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風と灯りのノクターン ~風の精霊使いエリサと奇跡の少女~  作者: 月杜円香


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第39話 若長の花嫁

「父上が、あなたを僕の花嫁だと望んでます」


「……無理! 無理! 無理です! あたしは、普通のお嫁さんになるのが夢ですもの。

 毎日若長のような美女を見てたら、緊張してしまうわ」


「ーーそこは違いますけど」


 若長は、苦笑する。

 そこに……

 ザバーーン!!


 若長は、頭から水をかぶったーーように見えた。

 ……しっかり日傘で防いでいたわ。

 空中にはエリサがいる。

 水桶を持って。

 苦虫を噛み潰したよう顔で怒っている。


「マリベルに、ちょっかい出さないでよ。変態!」


「怒った顔も可愛いのに」


 若長は、エリサのことを気に入ってたはずよね?

 それなのに、なんであたしに求婚するの?


「銀の森に、必要な力ですから」


「マリベルは、大賢者さまの言いつけでここにいるのよ」


「知ってますよ。でも、銀の森でも

 マリベルの力が欲しいんです」


 かあさんが伝説の治療士だったから?


「でもーーマリベルには断られました」


 若長は、晴れ晴れした顔で言う。


 断り方がよかったかしら?


「これで堂々と、エリサに求婚できます」


 そこにいたみんなは、みんな一斉に若長の顔を見た。


「なにを言ってるの? 誰があなたなんかと結婚するもんですか!」


「デュール谷の姫、マリベルは、マリベル自身に価値がありますが、

 谷長の家には、エル・ロイル家として縁談を申し込むことができるんですよ。

 格下のフレイドル家には断る権限はありません」


「ティラン、それは……」


「事実でしょう?」


ジェド氏が、なにか言おうとしたが、それすら遮る若長。


 怖いことをあっさり言う、若長。

 エリサは、顔を真っ赤にして怒ってる。


 厚のある風が急に吹いてきた。









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