第25話 武器庫の惨事
その日の武器庫の惨状は、言葉で表せない。
ーー剣が折れてる。武器が壊れてる。
盾が火で焼けてる。
昨日、何人の人が、ここで決闘をしたの? というありさま。
やってきた。 だけどーー、昨日武器庫の近づいたのはーー鍛練の終わった騎士以外には……エリサだけだった。
「だってね~ 精霊たちがうるさいのよ~ 武具についた精霊が私と契約したがって~」
「ーーそれで、おまえはなんと言ったんだ?」
「……一番強い子なら、いいわよって~」
エリサは、満面の笑みで答えた。
そこに、レフさまにクライヴ団長がやってきた。
ダールが呼びに行ったの。
レフさまは、頭を抱える。
クライヴ団長はーー
「これは精霊同士の、力のせめぎあいだな。一番高位のものが動いたのかーー」
「それでも、私の精霊たちよりも、二階級下だったから……追い返したわ」
「デュール谷のエリサ、頭上の風の精霊は、五階級とお見受けするが?」
「風の騎士は私の祝福精霊ですもの。足りない分は、私が補うわよ」
「武具に宿っていた精霊が、みんな離れてしまっているーー魔法使いの介入が必要だ……レフ」
「わかった、急ぎ神殿に連絡を入れてくれ」
レフさまが言う。
右手でエリサにげんこつしている。
ーーそして言った。
ブーたれてる、エリサ。
「おまえたちも早く、用意しなさいーー俺といっしょにサントスに行くんだ」
その声は、恐ろしく静かで震えていた。




