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風と灯りのノクターン ~風の精霊使いエリサと奇跡の少女~  作者: 月杜円香


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第12話 風の貴公子

「やれるものなら、やってみなさいよ! 風の騎士は、祝福精霊なのよ」


「はい、いいですよ。奥方、ちょっと、気配を消しててください」


 あれ?

 さっきまでと違う。

 圧の風がなくなったわ。


「僕の名前は、ティラン・マクシム・エル・ロイルです。風の騎士ーーリカルド。こちらへ」


 エリサは、驚いて頭上を見上げてる。


「なぜ、風の騎士の名前を知ってるの? ーーリカルドどこに行くのよ」


 <引っ張られてるんだよ、若長の方がエリサよりも魔力が強いんだ>


 と言ってたそうなんだけど、あたしには、聞こえるわけない。


 しばらく、二人の間で不気味な風が吹いていた。


「うそ~ リカルド……あなたの格好が騎士でなくなってる」


 エリサは、若長の頭上を見て、目をバチバチ瞬きさせていたわ。


「貴公子と読んでくださいね。リザベータ、エリサの頭上へ行ってください」


 ううっ、エリサの頭の上に今までとはちがう圧が来たわ。


 若長は、得意満面の笑みで答える。

 この人、かなり自信家だわ。


「でもーーあなたの魔法は、風だけでしょう? 不利じゃないの?」


「大地の力は、妹に受け継がれましたーーそれはそれとして風だけで十分ですよ。よろしく、リカルド」


 若長は、頭上を見て目を細める。

 絶対に楽しんでるわ~ この人。


「だからね、マリィちゃん。きみの未来の旦那さまはーーだからね」


 しまった!!

 あたし。

 予見士さまのジェド氏に未来の旦那さまの話を聞いてたんだったわ


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