第21話 激おこのレフ
あたしたちは、騎士団の守衛の控え室に通された。
火の精霊を横取りされた、お兄さんーー
悔しくて、しばらくはエリサにわからない言葉で話しかけている。
「それが、古代レトア語だ」
ポカーンとしていたあたしに、声をかけてきたのは、エリサの従兄のダール。
二年前から、騎士見習いとして騎士団に入ってる。
そしてあたしは、胸が跳ねた。
だってーーこの人は……あたしの……
一番最後に入ってきたレフさま。
頭から蒸気が、出ていそうだったわ。
真っ赤な顔をしている。
「エリサーー!!」
「ジークに精霊を返すんだ!!」
「いやぁ~ 盗ったんじゃないもの。挨拶したら、向こうから来たのよ?」
「だって、釜戸の格好をした精霊なんて初めてよ~ 可愛いわ」
「俺が、二階級から育てたんだぞ」
「それで、今五階級? 私のところに来たら八階級よ」
よく知らないけど、身体を持たない精霊は、魔力の強いほうに引っ張られる。
……ということを聞いた。
エリサは、手に入れた精霊を手放す気はなさそうだ。
「おまえに火の精霊なんてーー持たせられるか!!」
「……とうさまの火竜と交換でもいいわ」
そのとき、あたしはダールの胸に抱かれた。
本当に、一瞬場の空気が変わったの。
空気が熱くなった。
次に派手な音が聞こえてくる……のかと思った。
ーーエリサは金髪の綺麗なおじさんに抱えられて飛んでいた。
「レフ、きみの左手をこんなところで使ったら駄目だよ。魔法鍛冶士に復活できるまで、大事にしなけりゃ」
あたしは、空を見上げる。
背の高い人だ。
他の人とちがうマントを着てる。
騎士団のマーク?
?
この人ーー
「団長のクライヴ・ロゥだよ」
ダールが教えてくれた。
それにしても、この団長さんもかなりの美形だわ。
それに、《《あの》》エリサを抱えて飛べるなんて、すごいわ
エリサは、びっくりして、動けずにいる。
あそこまでレフさまが怒るのを見たのも初めてのはずよ。




