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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第291話 食事中に考え事をしてしまったらしい

 普通においしいうどんだった。

 せっかくなので、きつねうどんにした。天ぷらのおいしいのは、夕食とかでも出る。

 逆に、今の生活だときつねうどんの上に載ってるような、おあげさんを食べる機会ってなかなかないのよねー。

 ふわぁー。甘辛く味付けされたおあげさんうまぁー!ちゃんと、うどんの汁を吸わせてるだけじゃなくて、別に煮てあるのよね。

 って、堪能してる間に、田中くんはかつ丼とうどんがセットになったものをさらに大盛にしたすごい量の食事をペロリ。

 うわー、さすが運動部。よく食べる。

 って思ったけど、あー、そういえば嘉久も運動部じゃないくせによく食べるなと思い直した。

 運動してなくてあんなに食べて、あいつ、太るんじゃないか?って思ったら、同人誌思い出した。

「京、ちゃんと食べろよ。成長期なんだからな!」

「わかってるよっ!っていうか、食べてるよ。成長したいんだから、食べてる。でも、なかなか背が伸びないんだ……」

 そんな京様の頭を都キャプテンがなでなで。

「本心をいえば……、私の腕にすっぽり収まる京が大好きなんだ。だから、無理して早く成長しなくてもいいって思ってる……ごめん」

「キャプテン……」

 って感じで、そのあとは二人で、ふふ腐な腐……。

 くっそ!

 成長期うらやましすっ!

 食べても食べても太らない魔法の成長期!

 あー、もう、璃々亜の成長期は終わってますよ!

 食べたらきっと、無駄なお肉になって体にくっつくんだ……。一生成長期ならいいのにっ!

 いや、一生成長なんかしたら、燃費が悪くて食費が困るか。でもって、服がサイズ合わなくて買い替え続けるのも家計に打撃。

 そもそも、100歳まで生きて身長が3mとかじゃぁ、棺桶も困る。

 いや、一生成長期な人間ばかりになれば問題ないのか?……いや、むしろ問題だらけだよっ!

 3mのご老人が街をうろうろ……。


 おうどんごちそうさま。

「白川は本当にいつもおいしそうに食べるね」

 はっ!

 そうだ、田中くんがいたんだ。私、上の空で進撃の巨老人想像してたよっ。何か聞き漏らしてない?

 ……って、嘉久と違って、田中くんは食べてる最中にむやみに話しかけてこない紳士だから大丈夫だよね?

「そ、そうですか?田中くんもおいしそうに食べてましたよ?」

 もりもり食べる姿の方が、私よりもよっぽどおいしそうに食べてると思うんだけどな。

 食事も終わり、さっと立ち上がる。

 えっと、会計、いつもおごってもらってばかりだから、今日こそ出す!

 ん?あれ?

 えっと、レジに持ってく、あれがない?どこ?

 きょろきょろ。

 あ、田中くん、待って!

 先に歩いて行った田中くん。右手に持ってない。左手には荷物。

 うえええ、と焦ったら……。

 荷物を持つ手に、いつの間にか持っていたらしい伝票をレジに差し出した。財布を取り出そうとするも、田中くんは、すでにお金を伝票と一緒にお金を差し出してて、あっという間におつりを受け取って会計終了。

 うわー、田中くん、いつの間に伝票にお札はさんでおくなんてことしてたの?

 はっ!

 まさか、私が進撃の巨老人妄想繰り広げてる間にか?

 しまった!

 ううーっ!私のおーばーかーっ!

 店を出て、

「田中くん、代金……」

 払うよって言おうとするんだけど、田中くんはにっこり笑って、私の頭を優しくなでた。

 うん、払う払わないで言い争っても、払わなくていいよって言われるんだよね……。

「あ、ありがとう」

 今度は、絶対、田中くんより先に伝票ひっつかんでレジに駆け込んでやるっ!

 っていうか、その前に、何かお礼を考えようっ!


「そろそろ時間だ……」

 え?もうそんな時間?

「白川はこれからどうするんだ?駅まで一緒に行く?どこか別の目的地があればそこまで送っていくよ」

 目的地は……秋葉原!

 んー、その前に変装しなくちゃだ。

 化粧室がある場所……。あ、もちろんちゃんと買い物もするよ。使うだけ使うなんてことはしないよ。

 ってことは、何か買えるものが売っていて、お手洗いとは別にちょっとした化粧室があるような場所……?百貨店なんて秋葉原に?

 駅ビルでいいか。

「駅にまいりますわ」

「じゃぁ、一緒に駅に行こうか」

 駅まではすぐだった。

「行先は?」

 田中くんが券売機に向かう前に聞いてきた。

 やだ、私の分の切符も買ってくれようとしてるの?なんてできた男!

 それとも、お嬢様は切符の買い方も知らないと思われて……。いや、どちらかといえば、立花ちゃん扱いだろうか……。

 面倒見がいいなぁ。

「いえ、ここで大丈夫ですわ」

 帰らないし。

「ああ、ここに迎えが来るのか。それじゃぁ、また学校でな!」

 田中くんがそういって、改札に向かった。

 田中くんの背を見送る。

 ふっと振り返って手を振った。

 私も振り返す。

 そっか。もう、田中くんとはお別れの時間だったんだ。早かったなぁ。

 もっと、ご飯食べながらでもおしゃべりすればよかったな……。


お読みくださり感謝いたします。


感想をいつも楽しく読ませていただいております。突っ込みに爆笑することもしばしば。面白かったなんて言ってもらえると、皆さまが思っている以上に喜んでやる気をもらっております。また、誤字や矛盾点の指摘なども大変ありがたく思っております。「うわー、そうだった~忘れてた~」ということも多く……。そうか、璃々亜は当初グラマー設定だったのかとか……あ、ははは……。

また、話がこんな感じなのでちょっとあれだみたいなご意見もありがたいと思っております。こちらが気が付かない間に、不快な思いをさせる表現や、誤解を生む表現をしていることがございます。感想欄でのご指摘、ご意見にはっと気づかされることも多いです。本当にありがとうございます。


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