エピローグ 桜君に笑む
お久しぶりです。
残りの夏休み、私達―― 凜くん、双葉、琴羽、一樹君、斗真君でグレープを作り、夏休みの宿題と受験の為の勉強を進めていく。
そんな中の1日、図書館からの帰り道――
私はふと気になり、凜くんに聞いてみた。
「ねえ、凜くん」
「ん?」
「凜くんの第一志望どこなの?」
「んー、何処だろうな?」
「もしかして、辰北?」
辰北学院―― 凜くんがやっている剣道なら、そこだと思っていた。
「もうっ、教えてくれても良いじゃないっ!」
「ナイショ、その方が面白そうだ」
そう言った凜くんは、本当に楽しそうで、夏の陽射しの中で眩しく輝いていた。
そして、季節は足早に過ぎていき――――
そして、今日、明日菜の許に合格通知があり、職員室へ報告。
卒業まで残り僅か――
そして、卒業式――
私、双葉、琴羽は中学最後という日を名残惜しみ、短い春休みに遊ぶ約束をしたり、そして、高校生として再会を約束し別れた。
凜くんとは教室で話したきり――
ん? …………莓のチョコスティック菓子?
そこに貼られていた小さな手紙――
私のよく知る人の字で書かれた『高校でもよろしく』との文字。
桜の雨が降る。
私は手紙を財布の中に大切に仕舞い、莓のチョコスティック菓子の封を開け、一本口にする。
嬉しい甘さが口の中に広がった。
ゆっくりと続きます。




