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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第209話 友達になるチャンスらしい

「先生たちに、勉強に役立つ本を教えていただくのは社会貢献にならなくても載せたいです」

「そうですわね。私も知りたいですし、鳳凰学園の生徒でなくとも、中高生の皆さまは興味があるのではございませんか?」

「先生方の負担にならないように、記事を書いていただくのではなく、本のタイトルだけ教えていただくだけでもよろしいのではございませんか?」

「そうですわね。できればお願いしますという姿勢で尋ねてみましょう」

 と、ダメ出しに対する改善策を次々に話し合った。

 費用の面は、スポンサー広告案を出してみた。校内に配布する分と、地元住民に配布する分。枚数や配布にかかる費用の計算。新聞折り込みするといくらかかるか、ポスティングを頼むといくらかかるかなどスマホで検索しながら話し合いを進める。

「逆に、配布地域は予算に合わせて絞ればよろしいのではありませんか?」

「はじめは小規模におこないますか」

 など、紆余曲折の末、表面が図書室だよりで、裏面を広告面にすることになった。

 広告枠一つが名刺サイズよりも少し大きいくらい。一枠500円で20枠1万円を集めることになった。

 折り込み1枚3円。印刷は学校のガリ版印刷を用い、紙代が1枚1円。1万円だと3000枚。生徒などへの配布分がおよそ500枚で、地域への折り込みは2500枚がやっとといった数字だ。

「新聞折り込みはやめませんこと?無差別に配布するよりは、欲しい方に持って行ってもらえる形にしませんか?」

 地元や周辺の図書館、公共施設が無理ならば本屋や銀行など「ご自由にお持ちください」という形で置いてもらってはどうかという案も出た。

 まぁ、プリントが出来上がるまでに日数がかかるだろうから、配布に関してはもう少し検討しようということで、保留になった。 

 みんなで協力しましょうというだけで、話が進むなぁ。

 1,2,3年生で話あった時には何にも進まなかったのにね。

 あ、進んだか。なぜかチーム対抗にしようって決定になったっけ。

 さて、1年で決まったこと。

 図書室だよりを作る。

 おすすめの作品をそれぞれ考える。著作権が切れた作品から選ぶ。

 先生に勉強に役立つ本を教えてもらう。まずは各クラス担任の先生に協力をお願いしてみる。

 貴重本紹介のために、司書さんに話を聞く。

 配布方法を考えておく。

 図書室だよりの他に何かいいアイデアがないか引き続き考える。

 以上。


 さ、そろそろ終わりましょうと、皆立ち上がり図書室を後にし始めた。

「私、白川様と同じ図書委員になれて良かったですわ。これからもよろしくお願いいたしますね」

 1組の図書委員がぺこりと頭を下げて行った。

 ふえっ。

 私と一緒で良かったなんて、こちらこそ、これからもよろしくね!っていうか、ごめん、名前覚えてないんだけど、名前教えて!

 いや、できれば友達になってほしいんだけど!

 おうっ、待って、メアド教えてー!はふはふっ。


「白川さん」

 ふえっ?

 後を追おうとした私を呼び留める声がした。

 はいっ。ごめんなさい。急にメアド聞くとか怪しさ満載ですね!ごめんなさい!孤高の女帝璃々亜、友達欲しさに先走るところでした!

 声のした方を振り返ると、司書さんがにこやかな顔で立っていた。

「お待たせしました」

 ん?

 司書さんが絵本を差し出す。

 あ!これは!

 相原さんの大切な絵本!

 うわー、あんなにボロボロになってたのにちゃんと本の形に戻ってる!

「ありがとうございます!」

 ぺこんと頭を下げると、どういたしましてと司書さんは去って行った。

「何?白川、絵本?」

「ああ、これは相原さんの絵本なんです。ボロボロだったのを、司書さんが修理してくださったんですよ。ほら、こことか、良く見ると破れてたんですよ?」

 田中くんが私の手元の絵本に顔を近づけて、継ぎ目を見た。

 うお、田中くんの頭のてっぺんが見える。

 髪の毛が立ってるよ、寝癖かな。ふふふっ。

「うわー、本当だ。近づいてみないと全然分からないなぁ。すごい技術だな」

 ぱっと顔を上げた田中くんが、頭に手をのせた。

 ん?立ってる髪の毛を触りたいと思った私の殺気を頭部に感じたのか?

 そりゃすまなんだ。

 ぴょこんっと立ってるのが、どうにも、可愛かったんだよっ!女子なら分かるよね?

 え?分からない?

 んじゃ、オタク男子なら分かるよね?アホ毛のかわいらしさを!

「ええ。相原さんもきっと喜んでくださいますよね?」

「ああ、喜ぶさ。だって、コレでも、嬉しかったんだからな!」

 と言って、田中くんはテープで貼りあわされたデモプリントを見せてくれた。

 そっか。

 破かれたデモプリント。元通りにはならなかったけど、誰かが直そうとして手を差し伸べてくれたっていう、それだけで嬉しいってこともあるよね。


 月曜は、委員会活動の前にすでにホームルームは済んでいる。委員会によって終わる時間がまちまちだからだ。

 図書委員会は、1年生の話し合いが少し長引いた。教室に戻ると、すでに半分以上帰っているようだ。

 田中くんは急いで荷物をもって部活へ向かった。

 相原さんの席に、鞄はすでになかった。絵本は明日渡せばいいか。

 鞄の中に入れて、帰宅ですよ。

 蜂川さんにメールする。そうそう、知らなかったんだけど、おおよその帰宅時間は分かってるけど、時間が前後する可能性があるような今日みたいな日用に、送迎の車待機所みたいなところがロータリーとは別にあるんだって。

 今日はそこで蜂川さんは待機してくれてたはずだから、メールするとすぐに来てくれるんだよね。


 車の中で、スマホを取り出し早速「青宇宙文庫」のサイトを開く。

 うん、図書委員の仕事だもん。

 さぁ、どんな小説があるのかな?腐香りのする作品はあるかな?ふふふ。

 ……あ、知ってる。

 腐香りの作品に偏って紹介したらダメだってことはね……前世でやったら仲間に見つかったから。

 えーっと、いっぱい作品あるなぁ。

 白川の「し」から読んでみようかな。


いつもありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 相原さんに絵本をお返しする場面がずっと出てこなくて、戻ってきてしまいました。もっと先で出るのかな?
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