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賞味期限切れなんて誰が決めるんです?私の未来を勝手に決めるなんて許しません!  作者: はるくうきなこ


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13護衛との別れ


 ダニエルは馬を変えてまた、メイアを乗せた。

 私は今度はロイドの馬に乗った。

 「お嬢様、どこか痛い所はありませんか?他に難しいとか」

 「いいえないわ。ありがとうロイド。あなたって優しいのね」

 私はイアンの馬に乗った時より何だか少し会話が弾んだ。

 まあ、さっきは馬に乗ることに凄く緊張した。

 ロイドにそう言ったのは何となくで特にってわけでもない。ただ、世話になるからと思ったから。

 「っつ!や、優しいとか…言われたことないです。お嬢様は特別ですから」

 彼の回した手が宙を彷徨う。

 「そんなの。でも、送ってくれてすごく助かった。あなた達に会わなかったらと思うと」

 それは本心。もしかしたらルーカスに捕まっていたかもしれないから。

 「大丈夫です、あんなやつお嬢様にふさわしくありません。俺たち辺境に送り届ける時もずっとそう言ってたんです。だから皆、お嬢様の力になれて嬉しいんです」

 今度は迷うことなく手が私の腰に回された。少し戸惑うけれどこれは安全のためで他意はない事はわかっている。

 「ホントに?」

 「もちろんです!」

 素直に彼の言葉を受け取る。

 何だか実の親より護衛騎士に心配されてるなんてなんて思うけど、彼らの協力に助けられてる事は確かだと思う。

 途端にすっとお礼の言葉が落ちた。

 「ありがとう、ありがとうみんな」

 「「「とんでもありません。俺たち当然の事をしてるだけですから」」」

 「ありがとう」

 もう一度お礼を言った。

 数日のうちに自分のささくれていた気持ちが穏やかなものになっている気がした。

 もし、ダリルと暮らしている時にこんな気持ちになれたらもっと違っていたのかも、でも、それは結局無理な事。彼が私を遠ざけていたんだから。

 何故かそんな過去の事を何度も思い返した。


 国境を超えるとキルナート国に入った。しばらくは森が続いたが集落が所々に集落があった。

 一度馬を休ませるために泊った集落で私はメイアが買って来たカツラを付けた。眼鏡は街に入ってからにするつもり。

 イアン達は驚いたがこれも安全のためだと言うと何も言わなかった。

 私の髪は銀色、瞳は紫色でキルナートの貴族の色らしい事も知ったのでなおさらだった。

 集落はどの家も質素だが石造りのしっかりした家だった。放牧をしているのか牛やヤギがあちこちで草を食んでいる。

 のどかな景色が続きそして夕方にはキルナート国の王都ヤガートにたどり着いた。

 ヤガートは賑やかな街だった。道路はきちんと整備され街並みも整っている。馬車と人の道がきちんとわけてあり道路の溝もきれいに掃除されていて嫌な匂いもなかった。

 人々の顔は明るく店を出入りする人も多い。着ている服は質素でもきちんと整っている。食料品を扱う店にはたくさんの野菜や豆、肉や調味料などあらゆる品物が道路越しからでも見えた。品物は豊富であちこちからいい香りが漂う。

 この国の王はちゃんと国の事を考えている事が伝わった。

 この国に来て良かった。


 繁華街の一角にこじんまりとしているけど掃除の行き届いたらしい宿が目に入った。

 「今夜は一緒の宿に泊まりましょう。あなた達にはゆっくりして貰って欲しいもの」

 「でも、お嬢様、これから先は長いんです。そんな無駄遣いはいけません」

 この人達どこまで主人思いなんだろう。益々お礼がしたくなる。

 「いいから、あっ、あそこの宿がいいわ。早く馬を止めて」

 「皆さんジュリアーナがそう言ってるんです。あきらめて下さい」

 「もう、メイアったらそれじゃ私が悪いみたい」

 「わかりました。お嬢様の言う通りにしますから」

 イアン達は諦めて馬を止めておりた。

 やっぱり彼らはいい人。せめてお礼がしたい。

 その夜はご馳走を囲んで皆で食事をして私はメイアと一緒に休むことにした。

 「お嬢様、交代で見張りにつきますので安心して休んで下さい。明日はリンズベル侯爵家にお連れします。それが終わったら俺たちは国に帰らせて頂きますので」

 三人は部屋の前で膝をついた。

 「イアン、見張りもいらない。リンズベル侯爵家にも行かなくていいわ。後は私が自分でやれるから」

 「ですが、それでは危険です」

 「それじゃ、デヴェーラ国にいた時と同じになるわ。私は新らたな1歩を踏み出したいの。だからお願い私の思うようにやらせて欲しいの」

 貴族の令嬢ならそうかもしれない。何処かの家に属してすがって生きていくのが当たり前、でも、私は違うから。

 「ジュリアーナ、皆さんは心配して」

 メイアも言う。

 「ええ、でももう嫌なの。押し付けられた生き方は、だから自分の責任で生きてみたい。もし、ダメならリンズベル侯爵家を頼るって約束する。だからお願い」

 「そこまで覚悟を…」

 イアンが項垂れダニエル、ロイドが顔を見合わせ頷いた。

 「わかりました。もう、なにも言いません。ですがどうか無理はなさらないと約束して下さい」

 ダニエルが言う。

 「ええ、約束します」

 「俺ももっともっと努力します。お嬢様みたいに自分の力を試してみたいと思います」

 ロイドが言った。

 「ええ、あなたならきっと立派な騎士になれると思います。もちろんイアンもダニエルもです」



 翌朝、3人はヤガートを出発した。

 父にはメートランド辺境に送り届けたと報告すると言った。すぐに辺境からいなくなりキルナート国に逃げたとわかるはずだ。

 私はイアン達に脅されてキルナート国境を通過に協力させられたと話すように言いつけた。

 彼らも生活がある。スタールクス家にいる以上避けては通れないものもあるから。

 私は彼らがこれからも無事に過ごせる事を祈った。






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