第14話 中央神殿の道
「ねえ~~ エリサ、なんであたしもいっしょなの~?」
エリサは答えない。
あたしたちは、銀の森を西へ抜けて、ひたすら太陽の沈む方向に歩いている。
歩きなれてない、エリサのせいで止まってばっかりだ。
しかも、この子、機嫌がわるくて口も聞いてくれない。
風の奥方を寮に連れていっても、誰も驚かなかった。
……?
不思議……
奥方クラスの精霊になると、力の加減も自由自在だとかーー
見えるけどは見えるらしく、そんなことを聞いたわ。
そして、中央神殿所属の魔法結界士。
セルディアス・フィルムにデュール谷の修理を依頼した。
ーーセルグ師が言うには、腕はピカ一の天才。
でも、性格がねじ曲がってるとか……
今回も、結界を壊した本人が頼みに来なければ、仕事を受けないーー
……と言ってるそうで。
「そんな結界士に頼まなくてもいいじゃない」
エリサは、声をあらげる。
「早く、谷に帰りたいでしょう? エリサーーここは、我慢しましょう」
「……マリベルもいっしょなら」
……
……
……
「なんで、いつもあたしを巻き込むのよ!」
「……一人は嫌だもの」
こうして、ヴィスティンの王都にある中央神殿。
二人旅が決まる。
エリサは、やけに軽装。
しかも荷物も最小限。
馬で行っても、片道一週間の距離なのに?
あたしは、大きな鞄に、たっぷりの着替えを入れた。
「世界一周でもするの? マリベル」
「あんたこそ、自分の荷物は自分で持ちなさいよーーあたしは、持たないわよ」
「飛んで行ったら、すぐに着くわよ」
なんですって……
飛ぶ?
……飛ぶ?
飛ぶーー??
「無理無理無理! 絶対に無理よ! あたしは、飛んだことなんてないもの」
「そんなにいやがらなくても……飛んだほうが気持ちいいし、楽よ」
エリサは、異様にさわやかな顔で言う。
「馬にだって乗れないわ! 歩いていくじゃなけりゃ一人で行って」
あたしは、止めの一言。
エリサは、黙ってしまった。




