閑話 弟視点 あの時あの場所で君たちを見てたよ
短めです
白川璃々亜が、高円寺家の子息と対立しているという話は、半信半疑だった。
だが、見てしまった。
白川璃々亜が、あろう事か高円寺家の子息の肩を壁に押し付けているところを。
明らかに怒りをにじませた目で、高円寺家の子息を睨みつけている。
……噂は本当だったのか……。
それにしても、ひどい。
対立して、家に迷惑をかけるところは仕方がない。
僕だって、家に逆らうこともある。それが不利益を与えていることだってあるだろう。
社交の場に出ないというわがままだってそうだ。
だけど……。男の肩をひっつかんで壁に押し当てるのはやりすぎだ。
もちろん、セクハラ男だとか、男が先に暴力を奮ったとかなら仕方がない。だが、僕が聞いている高円寺の噂には、そういったセクハラや暴力などとは無縁なはずだ。
お茶会部では積極的に社会活動を取り組もうとしている人格者だ。
女性に手をあげるようなことはないだろう。その高円寺家の子息に、白川璃々亜は何をしようと!
はっ!
まさか、壁に押さえ付けて、そのまま唇を奪うとか?!
対立しているのではなく、白川璃々亜は高円寺家の子息のことが好きで、気を引こうといろいろ突っ掛かっているとか?
姉に似たその容姿で、高円寺の子息を壁に追い込み、唇を奪う。
姉に似たその声で、せつない吐息を漏らす……。
くっ!
高円寺家の子息!
役得じゃないのか?
いや、違う、違う、違う!
決して、白川璃々亜に迫られるのがうらやましいということはない。
そんなひどい女、僕は好きじゃないんだから!
僕が好きなのは、姉。
姉に会えないから、ちょっと混乱してるだけだ。
遠くに見える白川璃々亜が、高円寺家の子息に何か言っている。
そして、高円寺家の子息の肩から、白川璃々亜は手を退けた。
あれ?そのまま、壁に押し付けて口づけるんじゃないのか?
なんだ、そうか。別に、白川璃々亜は高円寺家の子息が好きなわけじゃないのか。
そうだよな。もし、好きなら、お茶会部に入っていたはずだ。
やはり、噂通りあの二人は対立しているのだろう。
いつもありがとうございます。
弟は、ろくでもないシーンばっかり目につくらしい。そして、誤解が膨れていくという……。
そして、葛藤しまくり。
脳内が恋愛であふれてるの、弟だけじゃないのかな……。一番乙女だな……。




