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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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閑話 嘉久 漫画飯の感想

 匿名で交流ができるインターネットの世界……。

 俺が、鳳凰学園の生徒で、高円寺家の跡取りだと知られずに交流できる。

 オープンにしている情報は、東京在住の男子高校生ということだけだ。

 同じように東京在住の男子高校生が作っているblogを見つけた。

 読んだ漫画の感想を書いているblogだ。読んでいる漫画の種類が似ている。感じることも近い。だから、ほかに面白い漫画はないかな?と思えばそのblogで情報を仕入れる。

 時々、感想に関してコメントを入れることもある。必ず返信があり、それがうれしくて、漫画についてblogを通じて語り合うこともある。

 ある日、彼は「漫画飯について」という記事を投稿した。

 漫画飯?

 どうやら、バラエティ番組で特集されていたらしい。

 漫画に出てきた食事を再現して食べるというものだ。

 すぐに、漫画飯について調べてみる。

 ……。

 た、べ、た、い!

 自慢ではないが、高円寺家はそれなりに食事にお金をかけている。だから、小さいころからそれなりにおいしいものを食べているという自負はある。

 だが、漫画に出てくる夢のある食事一度も食べたことがない。

 そうだ。

 漫画飯を、シェフに再現してもらおう。

 テレビで見て食べたくなったといえば作ってくれるのではないだろうか?

 漫画飯が食べたいと言ってはだめだ。

 あくまでも、テレビで見て興味を引かれたというのだ。

 そうだ。今度、璃々亜やあつや兄がうちで食事をする。

 その時にご馳走しよう。

 きっと、二人も見たことも食べたこともない食事に驚くぞ。


 さぁ、夕飯の時間だ。

 まずは、ブラックカレー。

 これは、漫画飯としてレシピまでネットにのっていたものだ。

 ふんふん、見た目は真っ黒。

 イカスミがレシピには書いてなかった。イカスミも使っていないのに、真っ黒だ。

 すごいな。

 光を吸収して常闇に吸い込まれそうなくらい黒い。

 さて、味は……。

 ……。

 ……。

 ……。

 ふっ。

 言葉が出ないとはこのことだな。

 ただ、黒いというそれだけを再現したカレーだ。

 味は問題ではないと、きっとレシピの考案者は言いたかったのだろう。

 ……。

 ……。

 うん、漫画にも確かに「見たことのないカレーだ。黒い」って驚きが中心で、「ミスター味王」みたいな「うーまーいーぞぉーーーーっ」という味に対する驚きを表現しているものではない。

 つまり、味を問題にした時点で、この漫画飯は再現は中途半端だということだ。

 ……。

 なんというか……。

 璃々亜の顔を見る。

 あー。

 いつもの、おいしそうに食べる璃々亜と違った表情だ。

 キラキラしてない。

 すまん……。

 敦也兄も、黙々と食べてはくれている。

 申し訳ない。

 次に期待しよう。

 次は、形だけシェフにお願いして、レシピはシェフに考案してもらったものだ。

 味は保証できるだろう。

 ……題して、漫画肉。

 肉料理でとお願いしたのだが……。

 確かに肉料理だが、どう見てもハンバーグだ。

 ……。

 骨の形をした固いパンで持ち上げる。

 こぶしよりも少し大きなハンバーグ。

 ……違う。

 確かに形はお願いした通りだが、サイズ感が違う。

 こんな拳よりも少し大きなじゃだめだ。ティッシュケースくらいの大きさは欲しい!

 伝えなかった自分が悪い。

 パクリと食べる。

 うまい。

 味はうまい。

 ふっくら柔らかで、肉汁がじゅわー。

 って、違う!

 違うんだ!

 柔らかくて食べやすくて美味しいけれど、漫画肉は、これじゃない。

 歯で引きちぎって食べる。あのびよーんと伸びた感じが……。

 そう、硬めの肉じゃないとダメなんだっ!

 璃々亜を見る。美味しいって目が語っている。きらきらしてる。

 うん、まぁ、これはこれでいいか。

 デザートは、すでに見た。マンモスイチゴのショートケーキ。これは見た目は完璧だった。味も、レシピはお任せしてあるので問題ないだろう。

 見たら、きっと、敦也兄も璃々亜も驚くぞ。


ご、ごめんなさい。

再び閑話でござる。

……。

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