第57話 水の精霊と契約
ミシャールさんに小鳥たちの言っていたことを言ってみた。
「確かになぁ、何度も癒しの泉をここに運んでたら、マリベルが疲れるな」
「あたしは平気」
ミシャールさんに力こぶを見せる。
「カナの娘とは思えんな」
あまり話題に出てこなかったけれど、ミシャールさんは、かあさんのことを知ってたのね。
「パーシアの名付けたエリサの名前の意味って?」
「古代レトア語で『偉大なる』『祝福』だ」
……
……
……
あたし、香木よ!!
マリュベイルよ!!
かあさんがつけてくれた、暖かい名前だわ。
でも、エリサは誕生のときに、火竜の祝福受けてて、名前までもらってる。ーー治癒の泉の主と風の騎士が祝福に駆けつけた。
「お前はお前。エリサはエリサだ。今のお前なら、精霊と契約できるかもしれないーーやってみよう」
あたしは、ミシャールさんについて癒し泉まで行った。
澄んだ湧水。大きくはないけれど、小さくもない。
「この泉をどう見る?」
「たくさんの患者さんを治してくれた泉でしょう?」
「言い方を変えるか、何がいそうに見えないか?」
あたしには、ミシャールさんの言わんとしてることのほうがわからなかった。
「実際、ここには、水の精霊がたくさんいる」
「そうなの?」
あたしは、目を細めて泉をじっと見た。
「おいおい、そんな探しかたしたやつ見たことないぞ」
ミシャールさんに笑われた。
だって見えないんだもん。
ミシャールさんが、腕を上げる
小さな光が水面に浮いてこちらに来る。
「紹介しよう、俺の契約精霊の水坊主だ」
なんつう、通り名? にしてるのよ。
ミシャールさんと結婚したら、絶対子供の名前は適当につけられるわ。
「これでも六階級だからな」
「でも、水坊主はひどいわ」
「あ~ わかった!! お前ら気が合うな。俺の決めた通り名に文句ばかりつけて!!」
「水坊主さんじゃひどいと言ってるだけだわ」
「水坊主は、治療所の仕事に飽きたと言ってたーー水坊主はお前にくれてやる。好きに使え!! 名前は、ネレウスだ。見えなくても、目の前にいるネレウス、これよりお前の主は、このマリベル・フレイドルだ。魔竜谷の鍛冶場に水を届けろよ」
ミシャールさんは、他の美少女の精霊と契約したっぽい。
お嬢とか呼んでたし。
でも、水坊主さんいいのかしら? 六階級なら中位より上よ。
いきなりそんな上位の精霊をもらうなんて




