幼女、王都に到着
「なんだこれは、動けねえ」
「当分のあいだ動けませんわよ、鳥の糞を固めたのですから」
「何だって?」
「だから当分のあいだ動けませんわよ」
「クソ、」
「クソだけにクソ、ですわね」
と、私は盗賊達を動けなくしてから高らかに声を上げた。
「さて、盗賊の頭領は貴方ですわね?どうして私とお姉ちゃんをさらおうとしたのですか?」
「それは言えない、依頼主を裏切る事になっちまう」
「依頼主がいるのですね?それは貴族ですかしら、それとも教主ですかしら?それにしても私とお姉ちゃんをさらう為だけにこれだけの人数を集めたのだから大したものですわね、おおかた、Aランク冒険者が護衛をしているとでも聞いたのでしょう?」
「お嬢ちゃん、幼いのにそれだけの事が分かるなんて、さすがは聖女と呼ばれる事はあるな」
「聖女ですって?それでは私が聖女だから、こんなふうにさらおうとしたのですわね?」
「く、その通りだ、それで、俺達は一体どうなるんだ」
「どうにもなりませんわ、時間が経てばみなさん動ける様になりますし、また追って来ても同じ事をするだけですわ」
「そ、そうか、見逃してくれるのか、ありがたい」
「じゃあね、私達はこれで行くけれど、貴方達についた鳥の糞は、バッチいから帰ったら洗って下さいまし」
「わ、わかった、すまなかった」
こうして、私達一行は盗賊?の様な野党と出会ったが、私の簡単な魔法で事なきを得て、それからは順調に王都へと進んでいった。
そして私達は大きな塀がある場所まで来て、その塀のあいだに通路があり、そこに門番がいた。
門番は私達を見ると「どうぞ」と言い、門を開けて通してくれた。
門は私達一行が乗る馬車3台は並んで通れるであろう、かなりの広さがあってゆったりとしたものだった。
その門を通ると、透明な緑色や赤色、水色や白の門が立っていたが、私達はその門を触れる事さえ出来なかった。
(何だろう、何か透明な防止策の魔法でも掛かっているのかしら、綺麗ですわ)
何はともあれ私達は無事、門を通りさらなる広場に出て王都に到着したのだった。
ちなみに今回は羽猫のウインクもついて来ている。
羽猫のウインクは、私がどんな事を考えているのか察したのか、私の方を見て言って来た。
「ん?なんにゃ?アリエッタ、もしかして僕が門を何事も無く通ったのを不思議に思っているのかにゃ?」
「ん?ちょっとね、でもウインクは羽猫だし、馬車の中に乗ってたし、私は門を通っても大丈夫だと思っていましたわ?」
「そうなのにゃ、僕の事は心配無用にゃ、いざとなったら透明にもなれるし、空間転移も出来るんにゃよ」
「そうなのね、ウインク、羽猫って魔法が得意そうだから色々出来る気はしていましたわ」
私はちょっとだけウインクの事が自慢気に思って、お姉ちゃんの方を見て言った。
「お姉ちゃん、ウインクって凄いですわよね、これで一安心ですわ」
「ええ、アリエッタ、私はそんなにウインクなったら事は心配して居なかったわ、羽猫は色々出来るし、無理に捕まえる事が出来ない生き物なのよ?だから私はウインクの事は心配して居なかったわ?アリエッタ、今はお姉ちゃんアリエッタの事が心配なのよ、アリエッタが聖女だからね」




