第40話 地震
風の厚が変わった。
「珍しいなぁ。この地域で地震なんて!!! 大きいのが来るから、みんな、避難して」
ジェド氏が、水晶を見て言った。
「ジェド? 本当ですか?」
「ボクを誰だと思ってるんだい」
ジェド氏は、若長の守役よね~
「当代一の予見者よ、《《あれでも
》》」
いつの間にか、アリシアさまが来ていた。
エリサをつれに来たらしい。
「かあさま~ やっぱり、伝道師は嫌よ~ ここに残れるように大賢者さまにお願いして~」
アリシアさまは、エリサのお願いを無視して、治療士たちに指示を出す。
「早く、患者たちを避難させた方がいいわ。動けない人は、ベッドの下へ」
ーーその時だった。
ゴオォォォ……
地鳴りがしたと思ったわ。
でも次の瞬間ーー
激しい揺れが、私たちを襲った。
若長は、エリサの手を引いて近くの机の下に入る。
あとで聞いたけど、エリサはあたしを見て、驚愕したらしい。
天井からいろんなものが落ちてきたけど、あたしを避けるように落ちてたって言うんだもの。
ーー長く揺れたわ。
でも治療棟には、大した被害がなかった。
予見者さまがいたのも幸いしたわ。
ーーでも、不思議。
なぜか……
……なぜか。
地震がおさまると、あたしは涙を流していた。
「マリベル! どうしたの?」
「えっ……?」
自分でも気づかないうちに、大粒の涙が頬をつたっていた。
「ちょっと、確認してくるよ」
ジェド氏は、若長を残して何処かへ行ってしまった。
「お前は、今日中にエラドーラまで移動よ。特別に魔方陣使わせてくれると言うのだから、嬉しく思いなさい」
アリシアさまが言う。
「嫌~!! 聖典読むならここでもできるじゃない」
「少しは、人の役に立つことをしなさい!」
エリサは、アリシアに叱られながら、連れていかれた。
さすがの若長もなにも言えなかったわ。




