↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/565

第120話 コンピュータールームの名が「京の部屋」になったらしい

 日曜日。

 昨日は結局、ぐだぐだと嘉久と兄に付き合わされてシアタールームはお預けだったよ。

 今日こそは!と思って朝食後席を立つと兄に声をかけられた。

「璃々亜、スマホで歓迎会の写真を撮影しただろう?」

「ええ。カメラ係もいたのですが、自分でも撮りたくて何枚かは」

「せっかくだから、プリントアウトしようか」

 え?

 その発想はなかった。なんとなく、スマホで撮影した写真は、現像(って今言うと変だけど)するイメージがなかった。

「友達に渡す分もプリントして明日持っていったらいいよ」

 おお、写真を焼き増し(という言い方も変だけど)して友達に上げるなんて、いいじゃない!

 スマホを片手に、兄とパソコンルームに向かう。


 部屋には「京の部屋」と、書いてある。ぐふっ。

 スーパーコンピューターもどきの「京」の部屋だからね!でへへっ。でも、ぐふ腐。

「貸して」

 おや?

 兄は、コンピュータールームを入ってすぐ右側の通路の奥に進んだ。

 そこには、スーパーコンピューターじゃなく、普通のデスクトップのパソコン2台と、ノートパソコン3台、モバイルPC1台が並んでいた。

 そして、オフィスにあるような立派なコピーもできるレーザープリンター1台と、インクジェットプリンターがあった。


 スマホをケーブルでノートパソコンに接続する。

 歓迎会の日付のフォルダを開く。

 うわー、懐かしい。いや、まだほんの一昨日のことなんだけど……。

 15インチのパソコン画面に大きく映し出された写真。スマホで見るのとはまた違う

「皐月さんと鈴木さんだね。おそろいのスカートか。かわいいね」

 そうでしょ、そうでしょ!

 可愛いでしょ!


 ん?


 皐月たんも、芽維たんも、かわいいのは間違いない……。

 やべっ。また、攻略対象とヒロインとの距離を縮める手助けしてない?

 ……。あー、もうっ!

 兄、迷わず印刷枚数を指定して印刷ボタンをポチ。

 ん?印刷枚数、4枚?

 私の分、皐月たんの分、芽維たんの分……あと1枚は?

 と、思っていたら、今度は紙の大きさ指定を変更して印刷ボタンぽち。

 レーザープリンターから、A3サイズで印刷されたの出てきたっ!

 ぎゃーっ、こんなに大きく印刷してどうする!

「この写真もいいね!」

 バスに乗る前に、班の集合写真を撮った後に、調子に乗って3人で何枚か撮ったんだけどそれを兄が次々とプリントアウト。

 いや、だから、そのA3サイズはどうするんだ!

「ん?なんだ、この写真は……?」


 ノートパソコンの画面には、轟くんが差し出してくれたポッチーが映っている。

 あ、えっと。

 その……。なんていうか、この写真見たら、味を思い出せるんじゃない後記念に……ですね……。

「この手は、男のものだな?」

「え、ええ。あの、バスで隣の席だった轟くんが、お菓子をくださってのです。珍しいお菓子でしたので、写真に撮らせていただきました……」

「轟、く、ん?」

 兄の声が低くなった。

 うええっ、何がダメなの?

 そういうジャンクなお菓子を差し出した轟くんに怒ってるの?

 次の画像は、ポテチ。

 その次は、ハイチョー。

 その次は……。

「どれだけ、食べたんだ?」

 ごめんなさい。出されたものは、すべていただきました!記念にすべて写真を……。

「断るのも申し訳なくて……。せっかくなので、一口ずついただきましたわ」

 嘘だけど。一口じゃないものもいっぱいだったけど。

 ついでに、断る気なんて一切なかったけどね!

「轟くんには、いろいろと、お菓子のことを教えていただいけましたし、バスでの移動も退屈しませんでしたわ」

 ああ、思い出しても楽しい。

 お菓子おいしかったなー。ジャンクフード万歳!

 思わず、ニマニマしていると、兄の手元でバキンッと何かが割れる音が。

 ん?ボールペンが折れ曲がって……。

「轟くんか。名前はしっかり覚えたよ」

 ええ?何?

 兄も、食べたかったの?

 一人で食べてお土産も持ってこなかった私に怒ってる?

 いや、それとも、ジャンクフードを大切な妹に食わせやがってって怒ってる?

 やばいっ。

 轟くんのフォローを、フォローを。

「お、お兄様、いただいた中でいくつか、お兄様にもぜひ味わっていただきたいものがございましたの。買ってきたら、食べてくださいますか?」

「ん?私に買ってきてくれるのかい?」

「え、ええ。お兄様にも食べていただきたいなぁと、どのようなお味が好みかなぁと思いながらいただいていたら、つい少々食べ過ぎてしまいました。写真を見て、気になったお菓子はございますか?」

「そうか、私のために……」

 兄、さっきまでシャシャシャのスピードで画像を次のものに進めていたのが、シャッ・トン・トン、シャッ・トン・トンくらいのスピードになった。

 兄が、興味のあるお菓子を二つくらい示した。

 もしかして……兄のためという名目で、買える!おお!棚から牡丹餅、いや棚からお菓子ですな!うひゃひゃひゃひゃ。


 園内に入った班の集合写真が写った。

 ああ、田中くんがシャッター押してくれたんだ。田中くんの姿だけない。

「この写真は?」

 兄の声がまた不穏。

「私たち1班の集合写真ですわ」

「1班は、男女混合だったのか……」

 兄の驚きの声。

「ええ」

「こちらの生徒は、相模と言ったか?」

 さすが兄。もう名前を覚えたのか。

「ええ。皐月さんと一緒にクラス委員をしている相模くんです。男女のクラス委員が同じ班の方が便利だろうと……」

「ああ、なるほど。合理的だ」

「それから、こちらが轟くんです」

「轟……か。なるほど。……体系が……」

 体系が?

「父に似ているな……」

 おお、言われてみればジャイアントパンダ体系とどすこい体系。似ているといえば、いている。

「娘は父親に似ている人を……という都市伝説……」

 ぶつぶつと何やら頭を抱える兄。

 ?


お読みいただきありがとうございます。


なんだかんだと、田中くんの破滅フラグは、轟くんという尊い犠牲のもとに回避できたようです。

轟、おまえ、いい仕事してるな。

次回、璃々亜にご褒美が!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
。
― 新着の感想 ―
[良い点] 田中くん、守られてますね。これは攻略対象補正? やっぱり轟くん、いいですね。ちょこっと痩せさせてみましょう。そのままでも熊っぽくていいんですが。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。