第47話 神官ルシアン・モルガンの野心(1)
俺の名前は、ルシアン。
ルシアン・モルガンという。
二十七歳で中位の神官だ。
家は、もとは名家だったらしいが、今では落ちぶれて、繁栄の影もない。
そんな俺の家に語り継がれてきたことーーモルガン家には、隠された財宝が眠っている……
これは、本家に近い家の者だけに語り継がれてきたことことだった。
俺の家は、本家に近かったのだろうな。
リリエンハイム公国が、魔族に滅ぼされた時に離散したモルガン家の者は、大陸中に散った。
俺の家族は、モルガン家の伝承を伝える役割を持った一族らしく、古王国の一つ、ドーリアにたどり着く。
家の再興を目指した。
が、四百年それは無理だった。
俺は貧しさから、幼い頃から神殿に入れられた。
決して、親が敬虔な信徒からではない。
俺も、真面目な神官ではない。
毎日、同じことの繰り返し、それだけだ。
ただ、俺は少し見てくれがよかった。
そのせいで、巫女や巡礼者にはいい思いをさせてもらってる。
俺が神殿に入った頃ーー治療棟て伝説になってた治療士、カティア・モルガン。姓が同じだけだと思っていた。
しかしーー
大賢者さまを交えた、神殿の会議のこと……
何でも数字化するキャスパー神官によって、明らかにされる。
「治療棟の患者の数が減りました」
「巡礼者の数も増えてます」
「警備騎士の出動率が減りました」
「全部、マリベル・モルガンが来てからです」
みんな、一瞬でわかる。
「カティアの娘か!!」
ーーと。
古い神官ほど思っただろう。
奇跡の治癒士と言われたカティア。
だが、俺は彼女のことはよく知らない。
俺が神殿に来てまもなく、いなくなってしまったからだ。
その娘が、また神殿で奇跡の力を発揮しているーー
俺は、神殿の書庫で古い書物を見つける。
誰か、俺よりも先にここにたどり着いたものがいるらしい。
モルガン家の伝承ーー
人外の力を持った令嬢。
莫大な力。
いつからか、それが隠し財産の話に鳴ったのではないか……?




