting. I need 'real soul'. Show me what you've got.(綺麗なお勉強の朗読はいらない。俺が欲しいのは『本物の魂』だ。お前たちの力を見せてみろ)」


ピリッ、と空間の空気が凍りついた。


今回の課題は、映画のクライマックスシーン。

「味方の特殊部隊員(ジェイソン)が重傷を負い、敵に包囲される中、少女サクラが自らの身を挺して彼を守ろうと叫ぶ」という、極限状態の英語演技であった。


最初に名乗りを上げたのは、全米天才子役のエマだった。


「I'll go first, Mr. Harrison.(私が最初にやります、ハリソン監督)」


二、 エマの完璧なハリウッド演技

エマが前に出る。

彼女の演技は、流石はハリウッドの最前線で揉まれてきただけのことはあった。


「No! Don't touch him! If you want to kill him, you have to go through me first!(やめて! 彼に触らないで! 彼を殺したいなら、まず私を倒してからにしなさい!)」


感情豊かなアクション、メリハリのあるハリウッド式発声、美しい泣き顔。

全米のテレビ画面で育った彼女の演技は、まさに「100点満点のプロの演技」であった。


ハリソン監督は「Good.(いいね)」と頷き、ノートにメモを取る。

ジェイソンも「流石はアメリカの子役だ、声が通る」と感心した様子を見せていた。


エマが誇らしげな顔で元の位置に戻り、私にチラリと「どう? 追いつけるかしら?」と視線を送ってきた。


『里穂。彼女の演技はハリウッドの「標準(スタンダード)」です。ですが……ハリソン監督が本当に求めているのは、ハリウッドの型にハマった子役ではありません』


お姑さんの分析が走る。


『ハリソン監督の過去作品の傾向を分析しました。彼は「計算された演技」よりも、役者が追い詰められた時に見せる【生の葛藤(リアル・リアクション)】を好みます。英語のセリフでありながら、日本の伝統的な「間(ま)」と「静かな熱量」を融合させなさい』


(了解よお姑さん!! 28年の社畜生活で培った【理不尽に対する静かなる怒り】……ハリウッドの巨匠に叩きつけてあげるわ!!)


「Next, Oda Riho.(次、小田里穂)」


スタッフが名前を呼んだ。


三、 言語の壁を超えた「静かなる怪物」

「Yes, sir.」


私はスッと一歩前に出た。


ハリソン監督とジェイソンの視線が私に注がれる。

日本の小さな、可憐なおかっぱ頭の5歳児。ハリソン監督の目には、最初は「可愛らしい現地の候補者」としか映っていなかった。


だが、私は一瞬で目を閉じた。


(……集中。思い出すのよ。前世で、一生懸命作ったプレゼン資料をクソ上司にゴミ箱に捨てられた時の……あの静かな殺意と、絶対に諦めない執念を!!)


目を開ける。


その瞬間、私の瞳から「5歳の少女の幼さ」が完全に消滅した。


ハリソン監督が、ハッと息を呑んだ。


私は叫ばなかった。

大声で「やめて!」と叫ぶエマとは対照的に、私は傷ついたジェイソン(役)の前に静かに立ちはだかり、敵(カメラ)をまっすぐに見据えた。


呼吸を整える。すー……はー……。

静かな、でも部屋全体を支配する絶望的な「緊張感(テンション)」。


そして、低く、低く、地鳴りのような澄んだ英語で呟いた。


「……Touch him……and I will burn your world to ashes.(……彼に触れてみなさい。あなたたちの世界を、骨まで焼き尽くしてあげるから)」


「……ッ!!!」


ハリウッドスターのジェイソンが、思わず身体をのけぞらせた。


叫んでいない。泣いてもいない。

しかし、その小さな身体から放たれるのは、大切な者を守るためなら悪魔にでもなるという【静かなる狂気と圧倒的な覚悟】。


私はジェイソンの手(架空の傷口)を小さな手でギュッと握りしめ、英語で言った。


「Stay with me. Don't you dare close your eyes. You promised to show me the ocean, remember?(側にいて。目を閉じちゃダメ。私に海を見せてくれるって、約束したでしょ……?)」


ボロボロと、大きな瞳から流れる一粒の涙。


しかし、その瞳は敵から一切逸らされない。


英語のセリフでありながら、日本の武士道にも似た「静と動」の完璧な融合。


「……Cut!(……カット!)」


ハリソン監督の声が、震えていた。


第3章:満場一致の合格と、ドル建てギャラの衝撃

一、 巨匠の絶賛と全米子役の脱帽

静寂。


豪華なグランドボールルームの審査室に、静寂が落ちていた。


ハリソン監督は、手にしたペンを握りしめたまま、私を穴が開くほど見つめていた。

隣のアクションスター・ジェイソンは、「Unbelievable……(信じられない……)」と呟きながら頭を抱えている。


そして――


バンッ!


ハリソン監督が机を叩いて立ち上がった!


「BRAVO!! BRAVO!!(ブラボー! ブラボー!)」


ハリソン監督が激しい拍手を送り始めた!


「That’s it! That is Sakura! Not just a pretty child, but a fierce, haunting soul! The contrast between her tiny body and that terrifying determination……It’s absolute perfection!!(それだ! それこそがサクラだ! 単なる可愛い子供じゃない、激しく、胸を打つ魂! 小さな身体とあの恐ろしい覚悟のコントラスト……完全なる完璧だ!!)」


ジェイソンも興奮気味に身を乗り出してきた。


「Hey kid! Your eyes……I felt real chills! You are a born actress!(おいチビちゃん! 君のあの目……本気でゾクッとしたよ! 君は生まれながらの女優だ!)」


審査員のハリウッドスタッフ全員が、立ち上がってスタンディングオベーションを送っている。


横を見ると――


全米NO.1キッズのエマが、真っ白な顔で口をぐうの音も出ないほど開けていた。


「No way……Her English is perfect, and her performance……She completely overshadowed me……(嘘でしょ……英語も完璧で、あの演技……私、完全に呑まれた……)」


エマのプライドが、完膚なきまでに打ち砕かれた瞬間だった。


私はスッと「天使のスマイル」に戻ると、深々とお辞儀(ハリウッド式の可憐なカーテシー)をした。


「Thank you very much, Mr. Harrison! It was a great honor!(ありがとうございました、ハリソン監督! 大変光栄でした!)」


『完全勝利です、里穂。ハリウッド映画『TOKYO BLADE』サクラ役、内定確実です』


お姑さんの声が、脳内で高らかにファンファーレを鳴らした。


二、 提示された「ハリウッド格差」のギャラ

一週間後。

サンライズ・プロダクションの社長室にて、ハリウッド側から提示された正式契約書が開示された。


集まったのは、私、お母さん、黒岩プロデューサー、そして【合同会社ODAアセットマネジメント】の顧問税理士である佐藤先生である。


「り……里穂ちゃん……」


黒岩プロデューサーの手が、ガタガタと震えていた。


「これが……これがハリウッドの契約書だ……」


お母さんと佐藤税理士が契約書を覗き込む。


そこに記載されていた数字を見て、全員が呼吸を止めた。


【出演料(ギャラ)】

基本出演料:$ 500,000-(ドル)

世界興行収入ロイヤリティ配分:全米興収の0.5%

「ご……ごじゅう万ドル……!?」


お母さんが計算機を叩いた。


「1ドル=120円で計算したら……【6000万円】……!? たった映画1本の出演料で……6000万円!?」


「しかもお母様!」


税理士の佐藤先生が叫んだ。


「世界興行収入の0.5%というロイヤリティ条項が入っています! もしこの映画が全米で300億円の大ヒットとなった場合、追加で【1億5000万円】のロイヤリティが弊社(ODAアセット)にドル建てでお振り込みされます!!」


「ひゃ……ひゃく……に、に置くえん……!?!?」


お母さんがそのまま失神してソファに倒れ込んだ。


(ドル建てで6000万+興収ロイヤリティぃぃぃぃぃぃッ!!!!)


私の頭の中で、金色のドル札が津波となって押し寄せてきた。


(これが……これがハリウッドバブル!! 日本のテレビ局のギャラとは桁が二つ違う!! たった1本の映画で、数億円規模のドル資金が我がODAアセットに舞い込んでくるのよ!!)


『素晴らしい……完璧な外貨獲得です、里穂。円安リスクに備えた「米ドル資産」の獲得として、これ以上のシナリオはありません』


脳内でお姑さんも、珍しく興奮気味に声を弾ませていた。


こうして、私は6歳にして「ハリウッド映画に出演し、数億円を稼ぎ出すグローバル子役」へと上り詰めたのであった!


第4章:ドル建て資金による「米国株爆買い」と更なる大富豪化

一、 ドル資金をそのまま米国株式市場へブチ込め!

「佐藤さん(証券会社の方)!」


契約締結から数ヶ月後。ハリウッドからの第一期前払い出演料(25万ドル=約3000万円)が、我が【合同会社ODAアセットマネジメント】の米ドル建て法人口座に着金した。


私はすぐさま証券会社の佐藤さんを呼び出した。


「入金された25万ドル、円に換金せずに【そのままドル建てのまま米国株の買い増し】に使ってください!」


「ええっ!? 円に換金しないんですか!? 今、少し円安に振れてますから、円に戻せば為替差益が出ますよ!?」


「ダメです!」


私はノートを広げてピシッと言い放った。


「為替差益なんて目先の小銭です! 入金されたドルをそのまま【アップル(Apple)】と【アマゾン(Amazon)】、そして【グーグル(Alphabet)】の3社に、追加で10万ドルずつ買い増し(ナンピン・買い上がり)してください!」


(そう! ドル建てで得た資金をそのままドルで運用すれば、為替手数料もかからないし、将来のiPhone発表&EC爆発による【資産100倍化】の波に全力で乗れるのよ!!)


「小田役員……凄すぎます……。6歳にして「ドル資産のドル建て再投資」を即断されるなんて……! 承知いたしました! 即座にニューヨーク証券取引所へ買い付け注文を出します!」


佐藤証券マンが、神に対するかのような崇める目で私を見て、バシッと頭を下げた。


二、 豊洲タワーマンションの完成と、毎月の「不労所得」獲得

さらに、嬉しい報せは続いた。


1年前に【小田子役ファンド】で頭金を払ってプレセール購入していた、東京・豊洲の超高層タワーマンションが完成したのだ。


「里穂ちゃん! マンションの鍵が届いたわよ!」


お母さんがピカピカの鍵を持って走ってきた。


「お母さん! 早速、賃貸募集を出してくれた不動産屋さんからの連絡は?」


「ええ! 豊洲エリアの再開発で話題になってるから、募集を出した翌日に……なんと【月額家賃:45万円】で法人契約が決まったって!!」


(月額45万円の不労所得キタアアアアア!!)


私の胸の中で、ファンファーレが鳴り響いた。


毎月、私が幼稚園や小学校に行っていようが、寝ていようが、遊んでいようが……口座に自動で45万円(年間540万円)がチャリンチャリンと振り込まれてくるのだ!!


(これよ……これが私の夢にまで見た【不労所得(パッシブ・インカム)】!! 子役のギャラという労働収入を、確実に『不労所得を生み出す資産(不動産)』へ変換するこの快感!!)


『おめでとうございます、里穂。これで貴方は「不労所得のある小学生」となりました。次の目標は、この賃貸マンションを5棟まで増やすことです』


お姑さんが脳内でニヤリと笑う。


(5棟!! 毎月250万円の不労所得!! やってやろうじゃないの!!)


第5章:ハリウッド撮影開始と、全米大ブレイクの予感

一、 ロサンゼルス・ハリウッド撮影所へ

平成1Z年、夏。


私は小学校の夏休みを利用して、渡米した。

行き先はアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス。ハリウッドの巨大映画撮影スタジオである。


「うわぁぁぁぁ……! これがハリウッド……!」


お母さんが、巨大なスタジオセットやハリウッドサインを見上げて大興奮している。


楽屋として用意されたのは、ハリウッドスター同等の超大型キャンピングトレーラーハウス。

中にはふかふかのソファ、ベッド、シャワールーム、さらには専属のシェフとケータリングスタッフまで常駐していた。


「リホ! 待っていたよ!」


トレーラーハウスにやってきたのは、主演のアクションスター・ジェイソンと、ハリソン監督であった。


「ハリソン監督! ジェイソン!」


「今日の撮影シーン、君の素晴らしい演技を楽しみにしているよ。全米の観客を驚かせてやってくれ!」


ハリソン監督が私の頭を撫でる。


現場での私の扱いは、もはや「日本の可愛い子役」などではなかった。

ハリウッドの巨匠とタッグを組む、一人の「若き主演級女優」としての最高峰のリスペクトが払われていたのだ。


二、 撮影開始と、世界を震撼させる演技

「TOKYO BLADE, Scene 45, Take 1! Action!(アクション!)」


カチンコが鳴る。


ハリウッドの超最新型3Dカメラが、私を捉える。


爆風と炎が吹き荒れるスタジオセットの中、私は傷ついたジェイソンを庇い、敵の兵士たちに向かって立ちはだから。


「You shall not pass!(ここから先は、一歩も通さない!)」


小さな身体から放たれる、雷鳴のような咆哮と、瞳に宿る魂の炎。


カットがかかった瞬間――


現場にいた数百人の全米映画スタッフから、地鳴りのような歓声と拍手が巻き起こった!


「She is unbelievable!(彼女はあり得ない!)」

「She’s going to win an Academy Award!(彼女はアカデミー賞を取るぞ!)」


モニターを見つめるハリソン監督が、深々と頷きながら言った。


「This film will change everything. And Riho Oda will be a global superstar.(この映画はすべてを変える。そして小田里穂は、世界のグローバルスーパースターになる)」


第6章:6歳の大富豪、さらなる高みへ

一、 膨れ上がる資産と、ハワイの夢

ロサンゼルスの高級ホテルのスイートルーム。


夜景を見下ろしながら、私はベッドの上でノートを開いていた。


【合同会社ODAアセットマネジメント】の資産グラフは、もはやグラフの枠を突き抜ける勢いで右肩上がりに急上昇していた。


Plaintext

【最新資産状況(ODAアセットマネジメント)】

・総資産:約3億2000万円(国内株式・米国株・不動産・現金)

・米国株(Apple, Amazon, Google):1億円分保有(評価益上昇中)

・不動産(豊洲タワーマンション):月額45万円の不労所得(家賃収入)

・ハリウッド映画『TOKYO BLADE』公開後のロイヤリティ:推定1億~2億円予定

「3億……3億2000万円……」


お母さんがベッドの上で、シャンパン(※ノンアルコール)を飲みながらフワフワと漂っている。


「里穂ちゃん……お母さん、夢を見ているみたい……。うち、普通のサラリーマンの家庭だったのに……」


「お母さん、夢じゃないよ!」


私はお母さんに抱きついた。


「これからはね、お父さんもお仕事の無理をしなくていいし、お母さんも好きなものを買っていいんだよ! 私が……ううん、私たちが作った会社が、ずっと私たちを守ってくれるから!」


「里穂ちゃん……っ!!」


お母さんが涙を流して私を強く抱きしめた。


二、 2度目の人生、高笑いの日は近い!

部屋のベランダに出ると、ロサンゼルスの美しい夜空と、遠くに煌めく街の光が見えた。


私は手にした小さな扇子(お母さんに買ってもらった可愛いシルクの扇子)を、右手に掲げた。


(ふふふ……ハハハハハ!! 見たか世界!! これが社畜として死んだ私の、二度目の人生の成果よ!!)


前世、残業に追われ、手取り20万でコソコソと生きていた私。


今の私には、3億円を超える資産がある。

毎月入ってくる不労所得がある。

アメリカの巨大IT企業の株主というポジションがある。

そして、全米・全世界で公開されるハリウッド映画のスクリーンに、私の名前が刻まれる未来がある。


『里穂。ニヤけた顔をやめなさい。明日は朝六時から、全米メディア向けの合同記者会見ですよ。英語のスピーチ原稿の最終チェックを開始します』


脳内で、お姑さんがいつものスパルタなトーンで呼びかけてくる。


(分かってるわよ、お姑さん! 全米の記者たちを、私の完璧な英語とスピーチでノックアウトしてやるんだから!)


「行くわよ、お姑さん! 私のグローバル大富豪ロードは、まだまだ止まらないわ!」


『言葉遣いです。「参りましょう」ですよ、里穂!』


夜風にスカートをなびかせながら、私は不敵で最高の笑顔を浮かべた。


不労所得で大富豪になり、ハワイの海の見える丘で、右手に金の扇子を持って高笑いするその日まで――


6歳(中身社畜)の小田里穂の、破天荒でコミカルな大富豪征服記は、どこまでもどこまでも続いていくのだった!

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