第282話 地球のストラップが気に入ったらしい
もう出て行ってもいいかな……?
あ、グラサン発見!
変装用に買うぞ!
流石、乙女チックスポーツ用品店だ。オシャレアイテムの分野に入るサングラスの品ぞろえは大したもの。
アスリートォォっていう、黄色や紫の物から、日常に使うものとあまり変わらないものまでいろいろ。
え?
なるほど。説明文によれば、運動の邪魔にならないように軽量だったり、ずれ落ちないように、滑り止めがついていたりするのね。
ふむふむ。
4,5本試着して鏡で確かめる。
顔を覆う面積が広いものの方が、顔が隠せていいかなと思ったけど、少し細身だけどシューティンググラスっていうのをかけたらあら不思議。
シューティンググラスって、射撃する人が目を保護するやつで、サイバーゲームにも使われるらしい。
普通のサングラスとちがって、顔のカーブに合わせてびしっと密着するようになってる。角ばってて、ちょっとメカっぽい。非日常感があるわー。で、かけると隠れる顔の面積は別の物より少ないけれど、顔の印象が一番変わる。
私を知っている人間がぱっと見ても別人に思えるくらい印象が違う。
てなわけで、シューティンググラスお買い上げ!
あと、日焼け止め対策グッズの充実していること!化粧はしないけど、日焼け止めは手放さないからね。ネズニーとか一番紫外線が強いと言われるGWに行くから、強めの日焼け止め購入。
レジで、荷物を受け取り、鞄の中に、買った品物と財布を入れながら田中くんの元へ。
「お待たせいたしました」
「あ、それ」
「え?」
田中くんが、財布からぶら下がっている地球ガラスを指さした。
「すごい、カッコイイな」
「これですか?」
しまいかけていた財布を手にして、ストラップがよく見えるように田中くんの前に出す。
「すごいなぁ、ガラス玉の中に地球が閉じ込められてる。カッコイイ」
カッコイイか。
ふふ。見る人が違うと感想も違うんだな。私は綺麗って思ったけど。
うん、確かに宇宙は少年の憧れでカッコイイかもしれないなぁ。
「これ、手作りの一点ものなのですわ」
「へぇー、どこで買ったの?」
うんと、同人誌即売会のハンドメイドサークルだけど、サークル名は何だったかな?
全然わかんないや。通りすがりのサークルさんだし。
って、もし覚えてても言えないってのっ!危ない!
同人誌即売会とか、サークルとか、やばい、やばい。
えーっと……、あ、そうだ!
「分かりませんわ。いただいた物なので……」
そう。嘘は言ってない。サークル名が分からないのも本当のことだし、弟に買っていただいたのも本当だもんっ。
うきゅぅーっ。
「そっかぁ。残念」
田中くんは、そう言いながらストラップをクルクルと回しながら見ている。
気に入ったんだ。
……あげたいなぁ。
でも、これは弟がくれたものだから……。
そうだ!よし!
今度イベントで見かけたら絶対に買おう。
一点ものだから、全く同じのは売ってないだろうけど、他にもいろいろ綺麗な、いや、”カッコイイ”の売っていたよね?
ああ、これで、イベントに行く楽しみがまた増えた。
田中くん、プレゼントしたら喜んでくれるかなぁ……。
にんまり。
「誰からもらったの?」
え?誰からか気になるの?まさか、その人にどこで売っていたか聞きたいとか?
言えない!
正体不明のレイヤー仲間の弟からもらっただとか、売っているのは同人誌即売会だとか……。
「しっ、しっ、知りたいですか?」
焦りまくって返事をすると、田中くんがちょっと寂しそうな顔をした。
「いや。ごめん。いいや。あんまり幸せそうな顔したから、ちょっと、気になっただけ」
幸せそうな顔?
「えっと、で、白川は何買ったの?包みの大きさからして、トレーニングウェアじゃないよね?」
「あ、ええ、そうですわ。まだ目的の物は買っていません」
「じゃ、次の店行こうか」
田中くんが手を差し出し、そしてなぜかすぐに差し出した手を少しひっこめた。
何で?
いつもありがとうございます。明日は祝日のため、お休みです。
はー、今週は2日に祝日あって、休んだ休んだ。(-。-)y-゜゜゜




