第61話 パーシアの過去
『少しずつ、レトア語にもなれてきたわね?』
パーシアの右腕の包帯を取り替えているときに言った。
ミジェーリアさまがおこなった、バーシアの鱗は、安定して定着していた。
あとは、鱗が広がっていくだけだ。
本当に目でわかるくらいの早さで治癒していくのがわかった。
私は、少しずつバーシアとお話ができるようになっていった。
古代レトア語がわかるようになってきたの。
それで、いろいろなお話を聞いたわ。
パーシアの時代のこと。
『あの時代は、闇の気配が多くて、魔族がたくさん蔓延っていたわ」
『魔族?』
『人間ではない闇のけん族が多くいたわ』
召喚されたときのこと。
『三百五十年前のシードック王国が、魔族に攻められたときに、最終兵器として、神殿が宝物の召喚玉を使ったのよ』
『まあ~』
魔法剣を作るに至った話。
『もとの時代には、戻れなかったわ。それだけの力を持った魔法使いがいなかった……というのもあるけどーー私が帰りたくなかったの』
『それで、どうしてここにいるの?』
バーシアは、笑う。
『精霊王が、神になっていたのは驚いたわ。この地にとどまりたいなら、人間の役に立て! と……』
レフさまとの共同作業。
精霊好きするレフさまの弟が作業に入ることもあったそう。
ーーエリサが生まれたときのことも聞いた。
『あの子は、特別よ』
バーシアは、目を細めた。
『エリサはいずれ世界が放っておかないわ。神殿、神々の世界にも関与するかもしれないーー』
『まあ……』
『でも、あなたはどこに行ってもいいのよ』
あたしは、バーシアの言ってる意味がわからなかった。




