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その67

 『・・・うんまーーーーーっ!?』


 今日の晩ご飯のパンダ肉の炭火焼きは、しっかりとした歯ごたえのある噛めば噛むほど味わい深いまるで地鶏の様な美味しさだったので、わたしは思わず声が出てしまった。


 「リーナ!これに合う酒頼むわ!」


 わたしは白龍にそう言われたので、スッキリとした吟醸酒とハイボールを出してみた所、白龍や皆んなは満足そうに飲み始めた。


 「・・・それで?リーナが巨大化したのはどう言う事なのかな?」


 わたしはパンダ肉の炭火焼きをハイボールで流し込んでいたら皇太子が面倒臭い事を言い出したので、心の中で盛大に舌打ちしたのは許して欲しい。


 「・・・ふーん。【ハムちゃん達のピンチを見た瞬間スキルが使える様になってました】ねぇ・・・」


 「リーナのスキルって巨大化するスキルだったのね〜!お陰で助かったわ〜!」


 わたしがしょうがないから副隊長に貸して貰った紙とペンで皇太子にそう伝えると、白亀が援護する様にそう言ってくれた。


 「巨大化だけじゃないんじゃないかな?身体能力もアップしてたよね?」


 わたしは本当に煩い男だなと思いながら、良く分からないと言った感じで小さく首を傾げてみた。


 「皇太子、もう食べましょうよ!せっかくの美味しいお肉が冷めちゃうでしょ!リーナ!白ワインも追加してくれるかしら?」


 白亀がそう言うと、納得いかない顔をしていた皇太子も渋々晩ご飯を再開した。


 皇太子の見立ては、まあ、正しくて、神足通を使ったわたしは普段よりも怪力や頑丈さがめちゃくちゃレベルアップしていたので、雷を纏う巨大なパンダでも楽勝だったのだ。


 『・・・これでスキルを使っても大丈夫になったのは良かったかもね!』


 

  

  神足通  変身変化・限界突破


  天眼通  千里眼


  天耳通  地獄耳


  他心通  読心術


  宿命通  詳細解析


  漏尽通  涅槃寂静




 わたしは六神通力の詳細を思い出し、これなら魔法が使えなくても許せるなと考えながら炭火焼きのパンダ肉を口に放り込んだのだ。


 次の日の朝、わたし達はパンダ肉の卵とじ丼を食べ終えると、野営を撤収して【禁足の塔】の八階へと向かった。


 「「・・・」」


 『・・・』


 (((((((・・・)))))))


 「彼奴等見事に取り込まれとるがな。何がちょっと様子見なんや!って言うか、俺様もあんな無様な顔しとったんか?」


 「嫌だわ〜。あたし達もあんな感じだったんでしょう?穴があったら入りたいわ!」


 「拙者、あの時の事は未だ思い出せないでござるが、これなら思い出せなくてもいいでござる!」


 「だよな!俺達もあんなヘラヘラしてるゾンビみたいになってたんだと思ったら恥ずかし過ぎるよな!」


 わたし達が到着した八階は、またしても闇堕ちしたキツネの聖獣がいて、どんな感じか様子見をしたいと嬉々として皇太子が飛び込むと、第一班もニックを無理矢理引き連れて飛び込んだ。


 そして、案の定キツネ達はそれぞれが好む女性達に変化して戯れ始めると、当然白龍達よりも魔力は少ないので、あっと言う間に皇太子達はゾンビみたいな顔になってしまったのだ。


 「・・・討伐するか・・・行くぞ」


 こうして、呆れ顔の隊長の号令で、わたし達は八階の異世界空間へと飛び込み、闇堕ちしたキツネの聖獣達の尻尾を千切りまくる事になったのだけど、皇太子やニック達第一班が攻撃して来たので、わたしは巨大化して皇太子達を安全地帯に叩き出し、夕方迄に全討伐と金貨の全回収は何とか完了しそうだった。


 『・・・ねぇ、白龍。闇堕ちした聖獣はお肉になるだけじゃないんだね?』


 「せやな〜。半人前の神が作ったもんやから肉だけとちゃうんちゃうか?」


 わたしはなるほどな〜と大きな金貨を拾いながら、食べられないので九階はお肉だと良いなと思ったのは言うまでもない。


 「・・・全く覚えてないなら意味なかったよねぇ」


 わたしは皇太子に大いに頷くニックを除く第一班の面々に呆れながら、カエル肉を口に入れるとドライビールを飲んだ。


 『カエルのお肉がこんなにもっちりジューシーなんだったら早く食べとけば良かった〜』


 わたしはその日の晩ご飯は何にしようかと考えていたら、そう言えばカエル肉は食べる気がしなくて放置していたのを思い出したので、少し焼いて食べてみた所、食感はもっちりで肉汁もいっぱいの美味しい豚トロみたいなお肉だと分かり、焼いてネギ塩ダレに絡めてみたのだ。


 そして、わたしはその日も大満足の晩ご飯を終えると、ぐっすりと眠ったのだ。


 次の日、朝ご飯のカエル肉の甘辛炒め丼でお腹いっぱいになったわたし達は九階へと向かった。


 『・・・わたしのお肉』


 「リーナ、あれは食べるん無理やろ。どー見ても」


 「そうよねぇ。あたしもあのクラゲは無理だと思うわ〜」


 「拙者、クラゲの聖獣は初めてみたでござるが、クラゲで間違いないでござるか?」


 「俺には何か黒い紐が飛んでるようにしか見えないんだけど?」


 わたしはクラゲの聖獣らしい黒い紐がウネウネしながら異世界空間を飛び回る様に、せめてお金が落ちます様にと祈ったのは言うまでもない。


 

 

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