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人間退治!

●●この小説は読者参加型です●●

あなたは自分が何科だと思いますか?

何科の人物に登場してほしいですか?

感想に書いていただければ、できる限り登場させてみます。

 翌朝。チームカラーのジャージを身につけた三学年・十五チームが、校庭へ集結。胸には校章バッジが輝いている。


 目の前に広がるのは、鬱蒼(うっそう)としたジャングル。木々や湿った土、立ちこめる霧さえ、すべて正義(セイギ)ちゃんが魔法で生み出したフィールドだ。


「いくよっ! 全チーム、あたしたちが潰すからね!」


 鮮やかなオレンジ色のジャージを着たまつりが、いつもの倍の声量で叫んでいる。


「まつりちゃん、こわあい。あず、優人(ユウト)くんのチームでよかったあ」


 あざとさ科の杏咲(アズサ)が震え上がる。ジャージはぶかぶかだ。その萌え袖で、戦う気はあるのだろうか。


「オレンジチームがかわいそう……ミスをすれば、まつりさんに殺されそう……」


 悲観科の妹奈(マイナ)のつぶやきは的を射ている。


「大丈夫。今の俺たちは不死身だぞー」


 気まま科の天馬が言った。そうだけれど、そういうことじゃないだろ。

 天馬の言う通り、今この場にいる生徒たちは、魔法で生み出された分身だ。意識がリンクしているが、本物の体は保健室で眠っている。


 オレンジ色の向こうには、青色のジャージの四人がいた。ふざけたジャージすらもスマートに着こなす(シズカ)は、じっと押し黙っている。チームメイトはどう接すればいいのか困惑しているようだ。


 しかし、赤、青、オレンジチームはラッキーだろう。戦いに慣れた聖人(セイジン)を擁しているのだから。

 (ハルカ)先生が、ため息を連発しながら指示を送る。


「聖人はいつも通りの武器で戦うこと。凡人(ボンジン)には仮の武器が支給されます。聞いていますか? 先生、早く帰りたいので、定刻には始めますよ」


 一方、不安そうな顔をしている白衣の女性は、保健室のネネ先生だ。〝インテリジェンス目・保護科〟の聖人で、その面倒見の良さから〝白衣の天使〟と親しまれている。


「生身じゃないからと言って油断しないで。傷つけば血も出るし、痛みも感じるからね。致命傷を負えばリタイアよ。逆に言えば、致命傷を負うまでは、どんなに辛くてもリタイアできないからね」


 ネネ先生が眉を下げる。肉体とイデア粒子の同期は、保健室の先生の仕事なのだ。


「人間退治なんて……怪人(カイジン)退治以上に野蛮よ。こんなことを子どもたちにさせたくないわ」


 その隣で、遥先生がタバコをスパスパと吸っている。今日はブドウの香りだ。


「痛くなけりゃ、必死で戦わないでしょう。学びのない学校に意味はありません」


 平然と言う遥先生に、ネネ先生は恨めしそうな目を向けた。


 正午ちょうどになると、正義(セイギ)ちゃんのアナウンスが響き渡った。


正義(マサヨシ)高校、年に一度の体育祭。人間退治を始めます。いちについて、よーい——」


 号砲とともに、ジャングルの内部に転送された。近くには、天馬、杏咲、妹奈しかいない。チームごとに別地点からスタートするのだ。樹木やツルが生い茂り、怪しげな色の花が手招きしている。これらが本物ではなく、魔法で作られた偽物だなんて、信じられないな。


 四人で岩の陰に隠れる。さて。ひとまずは意見を求め、協調性をアピールするか。


「どうする? 積極的に攻めるか、守りに徹するか」

「あずは、ここから動きたくないなあ。ジャングルには虫がいっぱいいるでしょお」


 杏咲が、妹奈の腕にしがみつく。妹奈は絶望を辞書で引いたような表情だった。


「虫どころか、絶対に獣もいるよ……人間にやられるのが先か、獣にやられるのが先か……」

「痛いのは嫌だよなー。俺は適当にうろうろしてみるわー」


 天馬がふらりと立ち上がった。


「おい、単独行動は危険だぞ」

「一か所にとどまるのが苦手な性分でねー」


 制止もむなしく、天馬はひらひらと手を振り、隠れ場所を去った。追いかけるのは無駄だろう。メンバーは最初から三人だったと思い込むしかない。


「じゃあ、杏咲の意見を採用して、しばらくここで身をひそめよう。時間とともに生存チーム数も減る。そのあと、漁夫の利で——」

「見いつけた」


 岩の向こうから、オレンジ色のジャージがぬっと生えた。まつりだ。目がギラついている。こえーよ!


「退治中にお尻を地面に着けるなんて。ずいぶんと余裕があるじゃない、優人」


 獲物を狩るような鼻息の荒さだ。戦国時代かよ。俺はすかさず提案した。


「まつり、わかっているよな? 二年生同士で潰し合うより、まずは協力して、強敵の三年生を倒す方が建設的だろ」

「冗談やめてよね」


 まつりの校章バッジが輝いた。現れたトンカチの柄をぐっと握り、俺たちが隠れていた岩を粉々に砕く。ドゴォッ!!! 杏咲、妹奈とともに慌てて飛びのいた。


 まつりは勝ち誇ったように仁王立ちしていた。


「あたし、どのゲームでも一番になりたいの!」


 まっすぐ正直な瞳。ああ、俺としたことが、おてんば科の聖人を甘く見ていたらしい。

人間性まとめ

ユニーク目・保護科/ネネ先生


次回、優人vsまつり、勃発か!?

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