第28話 メルクリッド大神官
メルクリッド大賢者さまは、大層なご高齢だ。
でもーー銀の森の若長と同じ、銀色の瞳を持っていた。
若長と親戚なのかしら?
レフさまは、膝を折って頭を垂れている。
あたしは、レフさまに見習った。
エリサだけが、ポカーンと大賢者さまと見つめていた。
「とうさま~ すごいわ。九階級の精霊を四匹もつれてるわ~」
「エリサ! 頭を下げなさい」
「だって~」
エリサは、大賢者さまの前でも態度が変わらない。
大賢者さまが、口を開く。
「ーーカティアの娘は、そのほうか?」
……
……
……?
はっ? あたし?
たしかにかあさんの名前は、カナだけど……?
「瞳の色など、同じたな」
目が優しそうに笑う。
「この場にて、レフの左手に触れてみなさい」
あたしは、言われるままにレフさまの前まで行く。
レフさまの左腕は、包帯が黒ずんでいた。
なんで……?
「わたしが力を増幅させようぞ」
大賢者さまは、椅子から立ち上がる。
……あたしとレフさまのところに来た。
あたしの腕を取って、レフさまに触れさせた。
淡い銀色の光が、あたしの中から溢れだしてきた。
レフさまの黒ずんだ傷が、どんどん癒されていく。
「ーーさすがに、カティアの娘だ
わずかでも力の片鱗を受け継いでいる」
大賢者さまは、優しく言われた。
「マリベル、すごーい!!」
「エリサ―シャ・フレイドル、そなたは魔法棟にて、精霊の契約の見直しだ。ルール違反で契約した精霊もつれている」
大賢者さまは、エリサには、厳しい声で言った。
「しかも、騎士団の一件で銀の森の魔法使いが出払って、サントスを当てにするなど」
今まで黙っていたレフさまが、急に謝る。
「娘がすみません。大賢者さま」
「ーー向こうから来たのよ~ 返さなきゃ駄目?」
怒ってる~
大賢者さまは怒ってるよ~




