#71 二回戦進出者リストと情報戦
「本戦Zブロック、ポラリス・ステラマリス様お疲れ様でした。次の本戦は30分後となりますので、出場の準備をお願いします」
控え室にアナウンスが響いた。
「疲れてないけれども疲れたぁー(精神的に)」
リノは観戦会場に行っているため、この広い部屋にはもちろんいない。僕一人だけだ。さて、30分後か。他のブロックも気になるけれどもこの会場のシステムがよくわからない。
予選のときと同じで、空間自体の時間の流れが違うのか?肌で感じる直感みたいなものだけれども。
《観戦会場、本戦会場では異なる時間が流れているみたいです。演算結果では運営を円滑に進めるための手段かと思われます。合わせて、他のブロックの本戦も終了している模様です》
「え?!他の本戦終わっちゃったの?!」
《観測した演算結果だと間違いはありません。Zブロックが最後の本戦会場でした》
「なるほどねぇ、時間や空間にもこんな使い方があるんだね。ありがとう」
《いえいえ》
さてさて、二回戦の相手は誰だというか、初戦突破した奴の名前ぐらいは把握したところだ。
確か、テーブルに触れれば...
「出た!ええっと、どれが本戦のブロックリストだ?ああ、この二回戦進出者というやつか」
テーブルの空中に表示された透明な大画面をスマホと同じ要領でスクロールしてみたら、二回戦進出者の名前が記載されていた。
◇
下記、二回戦への進出した者を記載する。
公平性を保つために、本戦会場への本戦出場者自身の観戦を堅く禁ずる。※シード枠は三回戦からとする。
二回戦進出者
①
Bブロック アエテル・ニタース
Dブロック マリー・ヘーグストランド
②
Eブロック イーリス・ハフグレーン
Gブロック セシリア・イホ
③
Jブロック ユルヘン・エルヴィン
Lブロック スティーナ・ルート
④
Nブロック エヴナ・イグルノヴァ
Oブロック クロノス・フーガ
⑤
Qブロック アウトマティア・ハサウェイ
Tブロック リーゼロッテ・ルイーゼ
⑥
Vブロック ラファエーレ・デアンジェリス
Xブロック マクシミリアン・ローデンヴァルト
⑦※シード枠
Zブロック ポラリス・ステラマリス
◇
うへぇ、本戦会場への観戦は不可か。これは名前しかわからんな。回廊経由でリノに聞いてみるか?いや、バレたら反則扱いで即失格になるのは勘弁だしな。そんなリスクは犯せないな。本来は相手の情報は欲しいところだが、この規模の大会で、本戦出場者も猛者ときて情報収集をしていないだろうかと気になるが、猛者揃いの出場者でこの禁ずるという意味は万全の対策を練っていると考えて良いだろう。
あとは、予選で聞いた名前で判断するしかない。
確か、ヴァルフレアさんが注意するようにと言っていたリリカルという人物は無い。確か僕と同じくらい強い者とヴァルフレアさんは言っていたな。けれども名前は無い、つまり敗退したということだ。
あと、リノが教えてくれた確か、ギルド:ユグドラシル推薦者の戦斧王エンデヴァー・クラウスという名前も無い。
雷帝のトタンスという人物も。
だが、知っている者で進出した者もいる。
勇者ニノマエさんを一方的に倒した無名の剣士アエテル・ニタース。リノが気になると言っていたアウトマティア・ハサウェイという人物。
それ以外の情報は何も無い。
この世界に飛んできたばかりの僕らには予備知識など全く無いのだから。観戦者や本戦出場者にとっては予備知識はあるのかも知れない。
有名、無名もいるから全員が全てを知ることは難しいのかも知れないけれど、逆を考えてみたら僕のことを知る術も無いということになる。しかも、僕はシード枠。仮に観戦者が本戦出場者に情報を渡す術や手段があったとしても、この二回戦を勝ち残らなければ僕の情報は意味を成さない。
良い方向に考えてみたらこれは大きなアドバンテージになる筈だ。前世で情報戦は兵法也と昔の偉人が言っていたような気がするが本当にそうだと思う。
さて、待機する時間は残り15分か。
時間が経つのは生まれ変わっても同じだな。全く。
「ソラ、試しに本戦会場の観測はできるか探られる?」
《観測完了。結論から申し上げますと不可であり可能です。仮に観測した場合は時空間魔法を吸収してしまい空間と時間の均衡が保てなくなる可能性があり、得られる経験値は莫大ですが試合どころでは無くなる可能性が高すぎるため反則になる可能性がとても高いと結果が出ております》
「ありがとう。やはり、ソラの観測を持ってしても難しいか。ということは他の本戦出場者も難しいということだ。これはこれで良い情報だ」
残り時間10分か。
準備運動でもして備えるか。




