第448話 THE宣伝
おいしいよね。
あ!違うか!
「使っているものが違うから、同じものだったら」
もし、小さいころ食べていたグリンピースも、今私が食べているのと同じものだったら、嫌ったりしなかったかもしれない!
前世の小さいころ食べた、シュウマイの絵にのってたのは、水分抜けて皺が寄ってぱさっぱさの味気ないものだったもん。
「いや、だから、同じものを他の学校は使えないから苦情が出たんだろう?」
苦情?
「同じものが使えない?なぜですか?」
そんなに、このスープのグリンピースは特別な物なのかな?
……ありえるな。うん、ありえる。
「璃々亜、嘉久のように、高価な掃除道具を他の学校の生徒が買い揃えられないことは分かるだろう?」
え?
掃除道具の話?
やばい、聞いてなかった。えっと、何?ほかの学校の生徒が買い揃えられない?
「買えないのであれば、借りればいいのでは?」
車が買えないならレンタルという手がある。たしか掃除道具もレンタルできたよね?ダスキヌだっけ?あれ?レンタルじゃなくてリースだっけ?
リースだと金がいっぱいかかるんだっけ?じゃだめじゃん。
ただで何かを借りて使える手ってなかったっけ?
あ、そうそう、あったあった。
「モニター」
だ。なんか応募してモニターになるとお試しでタダで使えたりするんだよね。
「は?なんで今パソコンの話が出て来る?」
「え?私、パソコンの話などしていませんわ?」
嘉久の言葉にどきっとする。
今、京様のこと考えてないよ?だから、うっかり京とか言ってないよね?
兄のパソコンルームの名前……「京の部屋」だからね。
兄がパソコンルームに行くときに「京の部屋に行ってくる」っていうのを聞くのが夢なのです。ひひひ。
都キャプテンの声で「京の部屋に行く」って台詞が聞けるんだよ、もう、なんていうか、脳内録音だけじゃ足りないよね。
録音してyoutubuにアップしたいわー。
「動画サイトで共有」
むふふ。
全国の京都派(京×都)のみなさまぁーーーっ!待っていてくださいね!
私、きっと野望を達成して、皆様に素敵ヴォイスお届けいたしますからぁ!
「動画って何のことだ?パソコンで動画を見たいのか?」
へっ?
はぐぐっ。
やっばい、私、また、何か口走った?
嘉久が首をかしげている。
「あ、もしかして、璃々亜の言ってたモニターっていうのは、商品に関して消費者の意見を聞くために試してもらうという、あれか?」
よかった。話が戻った。
うん、戻った。
兄よ、ナイス!
「え、ええ。パソコンの話ではございません。モニターであれば、無料で商品を試すことができますわよね?」
嘉久がガタンと立ち上がった。
「そうか!そういうことか!動画で共有というのは……。商品を実際使って動画に収め、その性能を広く宣伝するというんだな?」
はい?
動画で共有といっても、兄の声に映像はつけませんよ?あくまでも都キャプテンボイスだけですよ?
「ああ、なるほど。企業に交渉して、掃除道具のモニターとして貸し出してもらうということか……。それならば、どの学校でもできる。わが校だけがお金があるから色々な掃除道具を使えるから卑怯だといった批判は回避できるな」
えーっと。
私思いますに、色々な企業と交渉するのに、うち、色々な企業とつてがあるんじゃないかと思うのですよ。だから、やっぱり有利ですよね……。
いや、トイレ掃除を積極的に行おうっていう生徒が少ないので、不利だから、±ゼロってことでいいのかな?
「璃々亜、すごいことを思いつくな」
え?
いや、思いついてないし。
嘉久の目が輝いている。
「そうか、商品モニターか。汚れたトイレが綺麗になる姿はインパクトが大きいだろうな。商品の性能が分かりやすいだろう。高校生がモニターとして市民の使うトイレを掃除している動画を制作しているとなれば、やらせじゃないのか?落ちやすい汚れだけで都合のいいように編集してるんじゃないのか?といったような疑いは払しょくできる。そしてKHTの注目度を利用すれば宣伝にもなる。高校生同士のSNSでの動画拡散力にも期待が持てる。企業にとって、商品に自信があれば損はないはずだ」
ああ、なるほどねぇ。
確かに、洗剤もつけずに汚れがするっと落ちるみたいなお茶の渋の汚れとか、わざわざ作って持って行くとか聞くけど……。
長年ちょっとずつついた渋は落ちにくいけど、1週間程度でついた渋って割と普通のスポンジで洗剤つけずにこすっても落ちるんだよね……。
……。だから、胡散臭いなーって思ったことあるわ。
洗剤のやつとかも、落ちやすいペンを選んで実演販売に持ってくとかって話も聞いたことある。
……。いや、全部がそうじゃないけど、そういううさんくさいのもあるって知ってる人からすると、全て疑いのまなざし持っちゃうもんなぁ。
さすがに高校生がボランティアの掃除で使ってる商品で、落とす汚れがみんなが使ってるトイレってなると、そういううさん臭さの入る余地はないよねぇ。って、確かに、思うよ!
「さっそく、リストアップして、交渉に使う資料を作って……」
嘉久は、すぐにでも席を去りたい様子を見せたが、椅子に座りなおして焼きうどんの続きを食べ始めた。
うむ。
さすが食いしん坊師匠です。
食べることは忘れませんね。ふふふ。
食いしん坊と言えば……。「くいしん坊巫女と猫竜王」とかいう本もありましたねぇ……。前世で読んだあれ、続巻が出なかったのは何でだろう?
世間では食いしん坊需要は小さいのかなぁ……。残念。
私は好きだったんだけどなぁ。食いしん坊。
ん?
ち、違うからね!
食いしん坊が好きってことじゃないから!食いしん坊師匠の嘉久が好きとかそういうことじゃないから!
お久しぶりです。
察して……な件。
やっと本編久しぶりに更新できたと思ったらこの内容。いや、手が勝手に動くのよね。この作品……。
で、あらぬ方向に……。
さて、まだ更新不安定です。次はいつになるか言えないです。ごめんなさい。




