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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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閑話 弟in秋葉原

閑話です。弟が苦手なひとはスルーしてください。

 明日は日曜日。

 イベントのない日曜日。

 いや、正確に言えば、日本のどこかではイベントは開催されているし、東京であれば何かしらの小さなオンリーイベントなどは開催されているだろう。

 だが、興味を惹かれるイベントはない。

 音ゲーオンリーイベントがあれば行ったのにな。

 姉が、興味深げに見ていたジャンルはBLだった。……「バスケの玉子様」だった。

 誰のファンなんだろう?

 BL本は、「京×都」のものを熱心に見ていたと思う。

 京のファンなんだろうか?

 都のファンなんだろうか?

 ……僕が、京や都のコスプレしたら、姉は好きになってくれるだろうか?

 ガラス窓に映る姿に目をやる。

 ……どちらもあまり似合いそうにない。……好きなキャラクターの似合わないコスプレなんてしたら「イメージが崩れた!何てことしてくれるのっ!」って怒らせちゃうかもしれない。

 ……いや、姉はそんなこと言うような性格じゃないと思うけれど……。

 僕は、姉が僕の好きなボーカロイドのコスプレしてくれたらうれしい。

 全然似てなくても、うれしい。姉が、ミニスカートはいて、ツインテールして……。

 うわ、やばい。想像しただけで、体が熱くなってきた。

 姉のボカロコスプレ……。

 衣装とかプレゼントしたら、着てくれないかな?

 ニーハイとミニスカの間の絶対領域に顔をうずめたい。

 ああ、ダメだ。こんな想像して、姉を汚しちゃだめだ。ガラスに映った自分をにらみつける。


 スマホを取り出し、姉にメールを送った。

 明日は秋葉原に行くと。

 少しだけ「私も一緒に行きたいな」なんて言葉を期待して、送った。

 だけど、世の中そんなに甘くなくて……残念ながら姉からは期待した返信はなかった。

 スマホを置いて、PCの電源を入れる。

 今日も日課の画像探しだ。

 あの時のイベントの、僕と姉の写真。

 いくつもネットにあげられているのを見つけた。

 ほとんど好意的なコメントと共にあげられている。無断で写真をネット上にあげているのは関心しないけれど、こうしてたくさんの姉写真を手に入れられるのはその関心しない人たちのおかげだったりするので強く言うこともできない。

 二人ともしっかり顔を隠しているし、隠し撮りでやばい写真を撮られているわけでもなさそうなので大丈夫そうだ。

 SNSにつなぐ。あの日姉と弟写真を撮影したり話題にしたりしていた人たちをフォローしているアカウントだ。

 中には「素顔が見たい」という書き込みもある。「今度更衣室で着替えてるの見てようかな」という書き込みも見た。

 姉には教えてあげないといけない。

 僕も姉も、素顔が晒されて拡散されては、もう二度とイベントに行くことができなくなるのだから……。


 日曜日。予定通り秋葉原へ出発だ。

 パーカーにジーパン。

 秋葉原でも浮かないであろう服装をチョイスする。

 ……鏡に姿を映す。なんだろう、秋葉原を歩いている人で、こういう恰好している人はいるよね?なんか違う気がする。

 頭にバンダナでも巻いてみるか?

 いや、ダメだ。長い前髪に眼鏡とマスクっていう弟スタイルで歩き回るつもりだからだ。

 眼鏡とマスクを手に、家を出る。お車でお送りいたしますという言葉を断り、駅まで歩く。大した距離じゃない。

 電車に乗って、途中、適当な駅で降りる。トイレに入り、眼鏡とマスクを装着して前髪をセットする。いや、セットしてあった前髪を下す。

 そして、再び電車に乗り込む。

 さほど混んでいない車内。目的地である秋葉原で降り、まずはレモンブックスへと足を運ぶ。漫画やラノベは通販で買っているが、通販だとわからないこともあるため、情報収集にはこういう場所が一番だ。

 扱われ方で、人気の度合いが分かる。

 通販サイトのランキングは、あてになるようなならないような、使いにくさがあるのだ。それに、目的の品がある場合はいいけれど、何かいいものないかなと開拓しようと思うと途端に使いにくい。

 ページを行ったり来たり。ラノベの場合、パラパラして挿絵を見て本を検討したりもできない。

 新刊コーナー、話題の本コーナー、それから平積みされている本から人気の具合を探る。気になる表紙を見つけたら手に取ってあらすじに目を通す。

「あ」

 気に入った本を8冊ほど購入。

 次の店へ。同人誌は家に置いておけないから、見るだけ。いや、数冊なら買って、ロッカーに預けておけばいいんだけど……。

 同人誌を販売している店に立ち寄る。

 一度イベントに行ってしまうと、並んでいる同人誌が味気ないように思える。大手作家の人気の本は問題なく手に入るだろう。

 ふと、通りすがりのサークルにプレゼントされた、姉弟本を思い出した。

 一期一会じゃないけれど、ああいう偶然の出会いのように同人誌は手にとりたい。

 いつでも買うことができる、こういう店に並んだ同人誌は……もう、商業誌と何が違うのか分からない。

 すぐに店を出る。

 違うな。単に、一人で同人誌を見ていてもつまらないと思うようになったんだ。

 同人誌を選ぶときは、横に姉にいてほしい。きっと、今の店も姉がいっしょなら楽しく選ぶことができたんだろう……。

 次はアニメイット。

 グッズをいくつか購入。買おうか買うまいか悩みまくったものがある。

 ……「姉抱き枕」だ。

 まさか、ソンナモノガ売っているとは!

 買おうか……と思った。

 だけど、僕の中での「姉」は、すでに「NARUKO」のキャラクターの「姉」じゃない。

 「NARUKO」の「姉」のコスプレをしている「姉」が、僕の姉だ。

 だから、この抱き枕を買ったとして……。

 いやでも、僕の姉の姿を想像しながら、この抱き枕を……。

 だが、この抱き枕はしょせん市販品で、大量に出回っている。他の者たちに凌辱された抱き枕など……。

 と、散々悩んだ挙句買うのはやめた。

いつもありがとうございます。


さて、まだ弟の秋葉原は続くんだけれど、閑話を続けるのも申し訳ないので、何日か開けて閑話投稿しようと思う……。大丈夫、次はあんまり暴走してないから。

1周年の23日は日曜日か……


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