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短篇集50  作者: SOUYA.(シメジ)
36/37

(36)良い理不尽

お久しぶりです。

今回はギャグ系ほんわかです。

「さっちゃん!!! 聞いて聞いて聞いてーー!!」


 甲高い声を上げてやって来た小さな従姉妹の額にデコピンを見舞ってやる。「いったぁーい!」と声を上げて床に寝転がった。それでもめげずにオレの仕事机によじ登った従姉妹はその上で正座をしてオレの顔をベチン、とこれまた小さな掌で挟んだ。


「さっちゃん!!! いとこ同士ってね!! けっこんできるんだってさ! けっこんしよーー!!!」


 うっっっっるさ・・・。


 仕方なしにオレは万年筆を手放して身体の力を抜く。そうしてチラリと叔母に目を遣るとニヤニヤと驚きながらも笑っていた。・・・知ってたな、この人。


「さっちゃん!!! 聞いてる!?!?」


「ミドリ、そんな“当たり前”をどこで知ったわけ?」


「テレビ!!!」


「oh・・・。取り敢えず退いて?

 机の上に座るのは行儀がわ――」


「うるさい!!!」


「理不尽過ぎんか?」


 テレビさんにはそろそろ与えた情報が子供に叶わない夢を見させることになるかもしれない事に気付いて欲しい。

 そしてそれを説明するのは親の役目だろ、叔母さん・・・! ニヤニヤするなそこ・・・!

 そしてうるさいとは何だ、どっちがだ。


「ミドリ、(さち)兄さんの話をよく聞いて」


「あい!!!」


「女の子は16歳にならないと結婚出来ないって昔々に偉い人が決めたの。だから11年後にその気持ちが変わってなかったらもう一回言ってくれる? 改めて振るから」


「あい!!!」


 ホントに分かってんのかね。

 まぁどうせ今だけだろうし、法事とか年末事にしか会わないからすぐ忘れるでしょ。



 何つって高を括っていたオレは16歳の誕生日に婚姻届を提示してきた従姉妹に取り敢えず説教をする事になるなんてまだ知らなかったのだった。





END

可愛いですけど心臓に悪いのでやめて欲しいですね。


閲覧ありがとうございます。

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