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ワケあって、異世界審査通っちゃいました  作者: 蜂月 皐
第6章「三つ巴の戦い」
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第77話 「全員集合!」

樹海のおとぎ話。

王国1つを滅ぼした、巨大な白蛇伝説。

樹海の中央に集うは、生き残った各国、各種族の精鋭。

一回戦、勝利の証『旗』を巡る争いの役者が、今、出揃った。

「花龍式の小僧。主の相手は儂でござる。参られよ」

 「ご指名っスか。バカにされたままじゃ収まり付かないっスね」


 アウラールとカイザ。月龍式と花龍式。

 

 「全く、簡単な挑発に乗ってんじゃないわよッ!しょーがないわね。

  癒華。私達は()()()を相手するわよ。援護なさいッ!」

 「我らを前に、その他とののしるか。よかろう。三龍騎の実力をその身に

  刻んでくれる」


 女2人に男3人。月華と三龍騎。


 それぞれがそれぞれの相手を見定め、戦闘態勢に入る。


 と、その時!


 ガサガサガサー


 樹海の生い茂った木々をかき分け、何かが(うごめ)いているのをその場の

 7人は感じ取った。


 「な、なんだ?」


 その不気味な気配を悟り、アウラールが言葉を発したその時。


 『シャ――――――ッ!!!』


 突如巨大な白蛇が大きな口を開け、木々の間から飛び出てきた。


 「うわぁー!」


 それは、目にも止まらぬスピードで、7人に襲いかかってきた。


 反応出来たのは、アウラールとカイザ、メデューと癒華だけだった。

 

 驚愕と恐怖で身を固めた三龍騎は、後退ることしか出来ず。

 3人の姿は、瞬きの間に消えていた。


 「逃げるっスー!!!」


 カイザの叫びと共に、目の前の信じられない光景を目にし、固まる4人が

 行動を開始する。


 4人足並みを揃えるかのように、樹海の中央に向け走り出した。


 こうなると敵も味方もない。とにかく生き残ること。

 生存本能のままに、全力で駆ける。


 そして、一心不乱に走り続けた4人は樹海の中央、木々の開けた平地に

 辿り着いた。

 いつの間にか、白蛇の忍び寄る音も聞こえない。


 「はぁ、はぁ。な、なんとか逃げきれたみたいね」


 息を切らしながら、メデューが声を絞り出す。

 そんな彼女の横で、地面に膝を付き、首を垂れて涙ぐむアウラール。


 「セイ、コウ、ハク………。すまぬ。すまぬ」


 アウラールの姿を目の前にし、言葉が出ない月華のメンバー。

 今回の大会は、あくまでデミヒューマンの武力を競う大会であって

 戦争でも、ましてや殺し合いでもない。しかし、死者が出てしまった。

 

 「一回戦はここまでかもしれないわねッ」

 

 メデューが(さと)すように言葉を発した瞬間、4人の前方と左右から、鬼族の

 頭領2人と陽炎のメンバー、そして鬼族の三童子、さらに三羽カラスの

 小天が姿を現した。


 「結構たくさん残っているんだな。なぁ陰顕」

 「強者はいるのかに?なぁ、隠顕」


 各国の精鋭が集ったこの場で、始めに口火を切ったのは、鬼族の頭領

 2人だった。


 「ア、アウラール様!」


 傷付き、痛みをこらえながらアウラールに呼びかけるのは小天。


 「おぉ。小天無事だったか。他の者はどうした?」


 アウラールは、伏した顔を上げて返答する。


 「はい。面目ないことですが、2人とも戦闘不能です。私だけは、

  なんとかこうしてこの場にたどり着けましたが、既に限界です。

  い、いや、そんなことよりもすぐにお伝えしたいことがございます」


 「白蛇のことでござるな」


 小天の神妙な面持ちを見て、アウラールは報告を聞くより先に、この

 樹海の主のことと悟った。


 「実は、拙者の配下である三龍騎は、その白蛇によって全滅したてござる」


 食いしばりながら事の全容を話すアウラール。


 「そうでしたか。しかし、あんな規格外の魔獣、いや聖獣がいるとは」


 それを聞いていた、三童子がいきり立つ。


 「聖獣ッ!修羅様に報告ッ!」

 「天狗ッ!聖獣どこ!?」

 「強いヤツ教えろッ!」


 小天は、三童子の圧に気圧される。

 先程、空中で彼らから受けた攻撃。

 散っていった仲間の天狗達。

 それは、小天にトラウマを焼き付けていた。


 「まぁ、待つっスよ。その前に、誰か旗を見付けられた者はいるっスか?」


 カイザは臆せずに、彼らの会話に飛び込んだ。

 カイザの質問に、その場の全員が沈黙する。


 「そうっスか。ってことは、まだ一回戦目は終わっていないって解釈で

  良いんスかね?」


 カイザの一言で、一気に場が凍り付いた。

 全員が戦闘態勢に入る。


 無表情に立ち尽くす者、いきり立つ者、生唾を飲み込み身構える者、

 笑みを浮かべる者。


 それぞれがそれぞれの感情を表出し、一回戦目の第二幕が火蓋を切ろうと

 していた。

読んでいただきありがとうございました^^

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