表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/24

罰ゲーム?

祭りから帰ったおれは、風呂で汗を流したあと、

なぜか美空の説教部屋へと呼び出されていた。

何がギルティだったのか…

先輩の頭を肩乗せしたのが原因か。

故意ではない。ただ、あれはNGだと思う。

問題は謎のポイント制。前回の1,000ポイント

に加え、祭りの時の9,000ポイント追加で、

晴れて?10,000ポイントを達成した。

でも何のポイント?あ、マイナスだった。

一体、おれが何をしたというのか。

「ここに来た意味はわかっていますか?」

「…」

「理由もなく来る訳じゃないですからね」

「ポイントの貯まった、ごほうび?とか」

「ちがいます」

やっぱりデスペナルティだ。

美空様はベッドのとなりあたりをトントンして、

ここにすわりなさいと言っている。

素直に従うしか道はない。

「誰にでも優しいところはなつくんの長所です」

「あ、ありがとうございます」

探るように伺うおれに、勢いよく飛びかかる。

「しかし、それは短所でもあります!!」

ビシッと指摘するように指を立てる美空様。

えーっ、上げて落とす感じですか…

「そう言われましても」

あるアニメの鬼を彷彿とさせるワンシーン。

おれは消されてしまうのか。

そんなことを考えていたのだが。


「わかりました。わたしと勝負をしましょう」

え、何をわかったの?おれ何もわからないよ?

勝負って何?なんで戦わないといけないの。

まったく腑に落ちず、額の汗をぬぐう。

「夏くんは大事なサッカーの試合に出れませんでした」

「あ、はい。それはおれも不本意でした」

「わたし、が不本意でした!」

ん、わたしが不本意?どういう言い分?

「どれだけ楽しみにしていたことか…」

え、何かおれの気持ちを代弁してくれてる?

いや、なにか違うな。美空様の次の言葉を待つ。

「このやり場のない思いをどこへ向ければいいのか」

いや、水平線の向こう側に投げ捨てて下さい。

「わたし」の問題なのでは?

そう突っ込むとまた何かビシッと指摘が入りそうなので

黙って聞いておく。

「ということで、わたしと勝負をしましょう」

え、だから何の勝負ですか…

おそるおそる美空様から紡がれる言葉に耳をすまし、

全集中で次に放たれる言葉を確認する。

「今から『ポッキリーゲーム』をやります」

「???」

おや、なんだそれは。聞き間違いか。

「美空さん、何やら聞き間違えたような気が…」

「今からわたしとポッキリーゲームをやってもらいます」


ルールの説明がはじまった。

スティックであるポッキリーを口にくわえ、

おたがいに食べ進む。先に口をそらした方が負け。

きわめてシンプルなゲームだ。しかしなぜ…

「10,000ポイント貯まったからです」

ポイントって何か特典だったのではなかろうか。

あ、でもこれマイナスポイントだった。

10,000ポイントはポッキリーゲームなの!?

「負けたら罰としてわたしとお風呂に入ってもらいます」

え?今なんとおっしゃいました?お風呂?

「聞き間違えたかもしれないので、もう一度かく…」

「お風呂です!!!」

言い切られた。マイナスだよね?

何かいいことしかないような気がするのですが。

間違ってる?

「勝ったらワールドカップ限定モデルのサッカーボールをプレゼント!」

なにそれ。なんでそんな魅力的な商品を用意してるわけ?

おれが欲しいってこぼしてたこと、言ったっけ。

何か複雑な気持ちを抱きつつ、目の前に

ぶら下げられた人参に目がくらむ。

理性を保たないと。欲望に忠実ではあるが、

この謎のゲームは普通におかしい、何かが

間違っている、そう簡単に判断できるはず。

それなのに、指摘できず判断を誤った。

「やりましょう」

ばか、なんで受けてるの。口がすべってるよ。

やり直そう。まだ引き返せる。

両手で頬を叩いて意識を戻す。

そんな時、ボールが目の前に置かれた。

なんか舞台がセットされてしまった。


普通に緊張する。手に汗握る、といった様相だ。

おれは何のために勝負しているのだろう。

ポイントが貯まったからだ。

いや、おれにポイントを使う権利なんてない。

緊張と色んな思いが交錯して、だんだん感覚

が麻痺してわからなくなってきた。

ゴホウビ、ならぬ罰ゲーム。

うん、これは罰ゲームだ。

心の準備と呼吸を整え、勝負に挑むべく舞台

のベッドの上に正座する。

「限定ボール、ボール、プレゼント」

ダメだ。ボールが欲しい。

美空様がベッドの上にぺたっと座る。

お風呂あがりのせいか、なんだか良い香りが…

残念なことに?お決まりのようなお風呂に

入る時に脱衣所で遭遇!!みたいなことは

なかった。そんな期待はシテナイヨ?

ご両親もいるのに、先に天に召される。


「準備はいいかな♪」

美空様、なんでそんな乗り気なの。

これドキドキするやつ。

アニメとかラノベでも想像してむっちゃ

ドキドキするやつですよ??

手汗をかいてるし、なんだか緊張で

理性が保ててない気がする。

おたがい向き合って見つめ合う。

やだ、なにこれ。はずかしい。


そんな時に携帯が鳴った。

この音は咲良では?

そう思って確認しようとしたのだが…

美空様がおれの携帯を手に取ると、

即座に電源をシャットダウンした。

あ、完全に遮断された。邪魔者は消されたようだ。

「ん、んっ(咳払い)」

何の仕切り直しですか。


「それでは、はじめましょう」

何なんだ、この空気は。

おたがい見つめ合ったまま、動けない。

いや、美空様がポッキリーをくわえた。

少しずつ近づいてくる。

ふたりともくわえたところで動きが止まる。

セッティングが完了した。

美空様の頬が少し赤い。緊張か恥ずかしさ

からなのか、無理しないで。

「ふんす!」

待って、気合い入れた!?

「ふぁんほんふぇんふです(3本先取です)!」

えっ、3本?たぶん3本って言ったよね?

1本で十分では…する必要ある?

疑問に思いつつ横に目をやると、袋には

10本以上ポッキリーが顔をのぞかせている。

うん、余計なことを言うのはやめておこう。

舞台は整った。あとには引けない。

静かな部屋に緊張感のある空気が流れる。

携帯も美空様の指一本で眠らされた。

おじさんもおばさんも町内会で出払ってる。

邪魔するものは誰もいない。

じわりと近づく美空様。

まつげ長いな。肌きれい。

何を見てるんだ、おれ。集中しろ。

ボールは目の前だ。

違う!なんでこんなことに。

あと少し、もうあとがない。

瞳に澱みがないんだよな。ほんときれいだ。

でも、なんとかしなければ…

ひとまず、ギリギリを狙うのは得意な方だ。

サッカーと同じ。うまくかわせば。

そう思って引こうとした瞬間だった。

しっかりと肩をつかまれ、ホールドされた

おれはそのままゼロ距離に…

目をつむったまましばらく静かに時が過ぎる。

フリーズして動けない。

あれ、なんで。どゆこと?

離して。終わってるよ。

今度は時間が止まったような感覚。

そのまま抱きしめられていた。

苦しい。肩をトントンするが離れない。

そのままキスをされてしまったのだった。

その後も「3本先取」の名の下、続けられた

ポッキリーゲーム。

3回キスのハグ込み。

何の罰ゲームなのだろうか。

理性を保つため、勝手に罰ゲーム認定をした。

でも、どう見てもこれゴホウビでは?

勝ち負けを言っていたが、これは完全に、

あらゆる意味で負けたと認める。ぐぅのねも出ない。

人生で初めて「なろう」での執筆に挑戦しています。

ここまで読んでくださっている方がいらっしゃることに、

心から感謝しています。

本当にありがとうございます!


今回の目標は、人生2作目として本作を書き上げ、

「じゆうに文庫」への応募までたどり着くことです。


また本作は、これまで以上に自分自身の力で物語と

向き合い、一から積み上げている作品でもあります。


仕事などの都合で更新がゆっくりになることもありますが、

この物語をしっかりと形にできるよう、一話一話大切に

書いています。


様々な展開が考えられる中で、まずはひとつの結末に

向けて、最後まで書き切りたいと思っています。


引き続き、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ