第33話 「三つ蛇頭」
ゴルゴーンの領地、『三つ蛇頭』へ足を踏み入れた鈴空達。
そこには、樹海が広がっていた。
濃い霧の中、鈴空達に近づいて来る足音………
3人は身構え、戦闘態勢に入る
「痛てて」
若干の二日酔いが残る朝。僕は気だるく、重たい身体を必死に起こした。
「おはようございます!」
そして、リアと西華がユニゾンした………。
身支度を整え、スーレの街をあとにした僕達は、決して急がず、しかし着々と敵の領地の近くまで、その歩みを進めていた。
「鈴空さん。もうすぐ、ゴルゴーンの領地『三つ蛇頭』に入ります。いつ相手が襲ってくるかわかりませんので用心してください」
なんだか、不気味な名前だな。三つ蛇頭か。
「なぁ、リア。ゴルゴーンってやつは、もしかして3姉妹か?」
リアルの世界でゴルゴーンと言えば、髪の毛が蛇のゴルゴーン3姉妹が有名だ。
「いえ、ゴルゴーンに姉妹がいるという話は聞いたことがありませんが………」
リアルとは違うのね。いやでも、良かった。ボスが3人もいたら、大変だ。
僕達が、三つ蛇頭に足を踏み入れると、そこは、丈の長い草が生い茂り、背の高い木々が太陽から注がれる光を遮った、樹海のような場所だった。
「なぁ、リア。全然手入れが行き届いてないように思えるのだが、ここはもうゴルゴーンの領地で良いんだよな?」
「はい。地図通りであれば、ここで間違えありません」
僕、こうゆうジメジメした暗いところは苦手なんだよなぁ。
はぁ………。
さっさとゴルゴーンぶっ倒して帰ろーっと。つーか、常婆のやつ。今回の借りはかなりデカいからな(ブツブツ)。
僕が独り言を呟いていると、
「みなさん構えて!」
先頭を歩いていたリアが突然、僕達に指示を出した。途端、辺りが霧に包まれる。
「こ、これは!」
僕達は、既に戦闘態勢に入っていた。というか、入らざるを得ない状況に陥っていた。
濃い霧の中、足音が聞こえてくる。
「1人、2人………か?」
息を殺し、目を凝らし、全身の筋肉を緊張させ、紗月を握る手は小刻みに震えている。
次の瞬間、声が聞こえてきた。
「ふぁぁぁ。誰だよぉ?僕達の領地に足を踏み入れたのぉ?折角、気持ちよく寝てたのにぃ」
「ステーノ!油断してるんじゃないわよ!ここはあなたの担当でしょ!」
二人の女のコがなにやら会話をしているようだ。
「何者や!姿を見せぇ!」
西華がその声の主へ言葉を投げつける。だが、返答はない。
刹那!
「シャァァァ!」
僕の腕ほどあるだろうか。視界の悪い、濃い霧の中から大きな蛇が僕目掛けて噛みついてきた。だが、まだ紗月は錆びたまま。僕は、避けようと、咄嗟に身を捩る。なんとか初撃は避けれたが、僕はバランスを崩し、地に膝を付いた。蛇は、追撃とばかりに再度、僕目掛けて噛みついてきた。
魔法『火憐』
「鈴空様!今のうちやー」
西華の放った火魔法は、大きな蛇に命中し、その身を焼き、焼却した。
「西華。助かったぞ」
「ちッ。しくじったか。ステーノあんたがノロノロしているからよ」
「だってぇ僕、まだ寝起きで頭がボーっとぉぉ………」
濃い霧の中から、2人の女の子………いや、少女と幼女が姿を現した。
「あなた達、一体………」
リアと西華は僕を守ろうと、眼前に構えた。
「ステーノ全部あんたのせいだがらね。姉様に叱られても私は知らないんだから!」
「おい、お前ら。ちょっとは、こっちの話を聞け。いきなり攻撃してきてなんなんだお前たちは!」
子供のいたずらにしては、少しが度が過ぎる。まぁ僕が、爬虫類苦手っていうのもあるんだが、それにしてもだ!大人の話はちゃんと聞かなければならん。
「はぁ?なんなんだって?それはこっちのセリフよ。あんた達こそ、私達の守護するこの三つ蛇頭になんの用なのよ!」
これだから、子供は苦手だ。我儘で、大人の言うことなんて聞きゃあしない。
「俺たちは、ある人の救出でゴルゴーンがいるっていう国に向かっている途中だ」
きかんぼうのお子様にも容易に理解ができるように、僕は端的に、おもいっきりシンプルに用事を伝えた。
すると、2人の女の子の背後に1人の大人の女性が姿を現した。
「それは、聞き捨てなりませんね」
「ね、姉様!?こ、これは違うの。ステーノが怠けてたせいで、こいつらの侵入を許したの」
「ZZZ………」
「はぁ。ステーノ起きなさい。全くあなたは………。メデュー。あなたは、ステーノの姉なのだから少しは、妹を庇うことを覚えなさい」
「はい………」
どうやら会話から察するに、この3人は姉妹のようだ。ステーノは末っ子で寝坊助。メデューは次女で、ツンケンしている感じだな。姉様とやらに頭が上がらないといったところか。それにしても、こいつらの姿は、デミヒューマン。それも見るからに蛇だな。ステーノは髪が、メデューは尻尾がそれぞれ蛇のそれだ。姉様ってやつは、普通のヒューマンか?蛇らしき箇所が見当たらない。変わったところと言えば、ずっと閉眼していることくらいか。
「私はリュアレ。私達姉妹は、ゴルゴーン様が配下、『三つ蛇頭 レラージュ3姉妹』。ここを訪れた用事を聞くに、私達はあなたがたを敵と認識しました。ゴルゴーン様の為、排除します」
レラージュ3姉妹だ!?やっと自己紹介したかと思えば、いきなり排除かよ。とんでもない姉妹だな。
「排除って。話す余地なしか?」
「はい。ゴルゴーン様に牙をむく者ならば、理由はどうあれ、排除の対象です」
聞く耳持たずか。でも、自分の大将を守ろうとする忠誠だけは、認めてやるか。
「リア、西華やるぞ!」
「はい。話が通じそうもありませんね」
「ほんなら」
そして、両雄戦闘態勢に入った。
読んでいただきありがとうございます!
是非、感想、レビューよろしくお願いします^^




