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死霊術士は生き還る  作者: ク抹茶
カラクリ人形編
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二十三話 ロペルの町

「ねえノア、私の見た目で冒険者になれるかな? 子供はなれないとかそういうのあったりする?」

「私も詳しくは……」


 一番の懸念材料はスケルトンじゃなくて私だったな、ハハ………。

 というかもっと言うとノアも冒険者なれるのか怪しいよね。

 さっき話しかけてきた女の人にはノアが見えていないようだったし。

 うゥんどうしようか。


「ユウカ様、冒険者になるのに年齢は関係ありませんのでご安心を」

「あ、そうなの? それなら良かった」


 まあ取り敢えず年齢の壁はクリアした。

 て、私はノアの記憶にいた時間も合わせてもう三十歳位だから年齢的には大丈夫だったんだよね。

 まあ良いか。それよりノアがどうすれば冒険者になれるのか考えないと。


「冒険者ってノアみたいに姿が見えなくても成れるの?」

「さ、流石にそれは難しいかと……」


 まあそうだよね、見えないんだもん。

 というか冒険者ギルドと言えば新米に先輩冒険者が絡んでくるっていうのがお約束だけど、私大丈夫かな?

 いや、待てよ。私の力量を見せてそこにいる皆んなを震え上がらせれば或いは。

 その過程で先輩冒険者が絡んでくればそいつらをちょっと傷めつければ……て、そうやってノアを助けた時にあの人を殺しちゃったんだよね。そういうのはやめておこう。


「ユウカ、私の事は良いですから」

「いや、私に一つ案がある」


 ふふふ、今私は物凄く良い事を思いついた。

 誰も傷付けずに冒険者になる方法を。


「それは一体」

「私が空を飛ぶの」


 私がそう言うとしばらくの間沈黙が続いた。


「ユウカ、大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫だよ。ちゃんと考えがあるから」


 それを聞いたエレノアは浮遊していた身体を地面に下ろして私の目の前にちょこんと座った。


「まあ多分ギルドに行っても冒険者になれるのは私だけだと思う。でも私はノアと一緒に冒険者になりたい。だから私の力をその場にいる人達に見せつけるの」

「そうするとどうなるのですか?」

「そうすると………多分皆んな萎縮する」


 エレノアは座ってまま考えていた。


「そ、そしてギルドの人が驚いて言う事を聞いてくれる……かも」


 自分で言ってて思ったけど、本当に成功するのかな。

 私、もしかするとあんまり頭良くないのかも……。


「やりたい事は分かります。ですがそれと空を飛ぶのに何の関係があるのですか?」

「まあ空を飛ぶっていうより力を見せつける事に意味があるから、正直手段は何でもいいと思う。でも私のスケルトンじゃダメだし、ノアの火球は危ない。と考えた時にノアが私を持って飛んでるように見せるのが一番いいかなって」


 空を飛んだら絶対に皆んな驚くよね………あれ、この世界って皆んな当たり前に浮遊したりしてないよね?

 そしたらこの作戦は意味がなくなる。


「分かりました、私はユウカを持って飛んでるいるように見せればいいのですね」

「うん、そう」


 自分で言っておいて何だけど、成功する気がしなくなってきた。

 ま、まあ出来ると信じておこう。


「それじゃあ行こうか」

「はい」


 エレノアはそう言って再度浮遊した。


「あ、そういえば骸骨さんも冒険者になる?」

「いえ、私は遠慮しておきます」

「ああ、そうなんだ」


 ちょっと以外かも。正直『是非!』とか言って物凄く喜ぶかと思った。

 まあ良いか。


「それじゃあまず冒険者ギルドを探さなきゃね」


 そう言って私達は人通りの激しい大通りに出た。

 辺りは人々が歩いていたり、雑談していたりしていた。

 そして中央の道には馬車がよく行き来をしていた。


 おお、さっきはよく見てなかったけど結構人いるな。

 馬車とかもよく通ってる。

 でも、これじゃどこに何があるのか分からないな。


「ゆ、ユウカ……」

「ノアどうしたの?」


 エレノアは弱々しい声で私にもたれかかった。


「ノア、もしかして人酔いしてる?」

「はい、少し気分が悪くて」


 ノア、今にも吐きそうな顔してる。

 ちょっと危なそうだし、路地に戻るか。


 私はエレノアの肩を持ちながら路地に戻った。


「す、すいません」

「いや、良いよ。でも、このまま路地を進んだ方が良さそうだね」

「はい、そうして貰えると嬉しいです」


 本当に大丈夫かな……?

 まあ路地を進んでいればいずれ行き着くよね。


 それにしてもノア人酔いするんだ。

 まあ結構人通り多かったし、ノアの生まれ故郷はこんなに大勢の人はいなかったからしょうがないか。


 私はそんな事を考えながらエレノアと路地を進み出した。


----


「な、ない……冒険者ギルドがない」


 これだけ歩き回ってるのに。

 もう二、三時間はギルドを探してるよ。

 いや待てよ。こんなに探しても見つからないのは路地を進んでいるからでは?

 さっきの大通りに行けば……いやいやそれだとノアがまた人酔いする。


「はあ、やっぱ俺らでウルフ討伐は難しかったんだよ」


 その声は複数の足音と共に突然歩いていた路地から聞こえてきた。


 なんだろう? ウルフ討伐って聞こえた気がしたけど。

 もしかして冒険者なのかな?


「いやいやもう少しで一匹仕留められたんだ。あそこで他のウルフをお前が引きつけてりゃ」

「二人とも喧嘩しないでよ。それと依頼達成出来なかった原因はアンタが突っ走って行ったからでしょ」


 その声は段々と近づいてきて、やがて三人の男女が現れた。

 二人の男は軽装の鎧を身に纏い、その中の一人はシンプルな鉄の盾を持っていた。

 そしてもう一人の女は鎧を着ておらず、白いローブと先に青い石をはめ込んだ杖を持っていた。


「ねえノア。あの人達ってもしかしたら冒険者なんじゃない?」

「確かに、そう見えますね」


 なんか揉めてるっぽいけど、他に当てはないしあの人達に聞いてみるか。

 先ずは挨拶からだよね。


「二人とも良い加減にッ」

「あのォ、すいません」


 私は揉め合っている三人の元に割って入った。

 すると三人は話しかけてきた私の方に振り向いて沈黙した。


「あの、こんにちは」

「あ、こんにちは。えっと、お嬢ちゃんどうかしたの? 迷子?」


 やっぱり迷子に見えるよね。

 まあ見た目は子供だししょうがないか。

 ちゃんと話を聞いてくれると良いけど。


「いえ、迷子ではなくて。少しお尋ねしたい事があるのですが」


 うん、結構良い感じに挨拶出来たんじゃないかな?


「な、何ですか?」


 すると女性は突然改まって聞き返した。


「その、冒険者ギルドは何処にあるのかお聞きしたくて」

「ギルド………? えっと、それなら私達今から行くから一緒に行く?」


 おお、なんと都合の良い。

 やっぱり冒険者なのかな?


「はい、よろしくお願いします」


 私がそう言うと女性は路地を歩き始め、私達はそれに着いて行った。


 いやァこの人達がこの路地を通らなかったらどうなっていたか。

 しかもこんなにスムーズにギルドへ案内してくれるなんて。

 まあ私の話術にかかればこんなもんだよね。


「おい、こんな得体の知れないガキ連れてってどうすんだ」

「じゃあどうすれば良かったの?」

「なんかこう、親を見つけ出すとか」


 三人はヒソヒソと小声で話していた。


 なんかコソコソ言ってるな。

 私の話術が足りなかったか。


「ねえノア、私達ちゃんとギルドに行けるよね?」


 私はエレノアの耳元でそう囁いた。


「どうでしょうか……ですが何かあれば私がユウカを守ります」

「うん、頼んだよ」


 そして三人は路地から大通りに出ると、そのまま迷う事なく冒険者ギルドと書かれた看板の建物に到着した。


 普通にこの道沿いにあったのか。

 ま、まあ結果オーライだよね、辿り着いたんだし……うん。


「着いたけど、何か依頼でも出すの?」

「いえ、私達は冒険者になるために来ました」


 私はそう言うと冒険者ギルドの扉を開けて中に入った。


「お嬢ちゃんにはまだ早いんじゃ………ん、私達………?」


 おお、ここがギルドか。

 意外と綺麗だな。ノアの記憶で見たのとは雰囲気も違うし。

 あそこは酔っ払ってる人が多かったからなァ。


 私達がギルドに入ると、そこで談笑していた冒険者達が静まり返ってこちらを見詰めた。


「あ、なんだこのガキ?」


 え、なんか思ってたより態度悪いんですけど。

 もしかして冒険者は野蛮な人達の集まりだったりする?

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