第59話 精霊見えた
パーシアの移植手術。
太股から切り取った部分はもう、新しい皮膚(鱗)ができ始めていた。
腕は、傷が深いためか、なかなか塞がらない。
『パーシア、ごめんなさいね。あたしの力不足で』
『ちいひめ……変なことを言う。
あなたのおかげで、これだけですんでいるのだ』
あたしのおかげって言った?
でも、まだ、腕の包帯の黒ずみも取れないわ。
『パーシア、この黒ずみは?』
『古の時代は、今と比べ物にならないほど闇の神の力が大きかった。
結界が壊れたとき、一瞬時空の穴も開いた。ーーその時に闇の空気も流れ込んでしまったのだろう』
??
えっと……
神代には、闇の力が大きくて、穴が開いたときに、闇の力が流れてきた……でいいのかしら?
せめて、水坊主さんと話せたらな~
あたしは、頭上を見上げる。
チラチラ、光ってた。
そうだ。エリサは、普通の言葉で精霊と話してたわ。
あたしはどうかしら?
『水坊主さん?」
<三日も契約精霊を放っとくとは、なんだよ! 銀のちいひめ>
うわ~ !! 返事が返ってきたわ。
姿は、見えないのに。
ときどき、キラキラ光る光が合図のよう。
「わぁ~!! 精霊と話すなんて始めてよ。初めまして、マリベルよ」
<あんた、本当に聖女認定された子なの?>
「それは、あたしのことじゃないわ。エリサのことよ。あたしなんてただの治療士見習いやってただけだもの」
<確かに、谷の姫は大きな力の持ち主だ、でもあんたとは、系統がちがう>
「系統?」
<気づいてないのかよ>
あ……なんだか、だんだん目がなれてきたわ。
頭上に半透明の小柄な丸坊主の精霊の姿が……
<お前さんだって、地竜祝福受けてるだろう>
「え!? なんで、そのことを……」
『結界に穴が開いてた間、そとの世界のことを風たちが、噂を運んできてうるさいくらいだった』
パーシアの言った言葉を、水坊主さんが訳してくれた。




