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光魔法1・急所講義1

昼食をとった後、再び訓練場に戻る。魔王様とガラッドさんは午後から仕事があるらしく、どこかへ行ってしまった。別れ際に魔王様が



「闇魔法を嫌いにならないでくれよ?」



と言っていたことが、少し気になる。


そんなことを考えながら訓練場に着いた。ルーフェイと、僕と同じくらいの年齢に見える少年が訓練場の中にいた。



「おっ、来たみたいだねー。早速始めようよ」


「……わかった」


「やあ、初めましてだねー。僕はリオ。君はリヒト君であってたかなー?」



のんびりとした口調で喋りかけてきた。とても柔らかいのに何故か耳に残る、そんな不思議な声をしている。



「どうも……リヒトです」


「へぇー、君があのリヒト君なんだー。たしかに光と闇の魔力を感じるね。


早速だけど、僕がここに来た理由を話そーか。実は魔王様に、君を強くするように言われてさ、それで『何ができるかなー』って考えたときに『急所を教えてあげられるんじゃない?』って思ったわけ。だから午後の時間の終わりの辺りで、急所について軽ーく教えてあげよー……あ、そうそう。敬語とか使わなくていいからね」


「あ、うん。わかった、ありがとう……でもなんで午後すぐに訓練場(ここ)に来てるの? 別に夕食の辺りからでもいいんじゃない?」


「それは、暇だったからだよ。じゃ、さっさと始めちゃってくれー。ルーフェイが光魔法の指導をするらしいから、それを見物させてもらうよー」



そう言い残してリオは姿を消した。ルーフェイの方を見ると、教える気が満々のようだ。



「ごめん、待たせたかも」


「構わない。これから光魔法を教える。魔力は闇魔法と同じ感覚で、イメージだけを変化させる。そうすると、光魔法に適性があるリヒトは魔法を放てるはず」


「りょーかい、やってみるよ」


「……ん、頑張って」



以前光魔法を見せてもらったことがあった。その時ルーフェイは、複数の拳大の光球を作り出したり、光線を放ったりしていた。



(まずは光球からか)




まず魔力を感じ、そして光球を一つ作り出すイメージをする。蝋燭などの灯りのようなイメージにする。




「……お?」



体の中で、今までの闇魔法のときとは違う部位が動いたような、不思議な感覚がした。今までの闇魔法は腹の真ん中から力が出てきていたが、光魔法は下腹部から力が出てきている、そんな感覚だ。



「……すごい、早速成功させたみたい」



ルーフェイの言葉が聞こえた直後、光球が目の前に現れた。



「それをあの的に向けて打ってみて」



言われた通りに放つ。弓を引いて、一気に放つイメージで、光球を飛ばす。見事に的に凹みを作り出した。



「じゃあ、並列で」


「了解、やってみるよ」



一段階から二段階ほど難しい、魔法の並列起動を行う。最近は五十ほどの魔法を並列起動できるようになっているので、とりあえず二十ほどで試してみる。



「……ま、予想通りか」「いや、非常識過ぎるでしょ……」



途中リオの声が聞こえた気がしたが、無視する。予想通りに二十の光球が生み出され、そして的ぶつかりそれを破壊した。



「さすがリヒト。もう第一段階クリア。じゃ、第二段階に移る。光球よりも鋭い、流線型の光球をイメージしてみて」



流線型は、前から見ると円形だが横から見ると楕円に見える、そんな形だった気がする。とりあえず流線型の光球を、三十ほど生み出して放つ。今度は全弾が的に穴を開け、的がまるで蜂の巣のようになってしまった。



「すぐにクリアした。じゃあ、光線を放てるようにしよう。イメージはそうだ……太陽から光が出てる、その一部を切り取って放出するイメージ」



言われた通りにやってみてから、新しいオリジナルのイメージを作り出すことにしている。そのためまずは、ルーフェイに言われた通りのイメージをしてみる。





ジュッ!!




光が走ると同時に、的が一部消えた。おそらく燃えたのだろうが、何が起きたか分からなかった。



「光魔法の利点、それはとても速いこと」



珍しく胸を張って、ルーフェイが話しかけてきた。



今度は、中央の膨らんだレンズの眼鏡を太陽に向けると、地面にある葉に火が着く、そんなイメージをしてみる。



シュッ!!



遠くにある的を狙って撃ったところ、その的に大きな穴が空いてしまった。おそらくより高温になって、燃えまくったのだろう。



「そして最後は並列起動か……」



先程見た通り、光線魔法は軌道を変化させることができない。そのため注意して一つの的に狙いを定め、同時に十五ほど放つ。



的が消え去った。流石にオーバーキルだったのかもしれないが、とにかく光魔法の基本はできるようになった。



「あとは自由に魔法を研究したらいい。特段教えるべきことはもうない」


「分かった、ありがとう」



その後約五時間に渡って新しい光魔法を考え、実験し続けた。訓練場の床に向けて撃ったとき、着弾点がガラス質になっていたことが、とても印象に残っている。











「さーて、お次は急所講義なんだけど……まずは正中線について話そうかー。体の縦の真ん中の線なんだけど、ここに急所が集まってるよ。困ったらとりあえず正中線を殴れば、大抵どうにかなるよ。ほら、金的、鳩尾、鼻の下、……」



ある程度魔法に区切りがついたタイミングで、今度はリオの急所講義に移る。今は体の急所の位置を教えてもらっている最中だ。



「まあ正中線だけ守っても仕方ないみたいなところもあるけどねー。とりあえず今日はここまでね。リヒト、寝る前本読んでるんだったらこれ読んだいたらいいよ、じゃーねー」



正中線の解説が終わった時点で夕食の時刻になり、今日の講義も終了になった。別れ際に『読んだいたらいいよ』と渡された本は、ものすごく分厚いものだった。覚えたての身体強化魔法を使って自室まで運び、そして夕食をとり、風呂に入ったりしてからそれを読む。



やってはいけないであろう危険なことがまとめられていた本だった。作者は『リオ・レイナール』つまりあの少年だった。



途中『プレゼントだよー』と書かれた紙片とともに挟まれていた如何わしい本を、即座に闇魔法で燃やしたことは別の話である。


……リオがかなりふざけたことをする人間(魔族?)だということは、はっきりとわかった。

読んで頂きありがとうございました。


『面白い』『続きが気になる』など思っていただけたら嬉しいです。


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