手紙。
手紙には、
『後戻りは出来ない』
とだけ書いてあった。
さて、どうしよう。
元、先生の部屋なのだから先生の物なんだろう。
忘れ物かそれともあえて置いていった物なのか。
手紙が一緒に入っているのだから後者だろうが、
確認しようにも本人がここに居ない。
まだ眠くないし、上に居る浦野さんに相談する事にした。
彼なら何か知ってるかも、
と、思ったが知らないらしい。
心当たりはないでもないそうで、
ここを出て行く前に『人形人食種の根源、HHEウィルスに効く薬が出来た。』と言っていたそうだ。
手紙には、『ただし副作用で最悪死ぬ。』と。
「使うかい?」
「本気ですか?
死ぬかもしれないのに?」
「ええ、それでも人に戻りたいと思うのなら。
欲しがる人は多いと思いますよ。
もっともそれは人じゃないのですが。」
「浦野さんは人に戻りたいですか?」
「そういえばまだ言ってなかったですね。
ここは人形人食種と上位種の隠れ家。なのですが、
僕はただの人間です。」
「え?」
「いろいろと事情がありまして、
簡単に言うと人形人食種に親を殺されたんですよ。」
「あっ、そう…なんですか。」
「復讐が目的でここに入ったけど、人形人食種も一枚岩じゃない。もちろん上位種も。
だからここは共存出来ている。
ここに居るみんなは仲間ですよ。
家族とさえ思っている人もいます。」
「…。」
「だからこれから、外に出たら気をつけて下さいね。
話の通じない相手がほとんどですから。」
「はい。」
「…所で、山本さんは人に戻りたいですか?」
そういえば、そんな話をしていた。
だいぶ話がズレてしまっていたようだ。
「まあ、死んでも戻りたい!ってほどではないです。」
「そうですか。
ならそれはどうしますか?」
「…どうしましょう。」
「私が預かるか、それとも
見なかった事にして元の場所に戻すと言う手もありますが。」
「じゃあ、戻しておきます。」
なんとなく。
「分かりました。
それではまた何かあったら遠慮なく言って下さい。」
「ありがとうございます。」
「ええ、これからは仲間ですから。」
「はい。
おやすみなさい。」
浦野さんはにこやかに手を振っていた。
少し抵抗のあるベッドで眠る。
今度は寝付けそうだ。
そして次の日の朝。
元先生の部屋で、今は私が使っている部屋。
起きると部屋が荒らされていた。
なんとかしてこっちの更新速度を上げたいとは思っていますが、
今日も今日とて眠いです。




