第11話 精霊の交換
「デュール谷の姫、単刀直入に言います。
僕の風の奥方と、風の騎士をしばらく精霊を交換してください」
エリサは、思い切り顔を歪めた。
「なんのためよ」
「風の奥方は、精霊最高位です。扱い方によっては、身を滅ぼしかねません」
あたしは、耳がダンボになってる。
ジェド氏が一生懸命、あたしの未来を見てくれてるのに。
あたしは、若長から目が離せない。
二人の会話にもーー
風の精霊を変えっこしようと、若長は言ってるみたい。
そんなことして、なにかいいことあるのかしら……?
「なんのために?」
「一つは、風の騎士の最下位まで下がるのを防ぐためです。僕と契約すればーー今より三つ下がるだけで留まります」
エリサは、頭上を見て、風の騎士の反応を見ている。
わるくないらしい。
「それからーー」
ティラン若長が、続けて言う。
「あなたに奥方をつけるのは、最強にするためではありませんーーむしろ奥方に監視してもらうためです」
ドカーン!!
上空から、結界の欠片が降ってきたわ。
ここにも、谷と同じような結界が、張ってあったのね。
「あなた、嫌いだわ」
「僕は好きですよ。あなたはーー稀有なケースです」
「人を珍獣のように言うのね?」
「違いますか」
ひえ~
この二人、似たもの同士なんだわ~
若長が手を上に上げる。
風がさっきまでと同じになったわ。




