その72
グオォォォォォキュルルルルルルルッ!
『・・・何作ろうかな〜』
わたしがお昼ご飯の支度をする為に下に下りると現在討伐遠征後の一週間の休暇の最終日を、何故か隊長も副隊長もいるけど、皆んなが思い思いに過ごしていた。
基本的にわたしとハムちゃん達の負担軽減の為、討伐遠征中や休暇中はお昼ご飯は携帯食料となっているのだけど、わたしやハムちゃん達が休暇中は毎食何かしら作っているので結局皆んな一緒にご飯を食べているのだ。
バリバリバリバリバリバリバリバリッ!!!
ドンガラガッシャーーーーーーーンッ!!!
「また、エライ大きなんが落ちたな〜」
わたしは白龍がそう言いながら見ていた大きな窓の外を見ると、大嵐の演習場を囲う遠くの森の一角が落雷により燃えていた。
そして、その火は直ぐに土砂降りの雨で鎮火したけど、そこに何かが落ちている様な気がしたので良く見て見るとどうやら人の様だった。
『・・・白龍。落雷のあったとこに人が落ちてるんだけど?』
「は?人?そんな訳あらへんやろ・・・・・・・落ちとるな!?」
そして、白龍はその落ちてる人を認識した途端にびっくり顔になり大嵐の中を慌てて飛び出して行き、落ちてた人を抱きかかえて戻って来た。
「アカンっ!ヤバいっ!白虎、薬やっ!何か薬作れっ!」
わたしが白龍が抱きかかえている顔面蒼白でぐったりして所々焦げた、半人前の少年神セルディを見てびっくりしたのは言うまでもない。
白龍が二階の空いてる部屋のベッドにセルディを寝かせると、白虎が直ぐに物凄いえげつない色をした小瓶を風呂敷から取り出してセルディの口の中に流し込んだのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・白虎。それホンマに大丈夫か?こいつピクリともせんぞ?」
「白龍殿!拙者の回復薬は味は些か美味くはござらんかもですが効果は抜群でござるよ!ご安心召されよ!」
「・・・まあ、白虎の回復薬の効果は抜群なのは知ってるわよ〜」
鼻がめちゃくちゃ良いわたしやハムちゃん達が、部屋中に充満するえげつない匂いに鼻を抑えながら顔を見合わてしまったのは許して欲しい。
「・・・・・・・・・・・あれ?ここは?」
「おっ!?気づいたかっ!?」
「もしかして・・・僕、世界に落ちたっ!?」
「せやっ!雷と一緒に落ちて来たんや!って言うか、何しとって落ちたんや?マヌケ過ぎやろ?」
「お願いっ!父上達を助けてっ!このままじゃ、父上達が消えちゃうよっ!」
わたし達はセルディがガバっと起き上がるとそう叫んだので、どう言う事かと皆んなで顔を見合わた。
「ねぇ、セルディ?取り敢えず何があったのか説明して貰えるかしら?」
「えっとね・・・」
そして、セルディが説明してくれた内容はわたし達には衝撃的な内容だったのだ。
モグモグモグモグモグモグモグモグモグ・・・
「・・・なるほど。今、神界は二つに分かれて戦争状態だと言う事。そして、そのせいで世界は大嵐に見舞われていて、神界の戦争が終わらない限りはこの大嵐も治まらないと言う事なのだな?」
モグモグモグモグモグモグモグモグモグ・・・
「・・・そうらしいわ〜。まあ、おかしいと思ってたのよね〜。こんな季節外れの大嵐が一週間も続くって言うのがね〜」
モグモグモグモグモグモグモグモグモグ・・・
「リーナ!カツサンドのお代わりってある!?」
わたしはニックに小さく頷くとダイニングテーブルの椅子から降りてキッチンへと向かい、お代わり用に作っておいた大量のカツサンドを切り分けると大皿に並べて持って行った。
「・・・このカツサンド本当に美味しいよね!父上達にも食べさせてあげたいな!」
わたしは男神様は既に食べてるよ?と思いながら、ちょっと安心した顔でカツサンドを頬張るセルディの皿に追加のカツサンドを乗っけた。
あれからセルディの話しを聞いたけどお腹も空いたので、わたしとハムちゃん達は速攻で白雀の背負い籠でカツサンドを作って、今現在お昼ご飯を食べている所なのだ。
「・・・ちゅーか、神が闇堕ちさらすとかアホ過ぎちゃうか?」
「本当よねぇ。まあ、その闇堕ちした神達って神のくせに素行不良だったから納得いくわ〜」
「闇堕ちした神は魔神になるんだよな?強さも変わるんだよな?」
「それは白雀の言う通りなんだけど・・・そうねぇ。強さは倍から最大で十倍ってとこかしら?」
「えっ!?十倍も強くなるの!?だから、父上達が彼奴等に苦戦してるんだ!?」
「あくまで最大でって事だから、闇堕ちした神達全員ではないわよ〜?それならさすがに影響が大き過ぎてこの世界は既に消えてるわ〜」
わたしは白亀がさらっと言ったけど、この世界は本当に神達がいつでもどうにでも出来るくらいの存在なんだな〜と改めて思った。
そして、そんな神達の中の迷惑以外の何者でもない魔神達にはきっちり退場して貰おうと思ったのは言うまでもない。




