第49話 地竜の夢
「とうさん、顔の傷が綺麗になってきた……よかった」
「マリベルのおかげだ」
とうさんの顔の包帯を変えていたら気がついた。
前よりただれも綺麗になってる。
一日の終わりは、いつもとうさんの部屋。
とうさんに、新しい水を運んで、香木炊いて、包帯を変えて寝室に帰ってくる。
毎日このパターン。
身体は、クタクタだけどもう慣れっこよ。
湯浴みして、寝室に戻るとすぐに眠りにつけるわ。
今日も、すぐに眠りについた。
暗い地の中ーー
ほのかに光る女性の姿。
地竜……
マーラさん?
『デュール谷に帰りなさい』
『…………』
『…………』
他にも何か言ってるけど、聞き取れない。
デュール谷。
私の故郷。
帰りたいわ。
やがて目が覚める。
マーラさんの夢はやけに生々しかった。
朝早く、治療棟にエリサの父親のレフさまが来ていた。
「マリベル!! 急いで俺といっしょに谷へ帰ってくれ」
レフさまは、光の神殿に納める魔法剣を鍛える魔法鍛冶士。
傷も癒えてるなら、そろそろお仕事の再開もアリね。
でも、あたしがいっしょにとは?
とうさんは、レフさまの助手だったから、あたしを助手にしようとしてるのかしら……?
「レフさま、あたしが助手なんて無理です」
「パーシアも傷ついている」
あれ……?
助手の話じゃない?
パーシアってーー
デュール谷の火竜の名前だわ。
「ひょっとして、結界が壊れた時に怪我したの?」
「そうだ……しかも、気かついてやるのが遅かったから怒っている」
マーラさんは、このことを言いたかったのね。
あたしは、レフさまとデュール谷へ帰ることにした。




