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ワケあって、異世界審査通っちゃいました  作者: 蜂月 皐
第6章「三つ巴の戦い」
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第78話 『旗は何処』  

一回戦の勝利条件は、戦闘の勝ち負けではない。

あくまで『旗』の奪取である。

鈴空が設置した『旗』の場所は、白蛇の出現により所在が不明となっていた。

僕達『道』の選択者達は、闘技場に設置された巨大魔法モニターで、

 一回戦の様子を観戦していた。


 「すまないな。ハテンゴ。お前のところの三龍騎を死なせること

  になってしまった」

 

 僕は、おとぎ話のことをリュアレから聞いていたので、

 既知のことではあったが、都市伝説程度にしか考えていなかった。

 しかし、結果として死人を出してしまった責任は、今回の大会の

 発案者であり、一回戦の舞台を決定した僕にある。

 敵とはいえ、命まで奪う気は毛頭なかった。


 「キッキッキッキ。まぁ、気にするな。アレらは、弱かった。

  だから、命を落とした。それだけじゃんよー」


 ハテンゴは、動揺1つしていないどころか、意に介さないと

 言った感じで笑みを浮かべていた。


 「くっははは!ハテンゴよ。お主なかなか分かっておるな。

  さすがは地獄道にして、天狗の頭領の器。弱者など、世界

  に否定されて当然。それにしても、あの白蛇。戦ってみたい

  のぉ。アレは、()()3()()の1柱であろう?」


 修羅のやつ相変わらずの戦闘狂だな。それにしても、例の3匹

 ってなんだろう?


 「けっ!なんだよ、この茶番は。早く一回戦終わらせろよ。

  こっちは腹が減ってイライラしてんだ」


 飢餓の空腹を満たせる日は来るのだろうか?彼に適合する者

 つまり、彼の食材と成りえる者なんて、なかなかいないと

 思うが………。


 「俺としては、白蛇が出てくるとは予想外だった。あいつの

  せいで、樹海の中央に配置していた『旗』の所在も変わった。

  一回戦は中止するか?」


 僕は、皆に問う。


 「ナマ言ってるとお前からぶっ殺すぞ!」

 「続行に決まってるじゃんよー」

 「わらわの楽しみを奪うのは、許さんぞ」


 3人とも、言い方は違うが、言おうとすることは一緒

 のようだ。


 「わかった。このまま続けよう」


 僕も3人に同意した。


 ところで、()()3()()ってなんだろう?

 あとで、リュアレ先生に聞いてみるか。

 


 〈話は、一回戦の舞台、樹海へと戻る〉


 集った各国の精鋭達。

 彼らの目的はただ1つ。

 一回戦、勝利の証『旗』。


 のはずだが、ある一族だけは違っていた。

 

 鬼族である。

 

 彼らの目的は、旗取りではなく、弱者の処理。

 強者のみを二回戦に出場させること。

 それは、主人である鬼神修羅への忠義の証。

 つまり、勝利<忠義<鬼神修羅という構図。

 彼らからしてみれば、ヒューマンもデミヒューマンも伝説の生き物も

 強ければ、全て同じだ。全て、主君を満足させるための供物に過ぎない。


 「さぁ、始めるに。強者だけが生き残これるに」


 「ちょっと待ってくれぬか」


 待ったをかけたのは、龍人族の長、アウラールだった。


 「拙者達は、棄権じゃ。小天はこの有様。三龍騎も失い、拙者に戦う

  気力はない」


 「なっ!俺との勝負はまだついて無いっスよ!」


 カイザの制止も虚しく、アウラール達は、監視システムに向けて棄権の

 合図をした。


 と、その時。


 「弱いヤツ死ね!」

 

 鬼族の三童子、赤鬼と青鬼がアウラールと小天目掛けて襲い掛かった。

 小天は殴り飛ばされ、アウラールは剣でその拳を受け止めた。


 「ぬッ!、こ、小天!き、貴様ら。戦闘する意思のない者に

  襲い掛かるとは」


 「棄権許さない」

 「弱いヤツいらない」

 「修羅様の為」


 「お前ら、やめろー!」


 三童子の容赦ない振る舞いに気持ちを抑えきれずに飛び出たのは、

 カイザだった。


 花龍式『柊』

 「悪鬼を退ける!」


 その場を光が包み込む。

 相手の目を奪ったカイザは、アウラールに肩を貸し、三童子との

 距離を取ることに成功した。


 「何故、拙者を助けた?いや、愚問か。かたじけない」

 「さっきの天狗は………」


 カイザが殴り飛ばされた小天のほうに目をやった時だった。


 ガサガサガサー。

 

 「この音ッ!あの時と一緒だわ!ヤツがくるわよッ!」


 メデューが声を挙げる。


 白蛇………!


 次の瞬間。

 木々の間から、大きな白蛇が勢い良く飛び出てきた。

 そして、目の前に転がる小天に長い舌を絡ませる。


 「小天ー! 」


 アウラールの叫び虚しく、飲み込まれる小天。


 「強そうな蛇だに」

 「倒しがいがありそうなんだなぁ」


 鬼族の注意が白蛇に注がれた。同時に、三童子も白蛇のほうへ

 歩みを進める。


 「もしかして、今チャンスっスか?今のうちに退却するっスよ」


 陽炎と月華、アウラールは、速やかにその場を後にしようとする。

 だが、


 「ねぇ!アレって『旗』じゃない!?」


 言って、メデューが指を差す。

 退却しようとしていた月華と陽炎のメンバーは、その指が差す方向

 に目をやり、全員息を飲んだ。そして一斉に叫んだ。


 歯―――!!!

読んでいただきありがとうございます^^

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