第64話 騎士団へ
「と、と、突然すぎますぅ~ あたし、エドガルさんのことなにも知らないですし、あたしには結婚なんて考えられません」
突然のエドガルさんの結婚の申し出に面食らって慌てて答えるあたし。
「あなたのことは、サントスから帰ってからもわすれられなかった。
俺はあなたの優しさに救われたんだよ」
「怪我が癒えてなによりです」
あたしは、それを聞いて安心した。
それでまわり右して。
「あたしは、まだ結婚は考えられません。それでは失礼します」
「あっ!! 待って。マリベル」
走って、その場から去りたい気分だったけど、呼び止められてしまった。
「でもーー」
「結婚のことはゆっくり考えてくれていいんだ。あえて無理じいはしない。好きな人がいるならそれでも……諦めるから……」
エドガルさんは、寂しそうに笑っていた。
「これからどこへ行くんだい?」
「えっと、ここから一番近いのは銀の森かしら」
「今……そこに行くのはーー」
エドガルさんの表情が曇った。
「聖女になる覚悟ができたってことかな?」
「聖女!? なんで?」
「銀の森は光の神殿の本拠地だ。あなたほどの治癒の力を持つ人間が行けば、放っておかないだろうね」
「あたし、巫女じゃないわ。ただの治療士見習いよ」
「あなたは、自分の価値が分かってないのですね」
エドガルさんは、目を細めた。
「そんな、あなたを独占したかったけどーー」
あたしの価値?
「神殿に行くのは勧められません」
「あの……なら、サントスの治療棟に戻ります。とうさんがいますし」
「サントスも神殿だよ。治療棟どころか、奇跡の巫女として扱われるだろう」
「奇跡だなんて……あたしにそんな大層な力はありません」
「そう思ってるのは、もうあなただけです。あなたの奇跡の力はかなり有名なのですーー行き先は考えたほうがよろしいです」
「じゃあ、お家の再興とか言ってたモルガン家にも行かない方がいいかしら?」
「個人的にお勧めできませんねーーなんなら俺といっしょに守護の森の騎士団へ行きませんか?」
エドガルさんに言われる。
騎士団?
そういえば、エリサと行ったわね。
ダールのいるところだ。
騎士になれたかしら……
そういえば、エリサが厨房を水浸しにして大騒ぎになったわ
懐かしいわ。




