第263話 新しい変装を考えたらしい
友達と出かけると言って、日曜の午前に家を出る。午後から部活の田中くんとお昼前に別れる。
で、日曜午後からは、私は家に帰らずに寄り道をする。
……ふおっ!
寄り道!
そういえば……、神保町から秋葉原なんて、1キロくらいしか離れてなかったんじゃなかったけ?
「日曜の午前でお願いしても?」
うふふ。
にやにやが止まらない。
やっば!
日曜の午後は久しぶりの秋葉原!
あー、嬉しい!
にやにや。
にやにや。
はっ、いくら学校からは離れているとはいえ……変装は必要?
でも、流石に姉コスプレをしていくわけにはいかないよね……。
メガネとマスクまでは大丈夫だよね。
帽子を目深にかぶる?
あー、いいや。日曜日までに考えよう。うん、考えよう。
会議室にはすでに他のクラスの委員は勢ぞろいしていた。
ランチミーティング開始。
相原さんからもたらされた情報の共有。
本を寄付するということを、私たちもするべきか、しない方がよいのか。
結論を言えば、10万という限られた予算で本を買うのはやめた。もし、本を寄贈するにしても、読み終わった本などのリユースをメインにしようということになった。
で、うちのクラスがゴミ削減に動くわけだし、本もリユースってありだと思う。
本は決してゴミじゃない!
……とはいえ……。本屋から返品され、倉庫に預けられている大量の漫画は、裁断機に掛けられゴミになっているという悲しい現状もあるわけで……。
あうううっ。
その漫画プリーズ!
……失礼いたしました。はい。
でも、現状古本回収は保留で、まずは本の病院を優先させることになった。あれもこれも手を伸ばすだけの余裕がないのも一つだ。
で、本の修復学習班は、修復をどこで学ぶのかというのを話し合った。
他の人に知られないためには学校の中で行うわけにはいかない。司書さんから習うのも無理そうだ。
教えてくれる人を探すことと、学ぶ場所の確保。うむ、ネットで調べたら何か出てくるかな?教室みたいなのがどこかであるのかな?
それから……。
ランチミーティングを終えて、教室に戻る時に思い出した。
そうだ、LINEの連絡網!……は、まぁいいか。
田中くんと、日曜の待ち合わせの場所と時間を話しながら教室に戻る。
「楽しみですわ」
「僕も」
田中くんも実に嬉しそうな顔をした。
おお、スポーツ用品店巡りがそんなに楽しいのか。
あれだな、私が秋葉に興奮するようなものかな?スポーツマンの聖地みたいな感じなのかな?
そりゃ楽しみだ!うんうん。
家に帰って、唐突にひらめいた!
「サングラス!」
「え?どうした、璃々亜、サングラス?」
……失礼。
食事中に思わず声を上げてしまいました。
「あはは、確かに、璃々亜のサラダの上のそれ、サングラスみたいに見えるな!」
嘉久が、私の前のサラダを見て笑った。
うん、そうなんだけどね。
まるでサングラスみたいだから、ひらめいたんだよね。
オリーブの実が二つならんでいてサングラスみたいになっていて、ちょうどトマトが鼻、パプリカが口みたいになってるの。
「おや、本当だ」
兄も私のサラダを見て目を細めた。
うん、大丈夫。
サングラスと突然声を上げた私を、二人ともサラダを見て思ったことを口にしただけと思っている。
ほっ。
何も、マスクにメガネに前髪で顔を隠すということにこだわる必要はないんだよね。
前髪が無くても、大きめのサングラスをかければ、目元はしっかり隠れるわけだ。
だから、マスクとサングラスと、それから目深に帽子をかぶる。うん。
最近は、色々な種類の花粉症があって、確か4月だろうが5月だろうがマスク姿の人も増えている。
ああそうそう、化粧レスな「伊達マスク」も流行っているんだよね。だからマスクくらいで不審な目で見られることはない。
マスクとサングラスだとどうだろうか?
……。顔は隠せても、サングラスは目立つよなぁ。
サングラスが目立たない服装すれば大丈夫かな?
って、サングラスが目立たない服装って、何だ?
イメージは、常夏のセレブな休日……。うお、秋葉原じゃだめじゃんっ!
いや、日本の秋葉原にあこがれて買い物に来た外国人的な感じだったらどうだ?
服装は、ラフだな。
Tシャツに短パンに、素足、クラッチバック。ヒールのある靴に、茶色と黄色のまだらな金髪。
よし、そうだ、そのイメージだ!
よし、午前中に田中くんとスポーツ用品店を回って、ついでに変装グッズも購入だ!うん。
よし、完璧じゃなりませんか?
あ?もしかして、アスリート的な変装でもおっけ?
サングラスかけてるよね、アスリート。
……いや、マスクはつけないか……。
秋葉原にアスリートじゃぁ、浮くかな……?
御覧頂き有難うございます。
サラダを見てサングラスとか……苦しい




