第19話 帰ってきた風の騎士
無事に中央神殿ででの用事も終わり、私たちは帰途につく。
エリサは、とても嬉しそう。
双子石に向かって、怒鳴る。
「バカ長! 早くあなたの精霊を回収してちょうだい」
《エリちゃん、ティラン相手にその呼び方は駄目ですよ》
あ……予見士さま。
《《《これでも》》一応、エル・ロイル家の若さまなの。敬って》
双子石から、予見士の声が聞こえてきた。
若干、お怒りモードだわ。
「ごめんなさい、予見士さま。エリサに悪気はないと思うのーー結界士さまとの接見が終わったから気が緩んだのだわ」
《大丈夫だよ、マリィちゃん。怒ってないから。でも、銀の森でそれ言ったら、アリシアの収入下がるから》
そういえばーーエリサが何かやらかすと、アリシアさまの録が下がると言ってたような……
エリサの顔が険しくなっていく。
「ひどいわ! かあさまに言いつけるなんて」
《ひどくないよ、あの場を《《固定》》》していたのは、奥方だし、セルディアスとの交渉を成功させたのはティランのおかげでしょ?》
予見士さまは、たんたんと話す。エリサの顔は、どんどんと歪んでいく。
「わかったわよ、謝るわよーーだから早く風の奥方を回収してちょうだい」
《あなたの暴走止めにはちょうどいいんですげどね》
今度は、若長の声だ。
「圧がすごくて、飛べないのよ」
二人の軽やかな笑い声が、双子石から聞こえてきた。
《奥方を使いこなせないなら、まだ余地はあります。リザベータ戻って下さい》
若長の声とともに、大きな圧のある風があたしたちの前を通り過ぎる。
「リカルド、頭の上に戻っていいわよ」
<ダメなんだよ~ 俺は、第五階級まで落とされたーーおまえの精霊の中で一番格下になっちまった……>
泣きながら、風の騎士に戻った彼はエリサに訴えてきた。




