閑話 前日の嘉久
短めです
「淳也兄、ちょっとパソコンルーム貸してくれ」
「ああ、いいけど」
食後のあと、白川家の地下のパソコンルームに足を運ぶ。
自分の家にももちろんパソコンはある。
あるにはあるんだが、株取引をメインに使っていたためモノクロレーザープリンターしか置いてないのだ。
両親が「家には仕事を持ち込まない」という方針で、パソコン関係は必要最低限しか置かない主義なのだ。だから、オフィスで使うようなソフトのインストールも許されてない。
株取引のためでさえ、かなり渋られた。
「嘉久、友達は、子供がゲームの動きがよいパソコンが欲しいと言われたらしい、お前はグラフィックボードとかこだわりは」
「嘉久、友達は子供が鉄道の写真を取るのが好きで、一眼レフデジカメを欲しいと言われたらしいぞ、高解像度のカメラは」
と、なぜか両親そろっていろいろ進めようとするのだ。
そのたびに、いらないから、オフィスで使うシリーズのソフトが欲しいと言っては却下された。
株も、ちょうどそのころ、学生でも簡単に始められる少額取引のNISAが始まったので両親が許可してくれたのだ。
友達の子供も始めるらしい。イコール、子供らしい行動であると……。
何やら、両親は、俺に子供らしい趣味をもって欲しかったのだと、その時初めて知った。
そういえば、小学生のころは、ずいぶん漫画やらゲームやらをお土産だともって帰ってきたな。
当時は全く興味がなくて見向きもしなかったけれど……。
今度両親が帰ってきて、詰まれた漫画を見たらどう思うだろうか。
高校生にもなって漫画を読むなんてと、ショックを受けるだろうか。
それとも、子供みたいだと喜んでくれるだろうか。
「で、嘉久、何をするんだ?」
「ああ、明日のスケジュールを組もうと思って」
「璃々亜と京都だったな。わかってるだろうな?」
淳也兄がどすの聞いた声を出す。
「わ、わかってるよっ!」
淳也兄が何を言いたいのかはわかる。
わかるが……。
人込みで起きるハプニングまでは、責任は持てないんだからな!
人込みで、押されて璃々亜が俺の方に倒れ込んで来たり、迷子になりかけて手を繋いで歩いたり……。
それは、仕方がないことなんだ。
ゴールデンウィークの観光地だから、人込みは仕方がない。うん。
避けようとしても無理だから。
目の前のパソコンで、京都、ゴールデンウィーク、観光地、人出、などで検索を行う。
画像検索で、人込み具合もチェック。
なんだ、この人込みは……。まるで、人気の初詣の場所のようじゃないか。
あ、そうだ。初詣も誘おう。
都内で初詣といえば、やはり明治神宮だろうか。鷺ノ宮神社?
おっと、思わず初詣を調べていた。だめだ、今は京都だ。
京都で一、二を争う人気スポットは……。
ふむふむ。
いつもありがとうございます。
あ、あれ?
嘉久両親、漫画とかゲームとかオッケーな感じ?
やだ、嘉久ってば一歩リードじゃないのっ!他力本願すぎるけど




