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ワケあって、異世界審査通っちゃいました  作者: 蜂月 皐
第6章「三つ巴の戦い」
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第76話 「続・樹海のおとぎ話」

昔のおとぎ話。

誰が創ったのかもわからない伝説。

だが、伝説は、その事象があったと語り継がれる事実でもある。


『むかーし、昔の話。

  樹海には、「アイギス」という国がありました。

  そこには、とても美しい姫がおり、その美貌は各国に轟いていました。

  姫のところには、毎日のように各国の王子が訪れては、求婚を申し込んでいま

  した。

  ですが、姫は一度も首を縦には振りません。

  なぜなら、姫には心に決めた人がいたのです。

  それは、アイギス王国の騎士団長を務めるアレクという男。

  彼は、騎士団長であると同時に、姫の幼馴染でもありました。

  幼い頃より、姫に仕え、幼馴染同然に過ごしてきた2人。

  そんな彼らの間に特別な感情が芽生えたのは、ごく自然の成り行きでした。

  ですが、彼らが結ばれることはあり得ません。

  姫は公爵、アレクは騎士。身分が違いすぎたのです。

  

  ある日、2人の中を知った国王は、姫に縁談を持ち掛け、無理矢理に政略結婚

  へと踏み切りました。

  それを知った、アレクは国王に直談判をします。

  

  「私と姫は愛し合っています。身分の差はあれど、姫と私の結婚を許していた

   だきたい。

   許していただけないのであれば、私がこの国の騎士としてあり続ける意味は

   ありません。騎士団長らしからぬ発言と、大恩ある王に無礼な振る舞いをし

   てしまったこと、国の秩序の為に私は、ここで自害させていただきます」


  国の最高武力である、アレクの自害は、王にとっても、アイギス王国にとって

  も計り知れない程の痛手を(こうむ)ると考えた王は、アレクにある提案

  をしました。


 「これから、お前にある問題を出す。これが解ければ、お前の爵位を公爵とし、

  娘との結婚を認めてやろう。

  しかし、解けなかったときは、娘を諦め、今まで通り、騎士団長として、

  この国に尽くしてもらう。期限は3日だ」


  アレクは王からの提案を受けることにしました。

  

  すると、アレクの前に木の棒が5本並べられました。どの棒も真ん中から

  折れ、皮一枚で繋がっている状態でした。


  「この木の枝は、アイギス国の『神樹イーリアス』の枝だ。この枝を折れてい

   る部分を中心にして、等間隔に並べる………。

   では、これを()にしてみせよ。

   ただし、触れたり、息吹きかけることは禁ずる。

   もちろん何か物を使い間接的に触れることも禁止だ。期限は『3日間』。

   3日後に余が満足する結果を出せ」


  その夜、アレクは、王より渡された棒を持ち帰り、テーブルに並べて考えた。

  次の日も、また次の日も………。

  そして王との約束の日が来た。


  3日間悩んだアレクは、結局答えを出せず、王の御前にいた。


  「アレクよ。答えは出なかったようだな。約束は守ってもらうぞ」


  その日のうちに、姫は縁談相手の国へ連れて行かれてしまった。


  失意に打ちひしがれ、自分の無力さを痛感し、テーブルの上に並べられた

  神樹イーリアスの枝を呆然と見つめるアレク。

  彼は、大声を挙げ、大粒の涙を大量に流した。

  流れた涙は、テーブルの上にあるイーリアスの枝に染み込んだ。

  次の瞬間、枝はゆっくりと動き出し、星の形になった。

  

  だが、もう遅い。


  「あぁ、やっと触れずに、息も使わずに星にすることが出来た。

   だが、僕が望む人は、もういない。

   彼女のいないアイギスを守るなんて僕には出来ない」


  すると、星となった神樹イーリアスの枝は突如光出し、アレクを包み込み、

  彼の身体を巨大な『白蛇』へと変えてしまった。


  巨大な白蛇は、瞬く間にアイギスを滅ぼし、その場にとぐろを巻き、

  そして、眠りに付いた』


読んでいただきありがとうございます^^

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