蝶華の遊び場
見ていた理由これだったんだ。確かに地図を覚える事は得意だけど、かなり広いからすぐに覚えられるのかな。
「星音って学園の地図書けるの?」
「書けるよ」
学園内の地図なら初等部から高等部まで完璧に書けるよ。そのくらい何度も見てきたから。
ここの地図も三分の一くらいは書けそう。
「もう少しで半分くらい覚えられる」
「俺まだこの辺り以外覚えてない」
じっくりと見てやっと半分くらい覚えられた。これだけでも十分くらい使ってる。
「星音が地図覚えるの得意なのは家系だから、月華が覚えられないのは普通だよ」
うん。むしろ覚えるの早いって思う。
私は昔から地図だけは早く覚えられるんだ。
それが蝶華の言う家系だからかは分かんないけど多分そうだと思うの。
私のお父様もお祖父様も代々地図を覚えるのが得意だったみたいだから。
お父様とお祖父様は五分くらいで全部丸暗記できちゃったんだ。全然知らない初めて見る地図なのに。
「やっと覚えられた」
「まだ半分しか覚えられてない」
「二十分もかかってる」
「星音早い」
「お父様達より全然遅いよ。今の目標は十分」
この半分の十分で覚えたいんだ。それが今の地図暗記の目標。それでそれができたら五分って短くして、お父様達を越えるんだ。
「地図覚えられたから行く?」
「うん」
休憩所を出て廊下を歩いていると、白衣を着ている大人の人と頻繁にすれ違う。
ここで働いている人なのかな。
もしかして夜なのにお仕事を⁉︎
「夜はおやすみしないと」
「星音、交代制」
「交代制?何を交代するの?」
「朝仕事をする人と夜仕事をする人とか別れているんだよ。だから、ずっと働き続けているわけじゃないよ」
そうだったんだ。てっきりずっと働き詰めなんだと。
「あれ?わんちゃんなくなってる⁉︎」
「本当だ。なんでだろう」
「なんだかここに来てから、わんちゃんが追い出されちゃっているみたい」
「わんちゃんここ嫌いなのかな」
なんでなんだろう。
******
なんだか広い場所に来た。いっぱいいろんな人がいる。全員女の子。
「紀蝶」
「蝶華、なんで星音を連れてきているのよ」
「自分から行きたいって言ったから。それよりこれどうなってるの?」
やっと紀蝶ちゃんと再会できた。良かった怪我とかなくて。
「……ここから移民を炙り出すから大人しくしていろと言われたわ」
「移民じゃないって証明できたら?」
「何も言われてないわ。そもそも、証明する方法があるとも言っていないのよ」
「大人しく待ってるの?」
「あの光線の影響を受けた人はここを出れないわ。私だけは、別だけど待っていた方がよかったでしょう」
「紀蝶がいなかったら場所なんて分からないからね。ありがとう」




