26ジュリアーナに会いに行ったら(テオドール)
マルクの教えに従って今日はアーモンドスカッチを持ってカフェに行く事にした。
子供の頃ジュリアーナはこのアーモンドスカッチが大好きだったんだ。
いつものように目立たない黒塗りの馬車でカフェ【キャット】に向かった。護衛も最小限にした。
カラカラ
いつものようにカウベルが音を立てた。
「こんばんは‥ジュリアーナ、あっ、リアナ?」
カフェの中はガランとしていた。灯りはついていた。でも人が誰もいない。
??今夜行くって言ったよな?
もしかしてそこまで嫌われたのか?居留守まで使うなんて‥ガクッと肩が落ちた拍子に持っていたアーモンドスカッチの入った小瓶が落ちてガラスが割れる。
「国王代理!お怪我は?」
ガラスの割れる音を聞きつけて護衛が走って来た。
「‥大丈夫だ。ガラスが割れただけだ!」
はぁぁぁぁ~。
そこにメイアが走って来た。
「おじょうさまが‥お嬢様が攫われました!!」
「どういう事だ?メイア!詳しく話せ!!」
メイアが起きた事を話し始めた。
店はいつも通り4時過ぎに閉店してそれから片付けをしてメイアは洗い物をしていたらしい。ジュリアーナは表の片づけをしていてメイアが洗いものを終えて表に出るとジュリアーナが商人が使うような馬車に連れ込まれていた。
急いで後を追ったが馬車はあっという間に走り去ったらしい。
馬車は特徴もなくどこにでも走っているような馬車だったらしい。
「それで、連れ去った男の人相は?」
「申し訳ありません。あっという間のことだったので、ガラの悪い男だったとしか、髪は茶色で体格は大きかったと思います」
「他には?」
メイアは泣きそうな顔で何度も申し訳ございませんと謝る。
連れ去られるところを見ただけでも良かったとしか。
俺はすぐに護衛兵に指示を飛ばした。
「護衛兵。一人は騎士団に戻って王都中に人員を配備するようにしてくれ。他の護衛兵は俺と来い!」
「国王代理。いえ、国王陛下。お願いです、陛下はひとまず王宮にお戻りください。陛下の身に何かあればそれこそ取り返しがつきません」
「クッソ、わかった。メイア!ジュリアーナは必ず見つける。王都中、草の根を分けても探し出す。だから心配するな」
「はい、お願いします。もしかしてカトレーヌ王女殿下が関与しているのでは?国王陛下との離縁でカトレーヌ王女殿下の扱いはかなり微妙になったはず。あの方がおめおめとそれを受け入れるとは思えません。それにバルハン公爵もお嬢様を逆恨みしているかも‥」
「ああ、それも視野に入れて捜索しよう。ありがとうメイア、きっとジュリアーナを見つける」
「私も一緒に探させて下さい」
「いや、君はここにいて、ジュリアーナが帰って来るかも知れないだろう?」
「‥わかりました。お嬢様を必ず見つけて下さい」
「任せろ!護衛兵、馬を貸せ!」
俺は宰相のハルビート公爵とリンズベル侯爵家を頼ると決めて護衛兵の馬に飛び乗った。




