閑話 嘉久視点
短めです
璃々亜はすごい。
回転寿司で、慣れた手つきでメニューを操作する璃々亜。
プロだ。
しかも、璃々亜が注文する品はどれもおいしそうだ。実際少しもらって食べたものは、確実においしかった。
一方、自分でレーンから取った品には、正直おいしいと言えないものもあった。
いつも食べている寿司と質が違うからだろうか。
逆に、今まで一度も食べたことのない種類の寿司は、また食べたいと思えるものもあった。中でもコーンにはびっくりした。寿司といえば魚介類だと思っていのに、コーンだ。しかも、マヨネーズがあえてあるんだ。
マヨネーズといえば、璃々亜が注文していた「えびアボカド」というのにも驚いた。
えびの寿司なら今まで食べたことがある。
カリフォルニアロールというアボカドが入った寿司があるのも知っていた。
だが、えびにアボカドにさらに玉ねぎのスライス、きわめつけはそれにマヨネーズだ。一体全体、誰が考えたのかはしらないが、言わせてもらう。
天才か!
いやいや、その天才の作品をおいしいと見抜いて注文する璃々亜もすごい。
すごい。
そうだ、この間の卵かけご飯もすごかった。
卵を泡立ててご飯にかけて混ぜるんだ。
そして、どこで知ったのか、璃々亜はわざわざ「卵かけご飯用の醤油」というものを用意していた。
本当に璃々亜はすごい。
俺の知らないおいしいものをどれほど知っているのか。
そう、璃々亜の作ったお菓子も最高においしい。
いろいろなお菓子も食べてきたが、今まで食べたなかで一番おいしい。
璃々亜が作ったんだ、当然だろう?と敦也兄は言いそうだが……。
うん、本当だ。
なんで、璃々亜が作ったら当然のようにおいしいんだろうか?
そうだ。
最近は、俺がおいしいなぁと思って食べている食べ方を、璃々亜が真似することがある。
そして、おいしいって顔で食べるんだ。
璃々亜のおいしいっていう顔は、わかりやすい。
普段の倍くらいかわいい顔をする。
あ、普段がかわいくないわけじゃないぞ?璃々亜はかわいい。
……。
前からかわいかったんだろうけど、正直全然気がつかなかった。
化粧をしてたから、璃々亜の顔を知らなかったと言った方がいいのか。
……いや、株に没頭しすぎて、見てなかった。興味がなかった。
高校に入って、株から足を洗って、化粧を落とした璃々亜を見て、初めて璃々亜の顔を知ったような気がする。
もちろん、子供のころの化粧をしていない璃々亜の顔も覚えてるけど……。
最近は、何が昔と違うのか、璃々亜の顔が眩しい。
その眩しさは、おいしいものを食べるとよりいっそう輝く。
……。
見ていて、幸せになれる。
あ、俺の幸せって、簡単だな。
いや、簡単じゃないのか?
璃々亜の満足するようなおいしいものを俺は用意できるだろうか?
卵もろくに割ることができない俺が……。
俺にできること、株でお金を増やすことはできた。
お金があればおいしいものを作ることはできないが、買うことはできるだろう。
世界中をまわっておいしいものを見つけてくることもできるだろう。
そうか、会社を継いで、会社を発展させお金をかせぐ。仕事で世界中を飛び回りながらおいしいものを探す。
ん?
それって、まるっきり両親と同じだな。
両親?
父と母……。
おお、そうか。夫婦で世界中を仕事で回るっているぞ。
璃々亜と夫婦だったら、おいしいものを見つけたらすぐに食べさせてあげられるじゃないか?
いつもありがとうございます。
田中ターンの途中ですが、嘉久さしこんでおきます。
やばい、田中くんと比較されちゃうと……
……嘉久の残念な感じが、より強調され……げふげふっ
あ、そのあたりを愛らしいと感じていただける誰かがいるはずっ!




