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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第250話 嘉久が家で待ち伏せしていたらしい

いつもありがとうございます。

嘉久ファンの皆さま、お待たせいたしましたー!嘉久、頑張ってくださいな!(微笑

「遅い!」

 家に帰ると、嘉久が仁王立ちで玄関で待っていました。

 遅いって、何だ?

 そもそも、何故ご飯時でもないのに嘉久はここにいる?

「璃々亜と、スーパーによって、買い物をしてきたんだ」

 兄、自慢げに卵を嘉久に見せる。

 スーパーで買い物したくらいで自慢するなんて、初めてのお使いの5歳児以下……と思っても、口にしない。

「何?璃々亜と二人でスーパー?敦也兄、ずるいっ!」

 なんだ、嘉久よ。お前もスーパーに行ってみたいのか?

 まさか、何かの映画ゴッコがしたいわけじゃるまいな?

 ……。

 ぐふっ。


 待てよ、京様ヴォイスと、都キャプテンヴォイスのお買い物を脳内趣味レーション。

京「カレーの材料って何が必要だっけ?」

都「ニンジンと玉ねぎとジャガイモだろう?」

京「肉、肉は?」

都「くっく。そうだった。京は肉をいっぱい食べてもっと大きくならないとな」

京「むぅ。成長期だから、食べても食べても足りないんだっ」

都「食べても足りないか……。私も、いくらでも食べたい」

京「ちょっ、キャプテン、何の……」

都「食事よりも、京……」

 きゃーっ、買い物どころじゃないわ!

 買い物放棄して、どうすんの!それ、食べても食べても、心とか欲望は満たされても、お腹は満たされないから!

 ふふ腐ー!

 って、違う違う。

 とにかく、二人で買い物会話を脳内変換&録音しながら後ろから付いていくの、楽しそうじゃない?

 きゃはーっ!

 最高っす!

 最高っす!


「今度は、3人で買い物に行きましょう」

 にっこにっこの笑顔……裏では黒い笑みだが、それを覆い隠したにっこにこ笑顔を嘉久に向ける。

「あっ、ああ……い、いや、二人で、」

 何?

 私は邪魔ですか?

 そうか。嘉久は兄と二人で買い物したいのか。

 仕方がない。盗聴マイクー、出番ですよーっ!

「は?嘉久、何か言ったか?」

 兄がめっちゃ冷たい声で嘉久を睨み付けた。

 きゃーっ。

 どうやら、兄は嘉久と二人でスーパーでお買い物はしたくないらしい。

 うん、そうだね。映画のイメージが崩れちゃうんでしょ?

 男子高校生が二人で仲良くスーパーでお買い物……。同性で同棲な映画って、もう、BL……。あ、いや、ごめん。友情とかいろいろあるよね?うん、はい。

 えーっと……。


「で、嘉久は何しに来たんだ?」

「せっかく早く帰ってこられたんだから、3人でゲームでもしようかと思って」

 ゲーム!

 きゃほー!

 どんなBLゲームですか?なぁんて、ぬか喜びしたりしません。ええ。

 ボードゲームとかカードゲームとか、そういうものでしょ?

 知ってます。はい。トランプとか花札とかオセロとかチェスとか将棋とか……。

「じゃんっ」

 じゃんって、今声に出した?嘉久、お前……。

 背中に隠していた、12インチタブレットを嘉久は取り出した。

 ぐおっ、何?

 カードでもボードでもない、それは紛れもなく……、テレビゲームの類では!

 いや、テレビじゃないけど。

「すごろくのゲームを見つけたんだ」

 すごろくかよっ!

「途中で早押しクイズや謎解きなんかがあって、面白そうなんだ。3人でやろう!」

 ……。高校生3人ですごろくとか……。

 嘉久、小学生の時にやっておけ。

 ってか、小学生の時には何してたんだ?

「私、今日はお菓子部の練習をしようと思っていますの。そのために卵も買ってきたのですわ。ゲームはお二人で楽しんでくださいませ」

 すごろく振って電車が進む芋太郎電鉄とかやってこなかったのか?あ、世代がちょいと違う?

「何?璃々亜がお菓子部の練習?よし、じゃぁ、敦也兄、璃々亜の作った物を賭けて、勝負だ!」

 おい、勝手に賞品にするな。

 誰が食べさせると言った!

「ふっ。負けて、何も食べられなくて後悔するなよ?」

 こら、兄、兄ものるな!

 ったく、これだから男子は……。

 しゃぁない。どれくらいの量ができるか分からないけれど、3人分作りますか……。

 ちょいとサイズを小さめにすれば、できなくはないよね。


 部屋に荷物を置いて着替えて、キッチンへ。

 卵は冷蔵庫へ入れずにそのまま置いてある。うん。泡立てるには、卵の温度は温い方がよく泡立つんだよ。

 生クリームを泡立てるときは逆に冷やすんだよね。

 さてと、卵を割って、白身と黄身に分ける。

 ん?

 嘉久と兄がこっち見てる。

 何?卵を割るの上手だなって?

 自分もやってみたいって?

 ぎゃーっ、やめろ嘉久っ!

 お前は大人しくすごろくゲームやってろ!

 ぐわしゃっ、ぎゃー、卵が、卵が!

 もう1回挑戦だって、やめてーっ!白身と黄身を分けられないじゃん、黄身が潰れてるじゃん。カラをどかすの大変なんだよっ!

 くっそ、嘉久め!

 ギリッと睨み付けてやる。

「嘉久、璃々亜の邪魔をするな!」

 兄が、嘉久を連行してくれました。

 ありがとう、兄!

 すごろくの勝敗に関係なく、兄にはぜひご馳走しようと思います。

 嘉久?けっ。自分が割ったカラいりの生卵でも食え!


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