魔剣の試し斬り
そんなこんなで、荒野に着くまでに最初試したとき(魔力が足りなかったため、剣の形をした靄が出たとき)の約ニ、三千倍の魔力を魔剣に込めることができた。剣を空間に存在させているだけでも、強大な圧を感じている。
本当に、周囲に岩や木、草以外何も見当たらない荒野だ。T17に見守られながら(というより、見張られながら)近くの岩の前に立ち、魔剣を持つ。そもそも魔剣の切れ味は通常の剣より遥かに高かったはずなので、一発目から岩に叩きつけてもいいだろう。頭の上に振りかぶって、岩にまっすぐ叩きつける。
温めたナイフでバターを切ったのかと思えるほど、すんなりと岩が真っ二つに斬れた。岩の後ろを見ると、地面にも深々と斬撃の跡がついている。断面はまるで、磨いた平面鏡のように思えるほど滑らかだった。
「…………」
「…………」
僕もT17も無言だ。特に言うべき言葉も見つからないので,今度は横薙ぎに振るってみる。
……どさっ! ズン! ズズン!!
遠く離れた場所(五十メートル、いやもっとかもしれない)にある木や岩が次々と斜めにずれ落ちていく。それぞれの断面は、すべて同じ平面上にあるように見える。まるで巨大な刃物で両断されたかのようだった。
「……やばいね」
「……ウム」
試し斬りをしてみて、いくつか分かったことがある。一つ目、魔剣はとんでもない切れ味を誇る。二つ目、魔剣は『剣』という名前ではあるが、広範囲魔法とあまり変わらない。三つ目、やたらめったと魔剣を振り回したのなら、周辺がボロボロのズタズタになってしまう。
「……ひょっとして僕、かなりやばい物作ってしまったの?」
「ウム……」
即答で頷かれた。そこは否定しようよ、と思ったことは秘密だ。
読んで頂きありがとうございました。
「面白い」「続きが気になる」など思っていただけたら嬉しいです。
ブックマーク、星★★★★★評価よろしくお願いします。




