第137話 自動販売機のラインナップがおかしいらしい
「うちの学校の自動販売機って、変わったラインナップだし、よく中身が変わるから楽しみなんだ!」
と、楽しそうな芽維たん。
「あら、普通の自動販売機は、このように商品が入れ替わったりしませんの?」
と、皐月たん。
目の前のドリンクのラインナップは……
「ホットケーキ味ミルクセーキ」「おみくじらのソーダ」「トン汁」「カレーリゾット」
このあたりはまだまとも。
「沖縄産う○こ茶」って、なんじゃこりゃ!ウコンじゃないんだよ、もろ「う○こ茶」って書いてある!どういうことだ、責任者出てこい!はぁ、はぁ。中身はウコン茶ね。インパクト狙った商品名にもほどがある。その隣のゴーヤー茶がかすむインパクトだ。
さらには、どこぞのお土産品売り場で売ってそうな、「ゲゲゲェっと来太郎の妖怪汁」……。
いったい、このラインナップは誰の仕業だ!
嘉久か?嘉久がどうせなら自動販売機の中身を週替わりで入れ替え、日本各地の名産品を入れようとか言い出したんじゃないのか?
今週は沖縄特集とか、無理なこと言ってないか?
「め、芽維さんは、どれにいたしますか?」
皐月たんが真剣に悩んでいる。
いや、もうこのラインナップだったら、無難に「シークヮーサー」でしょう?ね、そうだよね?
「私、これにしようっと!」
芽維たんが、「目玉と親父汁」をぽちっ。ぐえええーーー。
「では、私は、これに」
皐月たんは……おお、さすがに無難にきたなぁ。「エスプレッソ」え?炭酸飲料のエスプレッソ?それって、ずいぶん昔に売ってた「炭酸コーヒー」の仲間だちょね?ダメだ、それは、皐月たん、危険……。ぽちっ。ああ、買ってしまった。
私はどうしよう……。っていうか、一択だしね。シークヮーサー一択。ぽちっ。
芽維たんが、紙コップを手にテーブルにつく。
「みんなで少しずつ分けて飲もうね!」
キラッキラの笑顔に逆らえる人がいたら、手を上げて~?
私の目の前に、目玉と親父汁入り紙コップが置かれました。
ぴぎゃーっ。
ああ、でも、分けて飲むのってとっても仲良しっぽくっていい。
エスプレッソ炭酸飲料に涙しながら。BY璃々亜。
「あ~らごきげんよう、皐月様。こんなところで自動販売機のジュースを飲んでいらっしゃる余裕がおありなんて驚きですわ」
くの字型に並んだ5人の女生徒が現れた。戦隊か!
中心である、一人突き出た女性が皐月たんの横に立ち、鼻でふんっと小ばかにするように見下ろす。
唖然。
誰だか知らないけれど、間違いなく小物です。だって、縦ロールになりきってない中途半端な巻髪で、腰に手を当ててます。そして、どうやら残りの4人は取り巻きみたい。
あきらかな、悪役令嬢スタイルだけど……。この世界での悪役令嬢って、私なんだよ?私以上の悪役令嬢がいるわけないはずで。だから、小物悪役なわけなのよねぇ。
待って、待って、もしかして、この中央の中途半端巻髪の子が、悪役令嬢である私の取り巻き筆頭とかになる予定だったりして?ぐおっ。
そ、それは、ぜひとも、お近づきにならないようにしなくちゃなの。
そんでもって、嫌われないと。
だって、下手に好かれたりして「璃々亜様~お待ちくださぁい」とか纏わりつかれたら……見た目だけでも、私が取り巻きを引き連れてるように見えちゃうじゃんっ。やばい、嫌われるぞ!えーっと、どうすれば嫌われるんだっけ?
「ごきげんよう、須賀様」
ほうほう、須賀っていう名前なのね。っていうか、誰なんだ。須賀よ。なぜ皐月たんに話しかける?
「皐月様のクラスではK3、進んでいらっしゃいますか?私が委員長を務める5組は、すでに2つも行動を開始しておりましてよ?」
なるほど、須賀は、5組のクラス委員なんだ。
「へー、すごい。5組はもう2つも何かしてるんだ」
芽維たんが感心する。確かに動きが速い。
「クラスのK3点数トップは、このまま5組がいただきますわ。ふふふっ。当然ですわよね。5組には、三笠蔵様がいらっしゃいますもの!」
え?三笠蔵って、たしか、要注意人物だよね?攻略対象候補の……。
「三笠蔵様は、クラス委員ではありませんでしたわよね?」
「ええ、そうね。ですから、私たちが、三笠蔵様のために、クラス一丸となって頑張るのですわ!」
そうか、なんだか知らないけど、三笠蔵様は、5組を掌握してるってことね。うわー、さすがに攻略対象だけのことはあるなぁ。
嘉久みたいに周りを巻き込んむ系なのか、求心力のあるカリスマ系なのか、芽維たんのように天使なのか知らないけど、あなどれん。
「2組も、せいぜい頑張ってくださいまし。K3のクラス評価が最下位にならないようにね!」
最下位でもいいよー。目立たなくて済むもん。
あ、最下位は逆に目立つかな?ドベ3くらいがいいかな?
「お茶会部に所属できないような人間がクラス委員をしているんですもの。まぁ、どれだけ頑張ろうと先は見えてますけどね」
「クラス委員とお茶会部が何の関係がございますの?」
そういえば、嘉久もお茶会部でクラス委員だったような?
「あら、ご存じありませんの?クラス委員と言えば、クラスの代表ですわよ?」
そんなことは知ってる。
「クラスの地位は、クラスを代表する者にかかっていると言っても過言ではありませんわ」
はぁ、そうなの?
「では、私たちのクラスは皐月さんがクラス委員長ですから問題ありませんわよね?」
だって、生徒会長の兄に目をつけられ……一目置かれてるんだよ!生徒会にスカウトするとか言ってるんだよ!
そんなに優秀なんだもん。何の問題もないよね。
「あら嫌だわ。本当に何もご存じありませんの?たかが医者の娘がクラスの代表など、恥ずかしくはありませんの?」
は?何で恥ずかしがる必要があるの?
「皐月さんはとても優秀ですわ。恥ずかしいはずございませんことよ?」
名前なんだっけ?小物悪役令嬢、略して小悪嬢でいいか。小悪嬢め。私の大事な友達をバカにするような発言……。皐月たんよりも優秀だったら当然お兄様に声かけられてるんでしょうね?
ん?
時期生徒会役員が、小悪嬢と嘉久?あ、いいんじゃないそれ?
「ですが、皐月さんよりも、貴方の方が優秀なのでしょうね」
「ふふっ、やっと理解なさいましたの?そうですわ。医者の娘と一緒にされては困りますわ。ほーっほっほっほ」
あらやだ。
リアルに「ほーっほっほっほ」って笑う人がいるなんて。
びっくりして目が点になってしまった。
それを、どう勘違いしたのか、小悪嬢のとりまきその1とその2が口を開いた。
「我が5組には、三笠蔵様がいらっしゃるだけではなく、須賀様がクラス委員をしていますから、1年でK3クラス評価トップはもらったようなものですわ」
「そうですわ。貴方、恨むならお茶会部にも入れないようなクラス委員を恨むことね」
恨まないよ。むしろ
「優秀な須賀様には、ぜひ、次期生徒会役員もしていただきたいですわ」
プッシュです。プッシュ。
兄も、優秀な人材がいれば、皐月たんを私から取り上げるような真似はしないだろう。
小悪嬢さんが生徒会に入れば、兄も私も幸せになれますわ。おーほっほっほっほ。
おっと、心の中とはいえ、うっかり、おほほがうつった……。ぐぬ。すさまじい破壊力だな。おほほ笑い。
「あーら、貴方、よくわかっているじゃない?お名前は?」
げぇ、名前聞かれちゃったよ。なんだかめんどくさそうな小悪嬢に。
いつもありがとうございます。
ざまぁされ要員投入です。
がしかし私、悪い人書くの苦手なんですよねー。腹の立つ人物に仕上げられない。困った。
ところで、沖縄名産「う○こ茶」ってネタ画像なのかな?本物なのかな?検索かけると出てくるんだけど……。いくらなんでもネタだよね?2種類出てくるけど……。
私はネタに騙されてこの小説書いてるってこと?ぐぬっ。




