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空の空  作者: lycoris
空の空

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noise canceller

「居ないっすね。」

「居ないな。」

「先輩の方もですか?

時間かかってたみたいっすけど。」

「お前、中までちゃんと探しただろうな?」

「え?」

「受付で聞いたって、はぐらかされてるかもしれねぇだろ?ニュースだって嘘だったんだから。」

「あ!」

「馬鹿野郎!今すぐ探し直してこい!」

「はいっ!」

この町に病院はそう多くはない。

それなのに、どこにも秋月朱音が居ない。

片腕を失くした女の子が無事な訳がない。

出血多量、ましてや1日2日で治る怪我でもない。

それなのに、どこにも居ないの。

学校が終わって、探し回って3日目。

隣町にも範囲を広めていた。


「行ってない所はないか?」

「地図上じゃ無いっすね。」

「虱潰しに探してもダメか…

どこか隠し病棟か、あるいは特別な施設があるのか」

「そうなるともう、探しようが無いじゃないっすか。」

「…諦めるのか?」

「そんな訳、無いじゃないっすか。

先輩が諦めても俺は探しますよ。」

「よく言った。

が、今日はもう遅い。ここまでにしよう。」

「はい、ありがとうございます!」

「それは見つけてからにしてくれ。」

「はい!」


先輩と別れた帰り道。

未だ見つからない焦燥と、過去の後悔に拳を握る。

その手を別の手が優しく包んだ。

「真斗。」

探し回ったその声はいつもと変わらず、



探し回ったその声はいつまでも変わらずに、

ただ後悔に拳を握った。


俺はまだ死ねない。

俺はまだ死なない。

果たしてない約束がある。

もう一度この手で。

もう一度その手を。

その為に俺は。

俺はここまで来た

ここまで生きて来た


いたい

うるさい

じゃまだ

じゃまなんだ

何もかも

何もかも

どけ

俺はまだ


頭にある邪魔な足を掴む。

そのまま足首を握り潰す。

聴こえてくる雑音(ひめい)ですら不愉快だ。

拒む上半身を無理矢理起こす。

未だに鳴り止まぬ雑音を消す。

自分の両耳を持つ。

一息に引き千切り、そのまま掌で顔を鳴らす。

刹那、全ての音が止む。

ほんの少し頭がボーっとする。

が、次にやる事が残ってる。

まだ不快な物はそこに存在している。

さっきまで悦に浸っていた顔が、今では酷く醜く泣き叫ぶ。

おそらくその音も不愉快なのだろう。

今、その全ての音を止める。

聴こえていなくてなお不快。

今すぐに、今すぐに、

聴こえてくるのはそう、ただ彼女の呼び掛けであればいい。


そっと首に誰かの腕が回る。

聴こえてくるはずのない音と共に。















あえてブツ切りっす。


これがやりたいが為に急遽、音の兵器を登場させたまでありますあります。

やっぱこれが手っ取り早い方法かなーって。

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