#95 無限都市
シュパン!
全員無事に多次元転移で次の特異界に到着できたようだ。ここはどこだろう。広い空間だ。何かの建物の中か。物とかも何もない。ただ広い空間が広がっている。
「これで本当によかったのだろうか」
「お姉さま、魔法世界のことですね。私たちは私たちの目的があります。これでよかったんです」
「リノ、そうだな」
「ポラリス、気に止むことは無い。あの世界の連中はああ見えて本気だせば私なんかよりも随分強くて粘り強いんだぞ。そしてかなり強い。例えあの世界が壊れようとも魔導皇帝とかいう化け物は今頃倒している筈だよ。だから、私たちは前の未来へ進もう」
「パルムさん、ありがとうございます」
「パルムでいいよ、ポラリスって私も呼ぶから」
「それじゃ、パルム。ありがとう、そしてこれからよろしくお願いします」
「ああ、パルム姉さんに任せておきなさい。あはははは」
パルムはもっと気難しい人かと思ったけれどもとても気さくで明るい人だ。そして何か親近感のようなものを感じる。なんだろうこの気持ちは。
《パルム様、私はソラと申します。よろしくお願いします》
「お、ポラリスの能力か?ソラもパルムでいいよ。その方が対等でやりやすい」
《ありがとうございます。ではパルムと呼ばせていただきます。では、パルムにも回廊を繋げますので承認を》
「承認する。ソラよろしくな」
《承認確認しました。回廊を共有しました》
「ソラは僕の真核なんです。主に戦闘のサポートをしたり周辺の観測をしてくれたりしてくれています。僕の分身です」
「ほう、とても興味深いね。確かに私にはそういうのは無いからね、よい相棒だな。相棒は大切にしなよ」
「パルムには真核は無いんですか?」
「そうだね、真核というのは主特異界にしかない特有のものだ。私には真核は無いよ。あと気づいているかも知れないけれども、改めて自己紹介だ。私はパルム・エノカ、魔法界では大魔法使いとして活躍していた者で、同時に転生者だ」
「やはり、この親近感は同郷の方だったですね」
「あははは、やっぱり気づいていたか。私の予想だがこれから出会う人々は私らと同じ転生者か転移者だ。ポラリスもリノも転生者か転移者だろう?」
「そうです、僕は転生して転移したという転生転移者になります」
「リノは転移だと思います。以前の記憶が曖昧でたまたま宇宙軍に拾ってもらいまして今に至ります」
「転生転移とは珍しいな。私も初耳だ。リノは記憶喪失か、転移または転生後の影響で記憶の消失だろうね。色々な経緯を経てここに集うということは何かの啓示だろう。宿命というのかな」
「パルムはちなみに転生前はどこの国の転生者だったんですか?僕は日本という国で生まれ育ちました」
「ん?日本!!アニメが盛んな世界一好きな国なんだよ。おっと話が脱線しそうだったが、私はフランスという国だったよ。多分、ポラリスとは違う世界線のね」
「世界線が違う、そういえばエヴナも同じことを言っていたような」
「そう、特異界という世界は未だ解明されていないことが多い世界で、この特異界へ転生または転移してくる人や物や存在というのは無限に連なり分岐した平行世界から飛ばされてくるんだよ。平行世界だと同じ世界からの転移や転生というのは報告はされているんだけども、特異界への転生や転移は通常ではなくて呼ばれたか奇跡のような確率で招かれたというのが自然かな。私もポラリスもリノも例外なくね」
「招かれたか」
確か、僕は神煌核という意志によって招かれたって聞いたな。リノももしかしたらそうなのかも知れない。パルムもあの魔法世界の何かに招かれたのかも知れないな。
「さて、私は魔法世界と主特異界しか知らないから、この特異界はどんな世界なのか気になるところ。それにしてもこの回廊便利だな。これはプロエのサインがあるから、主特異界の未来観測の情報か、まとめた情報がよくわかるし、離れていても互いに存在を確認できるし、意志疎通も出来るわけか」
「情報によるとこの世界の名は特異全宙域大都市構造連続帯という特異界みたいですね」
「なんか、長いな」
「えと、この世界で探すべき人はキース・ヘミングウェイという人物みたいです」
「それ以上の情報はプロエの情報にも見当たらないな」
「そういえば、この世界でもこの金貨使えるのでしょうか」
「「うーん」」
「まぁなんとかなるさ!」
《観測を開始します。広範囲に観測を展開。現時点では生命反応や動態する反応も無し》
「うひゃー本当に何もないのか。都市が連続しているか?」
かなり広範囲を観測したぞ。広範囲だから数億㎞内が全て建築物という。
どうなってるんだこの特異世界は。




